経済予想を次々と的中させることから「経済の千里眼」の異名を持つ国際金融コンサルタント、菅下清廣氏。市場への鋭い先見性を持ち、『ウォールストリート式年収1億円の条件』『最後の10倍株を買いなさい』など多数の著書を執筆している。

前回は、知財資本主義の時代にこそ注目したい3つの分野についてくわしく話を聴いた。今回は、知財資本主義時代に狙うべき投資先について、より焦点を絞って話をうかがった。

『最後の10倍株を買いなさい!』
菅下清廣(すがしたきよひろ)
国際金融コンサルタント、投資家、スガシタバートナーズ株式会社代表取締役社長、学校法人立命館顧問、近畿大学世界経済研究所客員教授。ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と言い当ててきた「富のスペシャリスト」として名を馳せ、「経済の千里眼」との異名も持つ。経験と人脈と知識に裏打ちされた首尾一貫した主張にファンも多く、政財界はじめ各界に多くの信奉者を持っている。著書に、『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』(PHP研究所)、『新しいお金の流れに乗りなさい』(徳間書店)、『資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!』など多数。会員制有料音声配信サービス「スガシタボイス」の登録はこちらから
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知財資本主義時代を生き残るための投資戦略とは?

MONOPOLY919 / shutterstock.com, ZUU online
(画像=MONOPOLY919 / shutterstock.com, ZUU online)

――知財資本主義時代に狙うべき投資先はどこでしょうか。

菅下:世界や日本のユニコーン企業に投資するのが一番シンプルで確実な勝ち方です。ユニコーンとは、時価総額1,000億円以上の企業を指します。1,000億円企業で将来も引き続き知財分野で伸びそうな企業に投資すれば、大化けの可能性があります。

時価総額1,000億円ぐらいなければ、グローバル市場では勝ち抜けません。逆に時価総額1,000億円を突破すれば、世界中からお金が集まり、好循環の波に乗ることができます。

――ユニコーン企業への投資が唯一の勝ち方ということでしょうか。

ユニコーン企業に投資するか、将来のユニコーン企業を見極めて投資するかです。目利きに自信があるなら、将来のユニコーンを探して投資するのも面白いと私は思います。

――知財資本主義においての勝つための条件は何でしょうか。

インフレの時代は、土地と株を持っていれば勝者でした。しかしバブルがはじけ、逆資産効果が起こりました。その時借金をしていた人は酷い目に遭い、キャッシュに執着するようになった結果、デフレが続きました。日本は今もここから抜け出せていません。

知財資本主義の時代に勝つのはデータをたくさん持っている、要は独自のプラットフォームを持っている企業です。そのため、株式もナスダックが中心になっていくでしょう。

GAFAの次に出てくる、SNSやデジタル空間を利用したサービスで稼ぐ企業が必ず存在します。そうした企業がユニコーンとなり、株価を何十倍規模でふくれあがらせていくでしょう。その流れに乗る人だけが資産を築くことに成功します。

今はもう、既存の投資ノウハウではスーパーリッチにはなれません。今後の投資はますます一点集中になっていきます。ITビジネス自体が、最後の勝者がすべての利益を握る構造になっています。勝てば大幅に富が増え、外せば全く増えない、そんな時代です。

――次なるGAFAを見極めるにはどうすればいいのでしょうか。

知財資本主義が一番伸びたのはアメリカです。アメリカで始まるビジネスに注目すれば、そこにヒントが隠されています。日本の新聞を読んでいるだけでは、周りと同じ情報しか入ってきません。ですから私もできるだけ、ウォールストリートジャーナルやフォーブスなどの記事に注目するようにしています。

GAFAに続く、GAFAに類似した企業を見つけ、投資する。ユニコーン企業への投資、もしくは将来のユニコーン企業への投資が、これからの投資で勝つ秘けつです。

ただし、ユニコーン企業のなかでもデジタル産業革命の波に乗っている企業を選び抜く分析力が必要です。見極めのヒントは「無から有を生む」ビジネスかどうかです。

日本でもスモールGAFAが登場する可能性がある

――次なるGAFAとなりうるのは、アメリカのベンチャー企業だけなのでしょうか。

アメリカで起きていることは、日本でも数年後に起きるといわれています。そのため、日本でもスモールGAFAが出てくる可能性は十分あります。