2019年10月には消費税が増税されて10%にまで引き上げられる予定です。これは2014年に5%から8%に上げて以来のことです。さらにその他の税金や年金・社会保険料の負担も上がる予定で、私たちの可処分所得は下がり続けているのです。

どこまでも減り続ける可処分所得(手取り収入)

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(写真=MIND AND I/Shutterstock.com)

消費税が10%になったことにより、一世帯あたりの家計負担増は約3.4万円(軽減税率あり 第一生命経済研究所調べ)。これは単身世帯を含めたものなので家族がいる世帯はさらに重い負担となります。

大和総研の試算では、2011年と2020年の可処分所得を比較すると次のように大きく減っています。

・年収500万円(単身世帯):約16万円減
可処分所得推移:2011年約394万円 2020年約378万円

・年収1000万円世帯(共働き4人世帯):約45万円減
可処分所得推移:2011年約818万円 2020年約773万円

同様にこの9年間で年収300万円(片働き4人世帯)が約23万円、年収1,500万円(片働き4人世帯)が約91万円も可処分所得が減っているのです。

可処分所得が年々減り続けている理由は次に挙げる項目のそれぞれの負担が増え、トータルの負担が重くなったことです。

・子ども手当の整理・縮小
・社会保険料の引上げ
・消費税の引上げ

可処分所得が減り続ける時代の3つの対策

これから先も可処分所得が大きく減り続ける可能性は十分にあるため、早めに家計をフォローするのが得策です。具体的な対策としては次の3つが挙げられます。

・副業
・資産形成
・節約

「副業」――残業時間カットのビジネスパーソン向き

「副業」のメリットは、視野が広がり本業へ好影響をもたらすことや、将来のキャリアアップなどが期待できます。デメリットとしては本業に悪影響が出る可能性があります。

副業をはじめたことによって本業がおろそかになり、トータルでの収入が減ってしまえば本末転倒です。また、副業をがんばり過ぎて体を壊し、本業も副業も続けられなくなったら意味がありません。

こういったことを踏まえると、本業の勤務時間が長い人は副業を避けた方がいいのかもしれません。逆に残業時間カットで収入が減っている人には向いているといえるでしょう。

「資産形成」――拘束時間がないことを重視する方向き

資産形成のメリットは、ほぼ拘束時間なしでリターンが得られることが挙げられます(株式やFXなどを除く)。デメリットは、元手が目減りするリスクです。

資産形成を上手く進めるポイントは、選択肢から自分の目的に合ったものを選ぶことです。一例としては、現時点の生活費をフォローしたいなら配当割合の高い株式や投資信託を選ぶ。老後資金を重視するなら個人型確定拠出年金(iDeCo)、不動産投資、安定性の高い投資信託を選ぶなどが考えられます。

それぞれの選択にメリット・デメリットがあるため、特徴をよく理解した上で実行することが重要です。

「節約」――生活を楽しみながら節約できる時代

節約のメリットは、新しい仕組みを取り入れて、生活を楽しみながら節約することも可能なことです。節約は以前はやりたいことや買いたいものを我慢してストイックな生活をおくるイメージもありましたが、時代とともに変化しています。

例えばサブスクリプション(定額制)サービスを使って服や飲食の費用を減らしたり、あるいは車やバイクを所持せずに、レンタカーやカーシェアリングを利用するなど、所有にこだわらなければ生活を楽しみながら節約できるのです。

一方、所有にこだわる方でも節約はできます。例えば中古品マーケットで高値で売却しやすいアイテムやブランドを中心に購入していけば、結果的に出費はおさえやすくなります。

今回説明した3つの対策の中から、自分に合うものを1つ絞るのもよいのですが、複数の対策を実行した方がより効果は高まります。可処分所得が確実に減っているのは事実ですので早めに行動したいところです。(提供:Incomepress

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