株価
(画像=BEST-BACKGROUNDS/Shutterstock.com)

目次

  1. 株が値上がり、値下がりする主な理由
    1. ①個別の企業業績
    2. ②各種統計の発表
    3. ③海外の株価や経済状況
    4. ④円高、円安
  2. 「投資家心理」という目に見えない要因
  3. 意外な「関連銘柄」も
  4. まとめ

株価は日々変動を続け、毎日のニュースでは日経平均株価が前の日よりいくら上がった、下がった、という話が必ず出てきます。

株価はもちろん、株が売買されることで変わります。売りたい人よりも買いたい人が多ければ一般に値上がりし、逆であれば値下がりします。主には景気の影響を受けますが、個別銘柄であれば業績の影響を受けるなど、その変動要因は様々です。

また、日経平均株価が下がったからといって全ての銘柄が値下がりするとは限りません。逆もそうです。日経平均株価も、ほとんど変わらない日もあれば、大きく変動する日もあります。

株価を上下させる要因は、実にさまざまです。

株が値上がり、値下がりする主な理由

株価に影響する主な要因は以下のようなものです。

①個別の企業業績

企業は3ヵ月に1度(四半期ごと) 、決算発表をします。この時、業績が予想より高ければその銘柄は一般的に買い注文が増加し、予想より低ければ売り注文が増加します。

また、何か特別なニュースがあった時にも株価は動きます。例えば、製品に不具合が見つかりリコールするということになると、売り注文が増えて株価は下がる傾向があります。時には、不具合のある部品を作ったメーカーの株価にもその影響は及びます。

また、新しい事業を始めたり、海外に工場を建てるなど事業の拡大を発表した時や、他の企業を買収した時などには、肯定的な評価が株価に反映されることがあります。ただし、リスクの方が大きく見積もられると否定的な評価につながることもあるため、注意が必要です。

企業の業績がよくなれば配当金が上がる可能性もありますし、新規事業などによって今後も株価の値上がりが続くと予想されれば、株を買う動きも活発になります。

②各種統計の発表

国内でも海外でも、経済に関する様々な統計が定期的に発表されます。主なものをあげると、

・GDP(国内総生産):その期間に、国内で生産されたモノやサービスが、売り上げから仕入れを引いたときにどのくらいの価値を生み出したか、を示す数字です。仕入れにかかった金額よりもモノやサービスを高く売ることができれば上がりますし、その逆であればマイナスとなってしまいます。つまり、赤字です。

経済活動の規模を知ることができる、代表的な指標です。

・消費者物価指数(CPI):消費者がモノやサービスを買うために支払った金額の指標です。主に意識されるのは「生鮮食品を除く総合指数」という項目です。生鮮食品は天候の影響を受けます。そのため、物価の基調を見る目的においては、生鮮食品を除いた指数が注目されます。

実際には、冷夏であれば夏物の衣服の売れ行きが悪くなったり、最近では携帯各社が大幅なプラン変更を実施したことで通信費が下がったり、という動きを反映します。

インフレ、デフレの議論にも登場します。

・日銀短観:日銀が国内企業に対して調査を行い、企業が景気をどのように感じているのかを測る指数です。企業の景気に対する認識は、生産量や設備投資に影響します。

他にも、貿易収支、機械受注、鉱工業生産といった指標があります。

③海外の株価や経済状況

よく、「アメリカで株価が下がると日本の株価も下がる」と言われますが、実際のところ、そのような傾向にあります。

製品を輸出する相手の国の経済事情や、海外でも事業展開している企業の場合、現地の経済状況の影響を受けるからです。

また、日本だけでなく米国でも上場している銘柄の場合は、やはり株価が同じような動きをします。

現代ではグローバルにモノやサービスが取引されていますので、大きく株価が下がった時は世界中の市場が同じような値動きをする傾向はあります。

また、株価への影響が大きいものとして、アメリカの雇用統計、というものもあります。

④円高、円安

円高になると、日本の製品が海外では割高になってしまいます。そのため、海外への輸出で利益を出している企業、すなわち「輸出関連株」は売れ行きが悪くなると予想されることがあり、株価が下がる傾向があります。逆に、円安局面では割安になるので、売り上げが上がると期待され、株価は上がる傾向があります。

輸出関連の企業はそれぞれ、ある程度の為替の想定のもとで生産活動を行っています。しかし企業の想定を超えるような円高になると、業績が悪化すると予想され、株が大きく売られることもあります。

一方で、事業基盤が国内にある企業、例えば不動産や建設といった円相場の影響を受けにくい「内需関連株」の場合、輸出関連株が売られたぶん、内需関連株が買われるということもあります。

「投資家心理」という目に見えない要因

株には、「いくらになったら安い」「いくらになったら高い」と呼べる絶対的な株価はありません。ある程度の期間の中で動きを見て、投資家個人の経験や先読みで判断する、という側面もあります。

このような要因が時に、悪い方向に連鎖するということもあります。

株式市場が世界的に不安定になると、一般投資家にとってマーケットは「先が読めない、リスクの高いもの」という印象になります。

リスクの高いものは、できればあまり持っていたくありません。そうしてある程度の投資家が一気に株を売ってしまうと、値下がりを見て「怖くなった」別の投資家も売りを重ねることがあります。そのようにして、実態以上に大きく株価が変動することがあります。

「世界同時株安」が起きる時は、このような心理的な要因も影響していることがあります。

意外な「関連銘柄」も

また、一見、経済と関係のなさそうなニュースやイベントによって、値動きする銘柄もあります。「関連銘柄」と呼ばれるものです。

例えば、芸能ニュースです。内容によっては、その芸能人をCMに登場させている企業の株価に影響を与えることがあります。

また、スポーツの世界大会などが近づくと、スポンサー企業などの株が注目されることもあります。

まとめ

このように、株価の動きには多くの要因があり、ときにはそれらが絡み合って影響を与えることもあります。意外な出来事が関係していることもあります。

よって、企業の決算だけを見ていてもなかなか正確な予想はできません。統計だけを追っても思うような利益にならないこともあります。世の中のいろんなことに対する幅広い知識が必要です。

しかし、株価の動きを通して、世界で何が起きているのかを勉強できることもあります。

先々に起こるいろんなイベントの予定などを見て、どのように株価が動くか想像してみてはいかがでしょうか。

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