還暦後の準備を始めるのは早いに越したことはない。現在の低金利環境下で高い運用収益を得るためには、株式へ投資する必要がある。

慎重な投資家は、景気後退の波からいち早く回復し、安定的な収益の望める銘柄を選定する必要がある。

高配当な金融や公益事業などの銘柄は非常に魅力的である。以下がおすすめの3銘柄だ。

1.トロント・ドミニオン銀行

カナダのトロント・ドミニオン銀行は高配当銘柄の1つである。米国の銀行と比較して、競争も少なく、規制環境も適切である。

同行は寡占状態であり、カナダにおける金融機関への規制はそれほど厳しくない。トロント・ドミニオン銀行(TSX:TD)は、高い成長性と圧倒的なリテール網に裏打ちされた積極的な配当政策が魅力の1つである。同行はカナダよりも米国に多くの支店を有している。

同行は米国におけるリテール事業が利益の約30%を占めている。また、米TDアメリトレード・ホールディングの株式を42%取得しており、筆頭株主となっている。

Toronto Dominion Bank
(画像=Investing.com)

2月に10.4%の増配を行った後、現在の四半期配当は0.57ドル、配当利回りは3.86%となっている。同行は毎年7%から10%の増配が予想されている。株価は年初来で16%上昇している。

2.ダウ

4月にダウ・デュポンから分割されたダウ(NYSE:DOW)は、安定的なインカムゲインの望める銘柄である。

2017年にダウ・ケミカルとデュポン(NYSE:DD)は統合を行い、農業関連、素材科学および特殊化学品の3部門を有するホールディングカンパニーとして経営を開始した。

その後、その中の素材科学部門がダウとして分割された形である。同社の魅力は、配当や自社株買いなどの株主還元に対して積極的な姿勢である。投資家への説明会では、毎年純利益の65%を株主へ還元する方針を明らかにした。

現在四半期配当が0.7ドル、配当利回りが5.8%となっている。同社の方針を考えると、控え目な配当である。

Dow
(画像=Investing.com)

しかし、同社の製品であるプラスチックは、マクロ的な要因に影響される周期的な事業であることを、留意すべきだ。実際、米中貿易戦争による工業製品への需要低下を受け、年初来で株価が4%安となっている。

3.エンブリッジ

長期的に考えて、公益事業セクターは安定的なインカムゲインを望める投資先と言えるだろう。その中でも、北米最大のパイプライン業者であるエンブリッジ(NYSE:ENB)がお勧めである。

また、マクロ的な要因からの影響を受けにくいディフェンシブ銘柄としての側面もある。四半期配当は0.55ドルとなっており、配当利回りは6.28%となっている。同社は多くのプロジェクトを完遂し、パイプライン事業からの高い収益が望めるため、毎年10%の増配が予想されている。

過去2年間に渡って、エンブリッジは再建計画として、資産の売却や負債の返済を行い、コア事業に焦点を絞ってきた。

Enbridge
(画像=Investing.com)

同社の株価は年初来で13%高となっている。

総括

高配当銘柄をポートフォリオに加えることで、退職後も安定的な収益を獲得することができる。また、配当収入を再投資に回すことで、複利効果でさらに利益を増やすことができるだろう。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル