人生の道筋がうっすらと見えてくる30代は、堅実な資産運用を始めたい年代です。しかし実際のところ、30代は投資初心者の数が少なくありません。家庭を持つ人も増えてくる30代だからこそ、ライフプランを意識しながら着実に資産を運用していきたいものです。そこで本稿では、30代から始める資産運用について概要と用例を挙げて説明していきます。

30代は将来が見えてくる時期

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(写真=Papamoon/Shutterstock.com)

30代ともなると仕事も一段落し、家庭を持つ人もいることでしょう。30代は、うっすらと人生の先行きが見えてくる時期でもあります。人生の先行きが見えてくるということは、今後いくらお金が必要なのかを意識し始める時期とも言えます。

では、30代から老後まで一体いくら必要になるのでしょうか。総務省の統計によると、2018年における2人以上の世帯の1ヵ月あたりの支出平均は約28万7,000円、単身世帯は約16万円です。共働きではない世帯の場合、30歳からの50年間で計算してみると、2人以上の世帯で1億7,220万円、単身者は9,600万円必要です。

一見すると途方に暮れる金額ではありますが、将来年金の目減りが予想され、賃金の伸び率や退職金もあてにならない時代に、この資金を準備するためには自分で堅実な資産運用をしなければなりません。

30代が目指すべき堅実な資産運用とは

では、堅実な資産運用とはどのようなものでしょうか。

つみたてNISA

つみたてNISAは、長期投資を目的とした非課税制度です。つみたてNISAでは、証券会社などの金融機関を通じて投資信託を自分で選び、そこに投資をしていきます。つみたてNISAは年間40万円まで非課税投資枠があり、最長20年間、最大800万円までが非課税となります。

iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)は老後に備えた個人型確定拠出年金です。加入者が投資信託などの金融商品を選び、それに毎月積み立てをすることで、老後資金を着実に貯めながら運用することができます。iDeCo(イデコ)は積立金額が全額所得控除の対象となるうえに、運用益が非課税となります。ただし、iDeCo(イデコ)は原則として60歳になるまで解約できないことと、積立額に上限が設けられていることに注意が必要です。

不動産投資

不動産投資では、20年、30年とローンを返済し続け、老後が訪れると同時に完済することで、それ以降は家賃収入を私的年金とすることができます。不動産投資を行う場合、ローンの返済が心配になるかもしれませんが、実際は家賃収入がローンの返済に充てられるため、持ち出しはゼロか、あったとしても少額で済みます。

目先の利益を追わない投資を

老後に備えた堅実な投資方法を3つ紹介しました。この3つは、どれか一つを選ばなければならないというものではなく、併用する方法もあります。また、投資はできるだけ投資先を増やすことにより、リスクの分散を図ることができます。

3つの投資法に共通する特徴は、目先の利益を追わないことです。「すぐに儲かる」というものは魅力的ですが、実際はその分リスクが大きくなります。逆に20年、30年と時間をかけるほど、そのリスクは小さくなるのです。

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)は、老後を迎えた時の退職金のような意味合いがあります。しかし、それまで何十年と積立をして運用してきたお金も、受け取った後は老後資金として消費され、次第に目減りしていってしまいます。一方、不動産はお金を生み続ける資産であり、保有している間はずっと毎月安定して家賃収入が得られるというメリットがあります。このように、不労所得を得続けることができるという意味で、不動産投資には老後生活を支え続ける力があると言えるでしょう。(提供:Incomepress

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