平均年収よりもはるかに高い金額をもらっているはずなのに、なぜかお金はたまらない……。このような悩みをもつ人は、収入と貯蓄は必ずしも比例しないことを知っておきたい。なぜ「貯蓄力」に差が生まれるのか。カギを握る「ラテ・マネー」について見ていこう。

お金が貯まらないのは「つい使ってしまうから」

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(写真=amenic181 / Shutterstock.com)

収入の多さと貯金残高が比例しない原因のひとつは、高年収ゆえの気のゆるみが考えられる。重要ではないことについお金を使ってしまってはいないだろうか。「このくらいの出費なら稼げばいい」が口癖の人は注意が必要だ。

そして、年収数千万円の人と数百万円の人とでは、総収入に占める手取り額の割合が異なるのが二つ目の理由だ。見かけの年収が高くても、実際に使えるお金は意外と少ない。日本の所得税は所得が多ければ多いほど税率が高くなる累進課税が採用されている。社会保険料の負担も大きい。児童手当や住宅ローン控除のように、一定以上の収入がある人には適用されない優遇策もある。

にもかかわらず、冷静に考えたらあまり使う必要のないことにお金を使ってしまっている。その代表例が「ラテ・マネー」だ。

1日1杯500円のコーヒーも20年経てば数百万円に ?

ラテ・マネーとは「1回の消費額は少額だが、頻繁に使ってしまうお金」のことをいう。米国の著名な資産コンサルタントであるデヴィッド・バック氏の著書「自動的に大金持ちになる方法―オートマチック・ミリオネア」で知られるようになった。

ラテ・マネーの「ラテ」は、カフェラテを指す。毎朝出勤時に洒落たカフェでテイクアウトする1杯のコーヒー。この香りで仕事のスイッチが入るという人もいるだろう。あるいは、忙しい1日が始まる前の、わずかな至福のひとときかもしれない。

オフィスでカフェラテを口にふくむ時間はどれくらいだろうか。この数分の幸せが、潤沢な貯蓄からあなたを遠ざけているということは、すぐには実感できないかもしれない。しかし考えてみて欲しい。喫茶店で1日平均500円分を消費するとして、1年間365日で計算すると年間18万2,500円。これを20年間続ければ365万円にのぼる。それなりにいいクルマが買えてしまう金額だ。

消費1回あたりのわずかな金額が、数十年後の貯蓄額に大きく影響している。このことを意識して出費しているかどうかで、貯まるお金に大きな差がついてしまうのだ。

ラテ・マネーには他に次のようなものがある。

・毎日欠かさない晩酌
・週刊誌
・オンラインゲームの課金
・セールで安くなった不必要なものの購入
・使い捨てのビニール傘
・銀行のATM手数料

思い当たるものがあれば、先ほどのカフェラテの例のように長期スパンで計算してみて欲しい。金額が大きく感じるようであれば、削減を考えてみてはどうだろうか。もちろん、お金の使い道にはそれなりの理由があるだろう。しかし頻度を減らしたり、お金のかからない他の方法に変えたりするなど、やり方はいくらでもある。あるいは、より安く購入できる方法はないかを考えてみて欲しい。成功すると蓄財が楽しくなってきて、さらにお金が貯まるようになるはずだ。

ネット銀行の利用でATM手数料が無料に

具体例として挙げたなかで、ATM手数料は少し毛色が違うと思うかもしれない。趣味や嗜好にかかわりなく発生するので、「かかっても仕方がない」と考えてしまうからだ。しかし、銀行によってATMでの引き出しや預け入れにかかる手数料の体系は大きく異なる。例えば、ネット銀行によってはATMの引き出し手数料や振込手数料が無料になるところもある。

ラテ・マネーを減らすことができるかどうかは、日々の生活スタイルが大きく関わっている。まずは日常のラテ・マネーを洗い出し、「貯められる体質」への改善を目指してみてはいかがだろうか。(提供:大和ネクスト銀行

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