「定年後、私たちの生活は退職金と公的年金だけでは賄えないのでは?」と不安に思っている人も少なくありません。しかし、老後生活していくには毎月どのぐらいの金額が必要なのでしょうか。本稿では、現段階で支給されている年金額を参考に、老後の生活を賄うための金額について考えてみます。

年金額の支給平均額は?

老後の生活,平均額
(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

長期間働き続けて、ようやくリタイアの時期が訪れた……そのような解放感に包まれながら、後はのんびりと余生を過ごしていきたいと願っているサラリーマンは少なくないはずです。しかし、悠々自適で第2の人生を謳歌するには、やはり相応の資金が必要になります。1944年の厚生年金保険法では、男女とも55歳が年金支給開始(定年)でしたが、2019年5月現在、政府は企業に対して70歳に至るまでの雇用を努力義務付けしました。

人生100年時代と呼ばれる現在、今後、高齢者の定義も変わってくる可能性は高いでしょう。政府が70歳までの労働を求める理由は、年金をはじめとする社会保障費が足りないことに由来していることは明白です。もし、現状のままリタイアした場合、年金はどのぐらい支給されるのでしょうか。2018年12月に厚生労働省年金局が発表した「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概要」によると、2017年度の国民年金受給者の平均月額は5万5,615円、厚生年金受給者の平均月額は14万7,051円です。

この金額が高いか安いかは人によるところがありますが、好きなことをしてのんびり暮らしてゆくには少々物足りない金額といえるでしょう。

老後の生活費はいくらかかる?

一方、老後の支出はいくらになるでしょうか。総務省の「家計調査年報(家計収支編)2017年」によると、高齢夫婦無職世帯の消費支出は23万5,477円です。支出の内訳は、食料が27.4%と最も高く、次に交通費・通信費11.7%、交際費11.6%と続いています。つまり、単純にいえば公的年金だけでは生活することができず、「老後になっても働き続けるか」「貯金を切り崩すか」のどちらかを選ぶ必要があるのです。

老後の備えはどうすればいい

では、老後の対策として今からできることは何でしょうか。「コツコツと老後不足する資金を貯蓄していく」というのも一つの方法です。しかし、高齢になるほど身体が衰え、医療費・介護費など、さまざまな予想できない出費がかさんでしまう懸念があります。そのため、老後の万一に備えてなるべく効率良く資金を確保したいものです。そこで、老後の備えを作るための方法の一つに不動産投資が挙げられます。

不動産価格が高騰しているのであれば、物件を購入後、修繕などを通じて価値を高めてから売却して利益を得るのも一つの方法です。また、新築で立地の良い物件などを購入することで、節税しながら長期保持するやり方もあります。20年、30年と長期的に物件を持ち続ける場合には、不動産会社に維持管理を委託することで、管理の手間を軽減することができます。

つまり、それほど大きい労力を掛けなくとも家賃収入が入ってくるため、老後に備えた不労所得の獲得手段としてはうってつけだといえるでしょう。

投資先は複数あっても問題ない

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。投資先を一つにしぼると、万一の際、大きな打撃を受けかねないという意味です。老後に備えるための方法もこれと同じです。不動産投資は一つの軸としながら、たとえば個人型の確定拠出年金に毎月積み立てをしたり、長期的な保持が可能な安定感ある投資信託を活用したりするなど、老後に備える方法は複数存在します。一つに偏らずに自分自身のリスク許容度にあわせて分散投資することが大切です。

人生100年時代に備える

人生100年時代とはいわれていますが、実際に健康に働ける期間は思いの他、短い可能性もあります。そのため、老後は年金だけの生活ではやや心許ないことでしょう。老後資金の不足分をどのように補うかを、早い年齢から考えておくことで、さまざまな対策を講じることができます。不動産投資も老後資金対策の一つですので、積極的に情報収集を行い、年金ともう一つの収入源の確保を検討しましょう。(提供:Incomepress

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