今、エンジニアの採用に異変が起きています。人工知能(AI)やIoTなどを扱える、富士通やNTTデータなどをはじめとした日本企業で、高度IT人材に対し、2,000万円を超えるような高額な報酬を提示する企業が増えているのです。日本ではエンジニアの処遇が低いと言われていましたが、今やGAFAなど外資系が好待遇でエンジニアを迎えており、そういった企業に人材競争で追随していく、という側面もあるでしょう。IT人材は新たな富裕層ルートになるのでしょうか。IT人材の待遇について解説します。
日本企業に異変?大手企業がエンジニアに高額報酬提示
近年、日本企業の給与体系に、異変が起こっていることをご存知でしょうか。これまで、年功序列型が主で、新卒採用の給与は低いというのが一般的でしたが、エンジニ業界では、その前提が崩れてきているのです。
2018年末、NTTデータは、IoT分野の技術者を年収2,000~3,000万円で処遇する制度を発表しました。このNTTデータの発表を皮切りに、富士通では30代で年収4,000万円が狙える人事制度を発表するなど、いわゆる大手と言われる日本企業でも、エンジニアに好待遇を提示するケースが増えてきています。もともと、ZOZOやメルカリなど、メガベンチャー企業でエンジニアに好待遇を提示するということはありましたが、その流れが大手企業にも波及してきていると言えるでしょう。
背景にあるのは進むAI化、ロボティクス化。今後のエンジニアの栄華は続く?
こういった背景にあるのは、世界的に、AI化やロボティクス化が進んでいることがあります。少し前ですが、2016年の調査では、世界各国のCEOが、今後、自社と業界のビジネスモデルに最も影響を与えるものとして、「IoT」「AI」「ロボット工学」を上位3つとして選ぶなど、業界問わず、ロボット化、AI化が進んでくることが予想されています。
今後、IoTやAIは、一過性のテクノロジーではなく、今後の産業を大きく変えていく可能性があります。実際、今後、AIが発達していくことで、配達員や会計事務員など、単純作業の労働はAIに代替される可能性が高いと言われています。
一方、それに伴い、AIやIoTを扱うことのできるエンジニアの価値というのは、相対的に上がってきます。先端技術を持つエンジニアというのは、現在でも不足しており、さらに、今後もその状況が変わらないと言われているためです。経済産業省の試算によると、AI人材は、2018年時点では、需要に対して供給が追い付いておらず、3.4万人が足りないと言われています。この需給ギャップが、2030年には、最大12万人にまで拡大する見込みなのです。今後、各企業ともAI人材を育成していくとしているものの、それ以上に需要が拡大する見込みだからです。今後しばらくは、最先端技術を持つエンジニアは供給不足が続き、それに伴って好待遇を受けるケースが増えてくると言えるでしょう。
ITエンジニアは今後二極化していく?
今後、ITエンジニアは二極化していく可能性があるため、ITエンジニアの職が必ずしも安泰というわけではなさそうです。
IT白書によると、今後、エンジニアに求められるスキルとしては、「課題解決」「価値創造」があります。上記のように、最先端の技術を持っている場合、それ自身が価値を持つため、彼らの需要は今後も増えていくでしょう。逆に、顧客とコミュニケーションを取りながら、課題を特定し、それをテクノロジーで解決できる人材の価値も高まっていくでしょう。
一方、その両方を満たさない、特筆すべきスキルを持たないエンジニアは、今後、淘汰されていく可能性もあります。AIなどの発達は、「誰でもできる」仕事を人間から奪っていくと予想され、エンジニアとして職があるからといって、決して安泰である、というわけではなさそうです。
最先端技術を持つエンジニアは、「新たな富裕層」になる可能性を秘めている
世界の流れがIoT化、AI化である以上、この分野の最先端エンジニアたちは、今後、さらに需要が高まり、結果、好待遇を得ることで、新たな富裕層になる可能性を秘めています。一方、従来型の作業しかできないエンジニアは、今後淘汰されていくかもしれません。エンジニアの間でも、二極化が進んでいくと言えそうです。(提供:JPRIME)
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