ホンネはほんの小さな顔の動きに表れる

微表情,清水建二
(画像=THE21オンライン)

私たちは人と話をしているとき、相手の表情を見て反応をうかがっている。しかし、愛想笑いなどによって、表情を読み間違えてしまうこともある。そのために、「喜んでいると思ったのに、まさか怒っていたとは……」と後悔したりすることも。しかし、「微表情」に気づければ、そんな事態は避けられると清水建二氏は話す。

愛想笑いをしても微表情は漏れ出してくる

人の感情は、無意識のうちに、微細な顔の動きに表れます。これを「微表情」と呼んでいます。

ネガティブな感情は、大人であれば、普通はそのまま表に出すことはしません。特に日本人は、愛想笑いによってネガティブな感情が表情に出ないようにする傾向が強い。それでも微表情は、愛想笑いから漏れ出てきます。

写真1は、両側の口角が上がって笑っているようにも見えますが、ホウレイ線が釣鐘型(逆U字のような形)になっているなど、「嫌悪」の微表情が表れている例です。

微表情,清水建二
(画像=THE21オンライン)

微表情が表れるのは、従来は0.2秒間だとされていましたが、最近の研究では0.5秒ほど表れるものが多いとされています。ですから、注意深く相手の顔を見ていれば、見逃さずに読み取れることが多いはずです。

実際、私たちが行なっている研修で、映像を見せて微表情を読み取ってもらうトレーニングを1時間集中して行なうと、正解率が平均で40%から80%へと上がります。

これまでの研究で、「幸福」「軽蔑」「嫌悪」「怒り」「悲しみ」「恐怖」「驚き」の七つの感情の微表情は、万国共通であることがわかっています。また、おそらく万国共通だろうと考えられている微表情は、この他にもあります。