営業の仕事は、顧客が目指すビジョン実現の支援に変わる
「AIの進化によって、営業職はなくなる」。そう言われることがあるが、「なくなることはない」と、営業研修などを行なう高橋研氏は話す。ただし、現在、主流となっている課題解決型営業(ソリューション営業)では生き残れないとも言う。では、どんな営業職が、これからの時代を生き抜けるのか?
営業職は、数は減っても必要とされ続ける
オックスフォード大学でAIの研究に携わるマイケル・オズボーン准教授とカール・フレイ博士は、2013年に書いた『雇用の未来』で、米国の総雇用者の47%の仕事が、今後10~20年でAIによって自動化されると論じ、世界に衝撃を与えました。
この論文によると、AIの進化によって消える仕事の中には、訪問販売員も含まれています。
確かに、単純な営業活動はAIによって取って代わられ、世の中の営業職の人数は減るでしょう。
しかし、営業職がなくなることはないと、私は考えています。まだまだ人間にしかできない営業活動が残されているからです。
私に営業職の素晴らしさと可能性について気づかせてくれたのは、新卒で入社したファンケルの池森賢二社長(当時)の言葉でした。
「未来永劫続く事業はなく、会社は常に倒産に向かっている。だからこそ、新しいチャレンジをしなければならない。そこで重要になるのが、世の中の情報に対する感度を上げること。情報は、お取引先の優秀な営業担当者が持ってきてくれる」
これはAI時代でも変わりません。生き残れる営業は、お客様に対して、新しい情報や付加価値を提供できる人なのです。