人生100年時代と銘打たれた現代。老後に必要な資金は、一説によると3,000万円とも言われてもいます。この老後資金をどう確保するかが、老後に豊かな人生を送るためのカギといっても差し支えありません。本稿では老後資金を確保するための方法について解説します。

老後資金はいくら必要?

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(写真=Behopeful/Shutterstock.com)

老後を生きるにあたって、不足がささやかれている公的年金だけでの生活では心許ないのは事実です。結局のところ、年金に加えて貯金を切り崩すことを選択する人が多いのではないでしょうか。しかし、「肝心の老後の資金が一体いくら必要なのか」について、はっきりわかっている人は多くないでしょう。老後の資金でいくら必要なのかは、各メディアや専門家でも意見はまちまちです。

実際のところ、老後と一口にいってもその生活形態は人それぞれです。生活にかかる費用や病気・介護費用などによって必要な金額は変わります。例えば、「何歳まで生きられるのか」「健康年齢はいくつまでになるか」などで総額はまったく異なるでしょう。

2016年の総務省の試算によると、高齢夫婦無職世帯の1ヵ月の支出は約26万円です。ここから実収入である公的年金約21万円を引くと、毎月5万円が必要となる計算になります。60歳からを老後とし、老後の期間を25年とすると、1,500万円は貯金が必要になり、ここに医療費や介護費などを足すと3,000万円という金額もうっすらと見えてくるようです。

老後資金を貯めるには

効率良く老後資金を貯めるにはいくつかの方法があります。もともと日本人は貯蓄が好きな人が多い傾向です。堅実にコツコツと貯めることを美徳としてきた面があります。しかし、2019年現在定期預金はゼロ金利と呼ばれているほどに低い利率です。そのままの貯蓄では10年後、20年後、物価が上昇した分、通貨の価値そのものが目減りしてしまいます。

最低でも物価スライドに適応する程度の投資をすることが求められる時代になりつつあるのです。では、具体的な投資先としては何が挙げられるでしょうか。

・iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金の愛称であり、老後に生活資金を蓄えることを目的とした制度のことです。iDeCo(イデコ)は、自分で掛け金を拠出、運用方法を選ぶことで資金を増やすことが求められます。iDeCo(イデコ)の特徴は、掛け金・運用益・受給時などに税法上の優遇措置が設けられている点にあり、効率的に老後資金を貯めるのにうってつけの制度です。

・つみたてNISA
つみたてNISAは、最長20年間、毎年40万円の投資分を上限に非課税とする長期投資向けの投資制度です。分散・積み立てなどに向いているつみたてNISAも、老後の備えという面が強いため、バランスの良い金融商品が多くそろえられています。20年間利用すれば最大で800万円という非課税制度であるため、他の投資と並行して行うことも一考に値するでしょう。

・不動産投資
不動産投資にはいろいろなやり方がありますが、老後のための不動産投資は売却益を狙うのではなく、20年・30年と長期的に保持し、リタイア時などから私的年金の代わりとして家賃収入を確保することができるものです。

老後資金の確保は分散して投資を

老後資金の貯め方についていくつか方法を解説しましたが、どれもリスクが完全にないわけではありません。投資の基本は「分散」です。iDeCo(イデコ)・つみたてNISA・不動産投資、そして貯金などを上手に併用して効率の良い老後資金を確保できるよう心がけましょう。(提供:Incomepress

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