生命保険料の負担が重いけど解約したり保障を減らしたりするのは不安……といった人はいませんか。しかし会社員の場合は万が一の際は遺族厚生年金があるので高額な保険が不要であったり割安な代替策で十分な保障がされたりするケースも多い傾向です。そこで今回は保険料の軽減と保障が両立する方法や生命保険の必要性について改めて考えてみましょう。
払い込み保険料の月平均は3万円超!30年で1,000万円に迫る
2018年9月に生命保険文化センターが発表した「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」よると2018年度における1世帯あたりの年間払込保険料は約38万2,000円(月約3万1,800円)でした。過去の推移を見てみると2009年度は約45万4,000円、2012年度が約41万6,000円、2015年は38万5,000円と払込保険料は減少傾向です。
しかし保険料は長期間払い込むと想像以上に大きな金額になります。例えば2018年度38万2,000円を10年間払い込めば382万円、30年間だと1,146万円です。この生命保険の負担を軽減するためには「生命保険の見直し」が欠かせません。これにより手元キャッシュが残るため、貯蓄や資産運用がしやすくなったり不要なローンを組まなくて済んだりします。
しかし見直しを検討する際「生命保険の十分な保障がなければ万が一のときに家族が苦労する」「生命保険の重い負担は仕方ない」などと感じている人も多いのではないでしょうか。たしかに保険料が下がるということは保障が減る可能性が高いため不安を感じることがあっても不思議ではありません。ただ万が一の際、遺族年金などの存在もしっかりと押さえておくことは重要です。
遺族年金だけでも10年間で1,700万円以上支給される
生命保険の見直しに気が進まない人は遺族年金についても知識を深めておきましょう。なぜなら会社員が亡くなったときには、遺族基礎年金と遺族厚生年金が入ってくるため、そこまで高額な生命保険をかけなくていいケースも多いからです。例えば「家族構成が配偶者+子ども2人の場合」の毎月の給付額(目安)は次の通りです。
平均月収 | 遺族厚生年金+遺族基礎年金の給付額の目安(月額) |
---|---|
20万円 | 約12万2,879円 |
30万円 | 約13万3,156円 |
40万円 | 約14万3,433円 |
50万円 | 約15万3,709円 |
60万円 | 約16万3,986円 |
仮に平均月収40万円の人が亡くなった場合の目安となる遺族年金の月額は約14万3,433円です。1年間で約172万円、10年間で約1,721万円が支給される計算になります。このようにそれなりの公的な保障があるため生命保険の保障額を見直す際は「遺族年金では足りない分だけの生命保険に加入する(あるいは、生命保険には加入しない)」といった考え方も一案です。
不動産投資の生命保険機能を利用して月額負担を軽減
もう一つの生命保険の負担を軽減する方法は「不動産投資はじめること」です。「保険の話になぜ不動産投資?」という人もいるかもしれませんが不動産投資には生命保険と似た機能があります。これを活用することで保険料の負担をセーブしながら万が一の保障に備えることが期待できるでしょう。不動産投資で収益物件を購入するときには、金融機関のローンで頭金以外の費用をまかなうのが一般的です。
このローンを組むときには、団信(団体信用生命保険)に加入します。団信は契約者が亡くなった際に「ローン残債がすべて保険で完済される」という仕組みです。そのため家族には、家賃が得られる収益物件のみが相続され家計を助けてくれることが期待できます。団信の加入条件は金融機関によって異なり上乗せ金利を設定して保険料に充てる場合や、上乗せなしの保険料0円で加入できるなどさまざまです。
いずれにしても団信には毎月の保険料負担がありません。その代わり家賃からローン返済額を差し引いた額がマイナスであれば、その分の自己負担が発生する点はデメリットです。(一例:家賃8万円-毎月の返済9万円=月1万円の自己負担)ただ区分マンションなど一般的な不動産投資であれば生命保険料の平均保険料約3万円よりも低いことが多いでしょう。
不動産投資の団信+遺族年金のシミュレーション
上記のように生命保険の代わりに不動産投資をした場合をシミュレーションしてみましょう。例えば以下の条件の人が亡くなった場合、遺族年金と合わせた保障額は毎月約22万円です。
- 会社員(厚生年金加入者)
- 月の平均月収:40万円
- 家族構成:配偶者+子2人
- 所有している不動産の家賃収入:8万円
- 世帯主が亡くなったときの保障額:家賃収入8万円+遺族基礎・厚生年金約14万円
家賃と遺族年金を合わせた月の保障額約22万円は、年間にして264万円、10年間では2,640万円になります。これだけあれば生命保険の受取保険金と比べても遜色ないというケースもあるのではないでしょうか。このように視点を変えてみると「高額な生命保険がなければ絶対安心できない」ということではありません。
毎月の生命保険料が高くなりすぎて保険貧乏にならないよう貯蓄や資産運用などを含めて考えることが重要です。(提供:Incomepress )
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