低金利が続いている時代では、低金利を賢く利用できるかどうかが資産形成に差が出ます。ただし低金利だからといってやみくもにローンを組むのは避けたいところ。ローンには「良い借金」と「悪い借金」があり、その違いを見ていきましょう。

ショッピングローンは悪い借金の典型

良い借金,悪い借金
(写真=SOMKID THONGDEE/Shutterstock.com)

悪い借金は将来のリターンを生み出さないローンで、ショッピングローンはその典型でしょう。そもそもこの低金利時代にあっても、ショッピングローンの利率は高いままです。

例えばクレジットカードで24回払いをしたときの金利負担は実質年率15%で、現金100円に対して16.32円の手数料が発生します(オリコカード2019年8月現在)。

これだけの高金利を負担しながら資産形成を進めるのは難しいでしょう。ショッピングで浪費してもリターンは得られませんし、キャッシュが流出していく一方です。

一般的な資産形成では、年率数パーセントのリターンを得るのに多くの人が努力を重ねています。消費で15%もの金利を負担していては、資産状況が良い方向に向かわないのは当然のことなのです。

マイホームや車のローンは低金利だけど要注意

マイホームや車のローンは通常のショッピングローンと違い低金利です。

例えばマイホーム購入で使われるフラット35の最頻金利は 1.110%(返済期間15年〜20年の場合)。また、車のローン金利ではホンダが1.9 %(残クレ設定)、BMWのキャンペーンローンに至っては0.1%の設定です(すべて2019年8月現在)。

しかし低金利だからといって安易にローンを組めば資産形成の足を引っ張ります。マイホームや車は総額が大きいため低金利でも金利負担額は重くなるのです。

資産形成を重視するのであれば、車だったらカーシェアリングやレンタカーを利用する、値落ちしにくい車種を購入するといった選択があります。

マイホームでは賃貸物件に住む、資産価値を維持しやしい駅近マンションにするなどの選択があるでしょう。

リターンを生み出すのが良い借金 ただし投資効率に注目

良い借金はリターンを生み出すためのローンです。

わかりやすい例としては、ローンで資格取得の費用をまかないキャリアアップを狙うといった考え方で、資格取得のために50万円自己投資をしたとしましょう。

資格取得によって月収が2万円増えたら年収は24万円アップ。約2年で借りたお金をペイして、その後の20年間では500万円近いリターンが得られるわけです。

また、不動産投資もわかりやすい例です。ローンでレバレッジを効かせることで、最小限の頭金で数千万円の収益物件を購入。ローン返済中の家賃収入は返済で相殺されますが、完済すればそのあとはリターンを享受できるのです。

ただし将来のリターンになるからという理由で、やみくもに投資するのは避けるべきでしょう。あくまでも投資に対して適切なリターンがあるのかどうかに注目して選ぶべきです。

先ほどの資格の例でいえば、資格取得の費用が200万円かかったのにもかかわらず、月収が数千円しかアップしないのならば、数十年かかっても費用の半分もペイできないということになり、良い借金とは言えないのです。

リターンを生まないコストはすべて悪ではない

ここまではリターンを生むか否かですべてを考えてきましたが、もちろんリターンを生まないコストはすべて悪ということではありません。

ショッピングをするのでも現金払いにするのではなく、クレジットカードは一括払いにしてポイントを稼ぐ、洋服であれば定額制のサブスクリプションサービスを活用する。さらには中古マーケットで高く売れやすいブランドを選ぶなどの工夫をすればさらにコストカットができるでしょう。

ショッピング、趣味、旅行などのリターンを生まないコストを削りすぎるとストレスになりやすいので、収入の何パーセントの範囲内で使うといった目安をつくった上で、工夫をしながらコントロールするといいでしょう。(提供:Incomepress

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