「持ち家か、賃貸か」。このテーマは、これまで多くのメディアで繰り返し取り上げられてきました。ここでは、読者層の異なるメディアのアンケート結果を比較。どちらを選ぶべきか、改めて考えてみましょう。
持ち家VS賃貸1:持ち家派が賃貸派の5倍以上。学生も持ち家にこだわる傾向
始めに紹介するのは、NTTドコモが運営する『dポイントクラブ』のアンケート。回答者は、全国の15~69歳までの男女643人です(2019年3月実施)。
この調査では、「持ち家派」が圧倒的に優勢でした。「持ち家にこだわる」と答えた人は全体の42.1%。これに対し、「賃貸のほうが気楽」という人はわずか7.8%で、持ち家派が賃貸派の5倍以上となりました。
このアンケートで興味深いのは、社会人よりも学生のほうが「30代までに(=若いうちに)住宅を購入したい」と考えていることです(※)。「今の若者は持ち家にこだわらない」という定説をくつがえす内容であり、世代を超えた「日本人の持ち家信仰」を浮き彫りにしました。
※「30代までに住宅を購入したい」という人を職業別でみると、学生 54.6%、公務員・団体職員 39.0%、パート・アルバイト 33.3%。
持ち家VS賃貸2:持ち家派が8割以上。ただし最近は減少傾向
不動産業界の有力団体である全宅連(他)が毎年9月23日に行っている「不動産の日アンケート」。この中の「(現在のお住まいに関係なく)あなたは持ち家派、賃貸派のどちらですか?」の問いに対して回答は以下のようになりました。
- 持ち家派:80.5%
- 賃貸派:19.5%
※インターネットリサーチ、サンプル数18,601、全国20歳以上(調査期間2018年9~11月)
こちらの調査でも、持ち家派が圧倒的多数となりました。ちなみに、20代に限ってみても割合は持ち家派 79.8%、賃貸派 20.2%で、他の世代と同様に持ち家にこだわる傾向が見られました。
ただし、一つ気になる点があります。この調査は毎年行われていますが、3年前と比べて持ち家派が約5ポイント減っているのです。
- 2016年の比率:持ち家派85.3%、賃貸派14.7%
- 2018年の比率:持ち家派80.5%、賃貸派19.5%
この変化が、持ち家派減少の始まりとなるのかどうか、気になるところです。
持ち家VS賃貸3:賃貸派が優勢のNewsPicksのアンケート
「持ち家VS賃貸」というテーマでは、他のメディアのアンケートを見ても持ち家派が圧倒的に多い結果がほとんどです。数少ない「賃貸派が多いアンケート」には、ソーシャル経済ニュース『NewsPicks』があります。
さまざまなテーマを識者が討論するコーナー「The UPDATE」内の「賃貸VS持ち家 どちらが正解か?」の回では、編集者の箕輪厚介氏、エコノミスト崔真淑氏、格闘家の青木真也氏などが持論を展開。
放映終了直前にTwitterで行われた視聴者アンケートでは、以下のように賃貸派が半数以上を占めました。
- 賃貸57%
- 持ち家33%
- アドレスホッピング6%
- その他4%
NewsPicksの読者層は25~44歳の男性が多く、高年収の割合が高いのが特徴で、エグゼクティブの中でも古い価値観に縛られない意識の高い人が多いと言われています。このような特徴あるメディアなので、一般メディアとは異なる結果になったのでしょう。
持ち家、賃貸にこだわる理由:どちらもお金に関する理由が1位
前出の「不動産の日アンケート」で、回答者が「持ち家にこだわる理由、賃貸にこだわる理由」は以下のとおりでした。持ち家派が圧倒的多数を占める日本ですが、ご自身の価値観がどちらに近いかによって選択するのも一案でしょう。
[持ち家派の理由上位3項目]
- 家賃を払い続けることが無駄に思えるから:52.9%
- 落ち着きたいから:32.1.%
- 持ち家を資産と考えているから:30.9%
[賃貸派の理由上位3項目]
- 住宅ローンに縛られたくないから:41.8%
- 天災時に所有しているリスク:35.8%
- 税金が大変だから:26.1%
(提供:Incomepress )
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