「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」(以下、フリーランス協会)の代表理事・平田麻莉さんに、フリーランスの働き方やキャリアについてインタビューを行ってきた。
平田さんへのインタビュー最終回となる本記事では、フリーランスとして仕事をしていくために必要な資質やスキルを体系的に紹介してもらいながら、平田さん自身が感じる「幸せに働く方法」についても聞いてみた。
平田さんが考える幸せの方程式のキーワードは「自律」。そこには、個人が自分の人生を「経営」していくために重要な考え方があった。(取材・藤堂真衣/写真・森口新太郎)
▼平田さんインタビュー、前回までの記事はこちら
・フリーランス協会代表理事に聞く 今「自由な働き方」が抱える課題【特集#9】
・会社員への「出戻り」も フリーランスのネクストキャリア【特集#10】
会社員も自律的なキャリアを築こう
──フリーランスとして仕事をしてきた人が再び会社員として就労するという選択肢には少し驚きを受けました(※#10参照)。フリーランス協会として取り組まれていることはありますか?
協会のイベント等でもそうしたキャリアの相談に乗ることはもちろんありますが、専門性も必要ですし、リソース的に難しい部分もあります。
そこで、協会ではキャリアコンサルタントの有資格者向けにアドバイザー養成講座なども開いていて、キャリア相談の知見のある専門家と会員さんたちのマッチングのお手伝いもしています。
──自分のキャリアについて考える手助けをしてもらえるというのはいいですね。
この十数年でも、リーマンショックや東日本大震災など、価値観が激変するような出来事がたくさん起きています。幸せの感じ方も生き方も多様化していて、「自分に合った生き方」は本当に人それぞれ。だからこそ「自分で判断する」必要があります。
キャリアも同じで、一度就社したら人事部におまかせではなく、自分で切り開いていく必要があります。私たちはこの「自律的なキャリア」を築いていくことが必要だと考えているんです。
──会社の看板に頼らずに、自分自身で仕事をしていくという意味ですか?
そうとは限りません。自律的なキャリアというのは、必ずしも「フリーランス」ということではなく、「自分は何のプロになるのか」「どんな経験を積みたいか」「どんな働き方をしたいのか」を考えていくことです。
会社の中で仕事をするにしても、「この経験から何を得られるか」に自覚的になることはとても大切で、こうした考え方が「自律的なキャリア」を築く一歩だと思っています。
──「自立」ではなく「自律」という言葉を使っている理由は?
「自立」だと周囲に頼らず一人で立っている、独立しているようなイメージがあると思いますが、「自律」だともっと広い意味になるし、自分のキャリアに向き合っている感じがしませんか?
フリーランスのイメージが強い「自立」よりも、会社員でもフリーランスでも、働き方に関係なく自分のキャリアに向き合い、積極的に考えてほしいので、「自律」としています。
自分の人生を幸せに生きるために
──フリーランスは成果主義だというお話もありましたが、この働き方を選んで幸せに生きるためにはどんな考え方が必要ですか。