分譲マンションなどを買って賃貸住宅として運用する不動産投資のメリットの一つは、金融機関などのローンを利用し、少ない自己資金でも不動産を取得できることです。自己資金の金額にもよりますが、取得した住宅から得られる賃料収入によってローン返済の大半をまかなうことできます。そのため少ない持ち出しで不動産を取得できるわけです。
物件の条件や自己資金の金額などによっては、ローン返済を全額賃料収入でカバーできるケースもあります。少ない自己資金で、より多くの資産を形成できるレバレッジ効果と呼ばれるものですが、このローンには、実はもう一つの隠れたメリットがあるのです。
ローンには団体信用生命保険が付いている
居住用の住宅を取得するときの住宅ローンもそうですが、投資用不動産を取得するときのローンにも、団信(団体信用生命保険)が付いています。多くの金融機関の場合、団信に加入することが融資条件になっていることが一般的です。団信というのは、金融機関と提携している保険会社が、債務者を被保険人として加入する生命保険になります。
ローンで賃貸用不動産を取得した人が、借入後に事故や病気などで亡くなったり、高度障害に陥ったりした場合には、団信によって保険会社から金融機関に、その時点でのローン残高相当額の保険金が支払われる仕組みです。そのため借り入れた人に万一のことがあったとき、保険金によって残高はゼロになり、家族にはローン返済のいらない賃貸住宅が手元に残ります。
一家の大黒柱が亡くなったりするのはたいへん不幸ですが、家族には賃貸用住宅という収入源が残されることが大きなメリットといえるでしょう。
保険料は金利に含まれて別途負担の必要なし
金融機関によっても異なりますが、一般的に団信の保険料は金利のなかに含まれ利用者が別途負担する必要はありません。ちなみに団信ではない一般の生命保険の負担はどれくらいなのかをみると、団信のメリットがより鮮明になります。
生命保険文化センターの『平成27年度生命保険に関する全国実態調査』よると、生命保険加入世帯の平均では、普通死亡保険の保険金額の平均は2,423万円で、年間払込保険料は38万5,000円でした。月額3万円近い保険料を支払っていて、万一の場合に得られる保険金は2,500万円ほどということになります。
一般の生命保険を解約すれば負担も軽減
仮に2,500万円のローンを利用して賃貸用不動産を買った場合、金利2%、30年元利均等・ボーナス返済なしだと、毎月の返済額は9万2,404円です。そのうち、生命保険料は金利の0.2%程度といわれています。保険料分の0.2%を差し引いた1.8%で計算すると、月額8万9,924円ですから、9万2,404円から8万9,924円を引いた差額の2,480円が、ローンにおける生命保険料負担分と考えていいでしょう。
先の一般の生命保険に加入する場合に比べて格段に保険料が安くなっています。したがって複数の生命保険などに加入している人であれば、投資用不動産の取得時には、そのうちの一つを解約してもいいかしれません。投資用不動産に関するローン残高分の生命保険を団信でまかなえるため、お得に生命保険を掛けることができるのです。
そのため「トータルの保険金額は変わらない」「むしろ増額になる」といったケースが多いのではないでしょうか。そのうえ一般の生命保険の保険料負担が減って家計がラクになり、不動産投資用ローン負担の実感も軽減されるはずです。(提供:Incomepress )
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