「持病があっても入れる保険に興味があるのですが?」私のFP事務所でそんな質問を受けることがあります。いわゆる引受基準緩和型保険ですが、消費者にとっては持病があっても入れるのはもちろん、簡単な告知で契約できるのも魅力に映るようです。

しかし、一方で引受基準緩和型保険のデメリットとして「通常の保険よりも割高」な点が指摘されます。決してコストパフォーマンスの良い保険とはいえず、私もFPとしての立場から積極的に勧めることはありませんでした。書籍や雑誌、Webメディア等の執筆でも「必要のない保険」との考えを示してきました。

しかしながら、最近は新たな引受基準緩和型保険が登場する中で、一定の条件付きで検討しても良さそうな商品も見受けられます。今回はそんな引受基準緩和型保険の最新動向をお届けします。

引受基準緩和型には「医療保険」と「死亡保険」がある

持病があっても入れる保険,デメリット
(画像=KatyFlaty / shutterstock, ZUU online)

「もっと早く保険に入っていれば……」相談者からそんな話を聞くことがあります。健康なときは気にならないのですが、具合が悪くなった途端に保険を気にする人は少なくありません。しかし、多くの保険は病気になってからでは入ることができません。

そこで「持病があっても入れる」引受基準緩和型保険が候補にあがるのですが、この保険は前述の通りコスパが悪いというデメリットがあります。相談者の経済環境にもよりますが、実際にシミュレーションしてみると「貯蓄」で対処したほうが結果的に得をする事例が多いです。

とはいえ、相談者の中には貯蓄の乏しい人もいます。持病があるとなおさら将来が不安になります。そんな人は引受基準緩和型保険を検討しても良いかもしれません。

ちなみに、引受基準緩和型には医療保険と死亡保険があります。率直に言って、引受基準緩和型の医療保険はあまり必要ではないと考えます。私は当コラムで「医療保険の必要性」ついて懐疑的な見解を繰り返し示してきました。理由としては日本は公的医療制度があるので自己負担は3割で済むことに加え、高額療養費もあるからです。もともと医療保険は優先度の低い保障と考えますが、引受基準緩和型保険はさらに低くなります。

したがって、実際に検討すべきは引受基準緩和型の「死亡保険」となります。次のパートで詳しく見てみましょう。

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