前日の海外時間では、FOMC議事要旨が公表され、内容としては、「2人の委員は7月FOMCで50bpの利下げ支持」「今回の利下げはサイクルの半ばにおける調整」「数人の委員は量的緩和(QE)の有効性について不確実性が残っていると指摘」など、FOMC後のパウエルFRB議長の会見とほぼ同じ内容となったことから、公表後はややドル買いが強まる展開になりました。ただ、前日の寄稿通り、前回のFOMC後の8/1日にトランプ大統領は中国からの輸入品3,000億ドル相当に9/1日から10%の関税を課すと発表し、 8/5には米財務省が中国を為替操作国に指定しているため、状況が一変していることを考えると、注目はFOMC議事要旨ではなく、23日に予定されているパウエルFRB議長のジャクソンホールでの会見になりそうです。

また、引き続き、トランプ大統領による利下げ圧力が加速しており、FRBの政策が米国の成長や経済的な競争力を阻害していると、改めて批判し、利下げを促しています。ただ、「キャピタルゲイン税や給与税の引き下げも含めた景気刺激策を検討している」との前日の発言を翻し「どのような形の減税も検討していない」と発言するなど、このところ発言に統一性がなくなってきていることから、以前のようにトランプ大統領の一挙手一投足でマーケットが動くという流れは小休止しています。

ユーロに関しては、ドイツ政府が大多数の納税者を対象とした連帯付加税を廃止することを決定しました。こうした措置は、ドイツの家計に対して100億ユーロ(GDP比0.3%)の資金を提供することになるとの報道もありますが、本事項は連立政権樹立の際の合意事項であったこともあり、ユーロ反発の材料にはなりませんでした。ユーロドルでは、引き続き1.11ドル付近では上値の重さが意識されています。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

メルケル独首相は、訪独したジョンソン英首相と会談し、EU離脱協定案の争点であるアイルランド国境問題の解決策「バックストップ(安全策)」について、30日以内に代替案を提示するよう求めました。ただ、メルケル・ジョンソン会談の記者会見の直後に、フランスのマクロン大統領は、ジョンソン氏が主張しているバックストップの削除を含む離脱協定案再交渉は実現し難いとの見解を表明しています。ジョンソン英首相は、本日22日にマクロン大統領とパリで会談する予定ですが、明確に物別れになるようであれば、ポンドは下値を拡大する動きになりそうです。

23日のパウエルFRB議長の会見待ちの様相を呈していますが、可能性は低いものの、日米閣僚級通商協議関連のヘッドラインが出てくるようだとマーケットが動意付く可能性があります。ただ、既に茂木経済財政・再生相がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との協議後の発信として、協議は順調である旨の内容を伝えていることから、特段ネガティブな報道はされないものと思われます。

ユーロは悪材料が多数存在するも、1.10ドル半ばでは反発基調が強い

ユーロドルについては、1.1200ドルで完全にキャップされた形になっており、遂に1.1100ドルの水準も下抜けています。ただ、1.10ドル半ばでは反発基調が強いことを考えると、一旦利食い優先で考え、設定水準を変更します。1.1110ドルでのショートメイク、利食いは1.1060ドル付近に設定変更、損切りは1.1150付近上抜けを想定します。

海外時間からの流れ

トルコリラについては、クルド系3市長の突然の職務停止に関して、3人が所属する国民民主主義党だけでなく、最大野党の共和人民党も非難の声を上げており、トルコ国内の情勢不安が高まっています。デモ活動も活発化していることから、多少の戻りは合っても、積極的にトルコリラを買い進める地合いではないと考えられます。

今日の予定

本日は、独・8月製造業PMI/サービス業PMI、ユーロ圏・8月製造業PMI/サービス業PMI、ECB(欧州中銀)議事要旨、米・新規失業保険申請件数、米・8月マークイット製造業PMI/マークイットサービス業PMIなどの経済指標が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。