結婚、出産、住宅購入、子供の教育、老後生活など、私たちはライフステージごとに多額の支出が求められている。最近は少子高齢化を背景に、年金への不安が高まっており、自助努力で資産形成することが必要な時代に突入したといえる。そこで今回は、計画的で賢い貯蓄方法と投資初心者でも取り組みやすい金融商品を考えてみよう。

賢い貯蓄の第一歩は毎月の収支を把握すること

貯蓄法,投資初心者
(写真=elwynn/Shutterstock.com)

賢く、そして確実に貯蓄するためには、毎月の収支をしっかりと把握することが大切だ。家計の収支は「収入(可処分所得)-支出=貯蓄額」と表すことができる。ここでいう収入とは、サラリーマンであれば、毎月の給料がベースとなる。支出は、固定費と変動費に分けられる。可処分所得とは、給与から税金や社会保険料を差し引いた、一般的に「手取り」と呼ばれているものだ。つまり、収入を増やすか、支出を減らすと、貯蓄に回す余裕資金が生まれる。

これを前提に、まずは毎月「家計簿をつける」ことを実践してみよう。家計簿をつけると、月々どのような費目に、いくら支出しているかが把握できるだけでなく、貯蓄を増やすための改善策を立てることができるからだ。スマートフォンの無料アプリでも簡単な入力作業で、毎月の家計を管理できるので、ぜひ利用してみるとよいだろう。

支出を見直し「先取り貯蓄」でコツコツ貯める

家計簿で家計収支を把握できたら、すぐにでも改善できる支出項目から見直してみよう。一般的に、毎月の支出の中でも大きな割合を占めるのが、固定費に分類される住居費や保険代だろう。現在は超低金利社会であることから、住宅ローンを見直すのも一つの手だ。また、保険は日進月歩で、年々改良された商品が販売されている。加入済み保険の定期的な見直しは、固定費を減らす上で、非常に効果的だ。変動費に関しても、「衣服の衝動買いをなくす」「毎月の自炊回数を増やす」などの工夫で、着実に支出を減らしていけるだろう。

支出を減らすだけでなく、コツコツと貯蓄を増やす仕組みも大切だ。賢く確実な貯蓄方法として、「先取り貯蓄」をおすすめしたい。先取り貯蓄とは、先に毎月の給料から目標とする貯蓄金額を、別の貯蓄用口座に移しておき、余ったお金の範囲内で、月々のやりくりをするという方法だ。別枠に移した貯蓄には一切手をつけないことで、確実に貯蓄を増やしていける。それと同時に、家計簿を見直しながら、余計な支出を削減する工夫していけば、貯蓄に回せる割合も増えていくだろう。

初心者向けの投資商品2選

貯蓄を増やしたら、次は将来のさまざまな出費を想定して、投資によって資産を大きく増やしていく必要がある。今回は投資初心者がトライしやすい、リスクを限定した金融商品2つを紹介しよう。

・積立式定期預金
コツコツと増やした貯蓄の一部を積立式定期預金に回すことで、確実な資産の増加を期待できる。例えば、イオン銀行では、年0.08%の金利(2019年5月10日現在)で、月々500円から始められる。この程度であれば、誰でも無理なく資産運用を始められるのではないだろうか。

・個人向け国債
個人向け国債とは、国が発行体で、個人でも購入できる国債のことである。こちらも元本割れリスクがなく、1万円から購入が可能となっている。投資初心者でも安心して資産運用が始められるだろう。なお、年0.05%の最低金利保証がついている。

今回は賢く確実に貯蓄する方法とリスクを抑えた金融商品について考えてみた。まずは着実に貯蓄を増やせるよう、無駄な支出を削減した「スリムな家計」を目指すとともに、コツコツと資産形成を実践してみてはいかがだろうか。