ビジネスというと、同業他社との熾烈な市場競争に明け暮れることを想像しがちです。しかし今や個人である一人ひとりが、自分なりの働き方と能力を提供する時代へと移り変わりつつあります。同じ製品やサービスであっても「安ければ良い」ではなく、顧客が本当に求めているものを掘り出し、そこに付加価値を与えてあげることがこれからのビジネスとなります。

価値経営と呼ばれるこの考え方は、従来の企業経営とは異なるビジネスモデルといえるでしょう。本稿では副業にも使える価値経営について説明します。

価格競争とは異なるビジネスモデル

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(画像=Silentgunman/Shutterstock.com)

ビジネスにおいて商品の価格というものは最も重視されるものの一つです。同じサービスを提供している企業が2社あれば、価格が安いほうを頼む人のほうが多いのではないでしょうか。それも金額の差が大きくなるほどその傾向は顕著になります。しかし近年、これらとは異なるビジネスモデルが出現しつつあります。

例えば金額が他社よりも高くても、お客さんの要望を深く把握し、時にはお客さん自身がまだ言葉にできていない部分までも探り当て、そのニーズに最も適した商品やサービスを提供できたらどうでしょうか。多少金額が高くても一番自分をよく分かってくれている相手として、お客さんはその製品やサービスに魅力を感じることでしょう。

このように金額や商品単独の価値に頼ることなく、お客さんとの価値観をも共有できるビジネスモデルを「価値経営」と呼びます。

価値経営による副業

政府はこれまでの終身雇用制や年功序列制度を廃止し、新しい労働形態を作り上げようとしています。この「働き方改革」の一環として、政府は副業・兼業の促進を始めました。価値経営はこの副業や兼業にも効果をもたらします。例えば大手の食品メーカー企業が大量生産で同じ食べ物を製造しているとしましょう。

これはどこで食べても同じ味です。しかし副業として個人で料理を提供するとしたら、数は少なくてもお客さん一人ひとりのニーズを深掘りし、それに合った創作料理を提供するなど、大手とはまったく違った経営をすることもできます。

従来の企業経営との差別化を

これらは飲食に限りません。今やビジネス系のマッチングサイトはたくさん存在しています。今の仕事が「営業」「経理」「企画」など異なる職種でも、自分なりのオリジナリティを発揮し、お客さんのニーズと適合するビジネススタイルを確立することも不可能ではありません。

副業としての用例

価値経営はビジネスにおけるパラダイムシフトです。従来のビジネスとは視点を切り替えることでさまざまな分野で効果を生み出します。自分が管理職で、例えばこれまで自社では売上の達成ばかりに目を向けていたとしましょう。そのような場合、人事コンサルタントとして副業を始めることも可能です。

また他社においては女性社員がどう活き活きと活躍できるかに着目し、かつそこから紐づけて企業価値の向上を図るなど、今までとは違ったかたちで社会に貢献することも期待できます。さらに自分が営業で「自社では膠着化した取引先しか存在していない」と感じた場合はどうでしょうか。

例えば副業としてデジタルマーケティングのような新しい分野を採り入れて取引や広告のチャネルを新しく開拓していくなど、さまざまな方法が考えられます。

価値経営と副業の相乗効果

価値経営は既存のビジネスモデルとは異なる考え方に立脚したものです。自分が苦手と思っていた分野であったり、自社の経営において問題を感じていたりした部分を副業として活かすこともできるでしょう。価値というものはあいまいなものですが、自分の能力を用いて社会に貢献し、多くの人を幸せにすることがビジネスの目的です。

価値経営は、それに沿った新時代のビジネスモデルだといえるでしょう。(提供:Incomepress


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