9月14日、サウジアラムコの石油施設が攻撃され、サウジアラビアの1日当たり原油生産量は約50%落ち込んだ。これを機に中東の緊張はますます高まり、結果としてイランが攻撃について非難されることとなった。

中東における緊張が今後更に高まることとなれば、以下の3つの銘柄はその恩恵を受けることとなるだろう。3銘柄の内訳は2つがエネルギーセクター、1つが軍需セクターである。

ロッキード・マーティン
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1. ロッキード・マーティン:米軍需企業の最大手

ロッキード・マーティン (NYSE:LMT)は航空宇宙、防衛、セキュリティ、先進技術の分野における世界的企業であるが、同時に同社は世界最大の軍需企業であり米国防省のプライマリーベンダーだ。サウジアラビアとイランの敵対関係が本格的な戦争に発展する可能性がある中で、売上高のほとんどを軍需とするロッキードに注目するのは当然の成り行きと言えるだろう。THAADなども手がける同社のミサイル及び火器管制部門は第2四半期(4-6月期)に堅調な結果を示し、売上高は16%増の24億1000万ドルとなった。同社最大の部門である航空事業の売上高は、ステルス戦闘機F35の増産などの影響で4%増の55億5000万ドルとなった。同社は第2四半期に29機のF35を納入したが、これは前年同期の25機を上回る数となっている。また同社によれば今年中に131機のF35を納入する予定だという。F35は同社最大の稼ぎ頭であり、総売上高の約3分の1を占めるほどとなっている。同社の株価は26日、392.92ドルで終値を迎え、17日に記録した399.96ドルに迫る勢いを見せている。また同社の時価総額は1109億6000万ドルとなっている。

2. ハリバートン:石油開発サービス大手

ハリバートン・カンパニー (NYSE:HAL)は世界最大の油田開発企業であり、70を超える国で事業展開している多国籍企業だ。第2四半期(4-6月期)の決算では北米以外の地域で堅調な結果を示し、世界市場での収益は12%増の26億ドルとなった。

アメリカ、サウジアラビア、イランの間の緊張は依然として高く、そうした中で同社が石油インフラの修復や再建から利益を得られる可能性は非常に高い。パイプラインや石油精製施設への更なる攻撃は、同社にとって収益の急増につながる可能性がある。

ハリバートン
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サウジアラビアへの攻撃の直後、同社の株価は一時11%急騰し、26日には19.27ドルで終値を迎えている。同社の時価総額は168億8000万ドルとなっている。

中東の緊張から受ける恩恵だけでなく、3.52%という高利回りや0.18ドルの四半期配当も加味すれば、下降トレンドにある同社株は魅力的な銘柄だと言えるだろう。

3. EOGリソース:米シェールオイル生産最大手

石油生産量で見ればEOG リソース (NYSE:EOG)はシェブロン (NYSE:CVX)とエクソン・モービル (NYSE:XOM)に次いで3番目の企業となるだろうが、シェールオイルに限って見れば同社は国内最大手となる。第2四半期(4-6月期)には同社は1日当たり平均45万5700バレルのシェールオイルを生産し、四半期記録を樹立した。

同社はイーグルフォード・シェール地域に50万エーカーを超える土地を保有している。それだけでなくパーミアン、バッケン、DJ盆地、パウダーリバー盆地にも広大な土地を保有している。

もし中東の緊張の高まりにより原油価格が急騰すれば、EOGリソースは利益を得ることができるだろう。同社は価格上昇の恩恵を受けることができながら、危険な地域では生産を行っていないため、生産量が落ちることもないと言える。

EOGリソース
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同社の株価はサウジアラビアへの攻撃の翌日に7%上昇し、26日には75.09ドルで終値を迎えている。同社の時価総額は436億ドルとなっている。

EOGリソースの利回りは1.42%、四半期配当は0.29ドルとなっている。この数字は2年前と比較すると72%の上昇であるため、同社株はますます魅力的に思えてくる。(提供:Investing.comより)

著者: ジェシー コーエン