eコマース(電子商取引)の発展とは裏腹に、米小売業界は苦戦を強いられている。昨年3月、米玩具販売大手のトイザらスが倒産したのに続き、10月には創業130年を超えるシアーズ・ホールディングスも破綻、今年1月には老舗ブランドのヘンリベンデルも全店閉鎖となった。だが、そうした状況で存在感を増しているのが世界最大のスーパーマーケットチェーン、ウォルマートだ。
ウォルマートの今年2~4月期決算は、EPS(1株当たり利益)でアナリスト予想の1.02ドルを上回る1.13ドル、既存店売上高は予想の3.3%増に対し3.4%増といずれも想定を上回る内容となった。ちなみに、ウォルマートの業績を牽引する要因の一つにeコマース事業がある。今年2~4月期における同事業の売上高成長率は37%で前年同期(33%)を上回るなど高い伸びを示している。
ウォール街のエコノミストからは「打倒アマゾンの最右翼」とも呼ばれるウォルマート、そこには世界最大のスーパーマーケットチェーンだからこそ可能な戦術も見え隠れする。詳しく見てみよう。