起業したことをきっかけに、自分のふるさとへ恩返しをしたいと考えるようになったというトラストバンク代表取締役の須永珠代さん。「大きな会社にするつもりはなかった」と語るが、結果としてはふるさと納税ブームをけん引するトップランナーになった。
ところが2018年11月、トラストバンクは株式会社チェンジの子会社となった。こうした決断に至った背景にはどんな思いがあったのだろうか。今回は起業してからこれまでのこと、そしてこれからトラストバンクが何を目指していくのかを聞いた。(取材、構成・秋乃麻桔/写真・森口新太郎)
▼須永さんインタビュー、前回までの記事はこちら
・「もうからなさそうなもの」から急成長 秘訣は〝こだわり〟【特集#6】
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チェンジ社の傘下に入った理由
――トラストバンクは昨年11月にチェンジの子会社となりました。そこにはどういった背景があったのでしょうか?
ふるさとチョイスはいわゆる「SaaS(サース)型」といわれているサービスを提供しています。「使い道情報投稿」も1500の自治体さんがシステムに情報を投げ込んでくれるという、SaaS型だからできることです。今後は全自治体に今提供しているサービス以外のツールも展開したいと考えていました。
チェンジは、AI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどのテクノロジーを活用したITコンサルティングやシステム導入とIT人材育成研修を提供している会社です。トラストバンクは、1500を超える自治体とのつながりがあり、よりITを活用した支援をしていきたいとの想いから、株式会社チェンジとのグループ会社化に至りました。
起業したことで、苦労したこと
――須永さんは独立した後、個人のスキルで稼ぐのではなく、人を集め、事業で稼ぐことを選択しました。起業したからこそできたこと、逆に大変だったことは何ですか?