営業の付加価値は時代によって変わる

では、お客様に提供すべき付加価値とは何か。それは、時代とともに変わります。

私たちの祖父の世代が現役のビジネスパーソンだった戦後は、モノがない時代でした。その当時は、性能や質が高いモノを売りさえすれば、お客様が買ってくれて、ビジネスで勝つことができた。「良いモノ」であることが付加価値だったわけです。

その次に来たのが、営業職個人の「人柄」が付加価値になる時代です。これはバブル期に絶頂を迎えました。

誰とでも仲良くなれる「人たらし力」を武器に、お客様の懐に飛び込んで、接待はもちろん、休日のゴルフまで、徹底的におつきあいすることで、「あなた以外からは買わない」という関係を構築できる営業職が勝つ時代になったのです。

バブルが崩壊すると、それほど経費をかけることができなくなったため、課題解決型の営業活動が主流になりました。

しかし、今は、課題解決が付加価値にならない時代になってきています。相手の課題に寄り添い、長い時間をかけて練りに練ったソリューションを提案しても、競合他社も同じような提案をする。そのため、結局、最後は条件交渉によって勝負がつく、ということが頻繁に発生しているのです。