不動産投資で利益を出す方法は大きく分けると、家賃収入と物件の売却益の2種類となります。ある程度の家賃を確保した後、「そろそろ購入した物件を売却したい」と考えている人も多いかもしれません。しかし、初心者にとって物件の売却はタイミングも手段もなかなか判断しにくいところです。そこで、本稿では物件の売却について初心者向けの簡単な解説をします。

初心者は物件の売却で悩みがち

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(画像=Alexander Raths/Shutterstock.com)

はじめて不動産投資をする人にとって、不動産は非常に高価な買い物です。しかし、たとえば家賃収入を主な目的に物件を手に入れた人である場合、年々劣化してゆく不動産の維持管理などに追われた挙げ句、次第に物件を手放すことを考慮する可能性も出てくるはずです。また、逆にあるときを境に急激に地域の不動産価格が値上がりし、売却する絶好の機会が訪れるかもしれません。

いずれにせよ、物件を購入した時点で、最終的には売却も考慮に入れるような出口戦略を立てている人であれば、いざ売却に際しても事態はスムーズに進捗するでしょう。しかし、そもそも売却を考慮していない人の場合、「いつ、どのようなタイミングで、どうやって売却すれば良いのか」について困惑してしまいがちです。

だからこそ、家賃収入を主に考えている不動産投資であっても、できれば購入する時点で売却をするパターンの出口戦略も考慮に入れておきたいところです。

物件の売却にはどのような手段が?

不動産を売却する際、まず思いつくことは「どこに?」「いくらで?」という問題です。この2点は、密接に関係しています。物件を査定してもらう場合、ある程度の相場はありますが、不動産業者によって査定額はまちまちです。なぜなら、業者によって得意・不得意というものがあるからです。たとえば、地元密着型であれば小規模な物件などでも良い査定額を出してくれるかもしれません。

しかし、1棟マンションであれば思ったほどの査定額にはならない可能性もあります。大手デベロッパーなどであれば、逆の査定額になる可能性もあるでしょう。いずれにせよ、売却を考える際は大体の相場観を調査して、最初に物件を購入した不動産会社なども含めながら、良い査定額を出してくれる業者を選ぶことが大切です。

仲介依頼の際、契約方法は3種類

不動産業者に売却の仲介をお願いするとき、不動産業者と売り主との間で「媒介契約」といわれるものを締結することになります。媒介契約とは、簡単にいえば仲介手数料を含めて仲介者としてどのようなサービスをしてくれるのかを明記したものです。そのため、媒介契約を結ぶ際には「なんとなく」ではなく、内容をしっかりと精査して疑問があれば不動産業者に質問してみることも大切です。

・3種類の契約方法
仲介してくれる不動産業者との取り決めとなる「媒介契約」は3種類にわかれます。

1.専属専任媒介契約
2.専任媒介契約
3.一般媒介契約

上記の違いを大雑把に述べると、依頼者の契約範囲が異なるものです。

1.専属専任媒介契約
売り手は、1社の不動産業者とのみ仲介の契約を結ぶものです。不動産業者としても懸命に営業に取り組んでくれることが期待できますが、売り手にとっては身動きが取りにくい面もあります。そのため、契約期間は3ヵ月以内と定められています。不動産業者は、依頼主へ最低1週間に1回以上の業務報告が必要です。契約後、依頼者は自分で買い主を探すことはできなくなります。

2.専任媒介契約
上記同様、1社の不動産業者のみと契約します。専属専任媒介契約と契約内容的には酷似していますが、売り手自身が見つけてきたものであれば、不動産業者を通じることなく契約することが可能です。不動産業者は、2週間に1回以上の業務報告が必要になります。

3.一般媒介契約
複数の不動産会社と仲介契約を締結することができます。ただし、専属専任媒介契約や専任媒介契約と比較すれば、業務報告の義務がないため、不動産業者のやる気などはそこまで期待はできません。

このように契約の種類は一長一短であり、どれが良いとも言い切れません。いずれにせよこれらの種類を先に頭に入れておくと、いざ仲介を依頼する際、不動産業者とのやり取りもスムーズに進むためぜひ覚えておきたいところです。

多角的な視点から出口戦略を

たとえ、家賃収入を目的としていても、物件の売却方法を知っておくことは大切です。物件の売却という出口戦略を立てる際には、上述のような査定や契約に加えて、保有期間によって異なる税率なども頭に入れておく必要があります。出口戦略は多角的な視点が求められますが、知っておけば不動産投資の幅はさらに広がります。不動産投資を行う際には、ぜひ出口戦略を考慮に入れておきましょう。(提供:Incomepress


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