老後の生活費を準備するためにiDeCoを利用したいと思っている人も多いと思いますが、iDeCoを始めるにはまず金融機関でiDeCoの口座を開設する必要があります。このiDeCo口座は1人1つしか作ることができないので、どこで作るかはしっかりと考えたいところ。今回はiDeCo口座を作るときにチェックしたいポイントと、おすすめの金融機関をご紹介します。
手数料には一番こだわりたい
iDeCoにかかる手数料
iDeCo口座を選ぶにあたって一番のポイントになるのは、なんといっても月々の手数料です。というのも、iDeCoは老後の生活資金を準備するための制度なので、ほとんどの人は長い期間口座を保有することになるからです。40歳で口座を開設して60歳まで利用するなら20年間口座を保有することになります。仮に手数料が月に300円違えば、1年で3,600円、20年で7万2,000円の差になります。
iDeCoにかかる手数料は、主に加入時にかかる手数料と運用期間中にかかる手数料、そして受け取りの都度かかる手数料があります。また、他の金融機関に資産を移管するとき手数料がかかる場合もあります。
このうち、加入時にかかるものと受け取りの都度かかる手数料は各金融機関でほとんど差がありません。また、運用期間中にかかる手数料は、金融機関に払う口座管理手数料とそれ以外の機関(国民年金基金連合会と信託銀行)に払うものに分かれますが、それ以外の機関に払う手数料も171円で一定です。
つまり、差がつくのは金融機関に払う口座管理手数料で、2019年10月現在、0円から458円とかなりばらつきがあります。
口座管理手数料が無料なのはこの9社
2019年10月現在、手数料で差がつく口座管理手数料が無条件で無料の金融機関は以下の9社です(50音順)。
・イオン銀行
・カブドットコム証券
・大和証券
・松井証券
・マネックス証券
・三井住友銀行(みらいプロジェクト)
・楽天証券
・auアセットマネジメント
・SBI証券(セレクトプラン、オリジナルプラン)
前述したように、iDeCo口座にとって手数料の違いはとても大きなポイントになりますので、他の金融機関に強いこだわりがなければ上記9社の中から選ぶのがいいでしょう。
商品の数を比較しよう
iDeCoでは運用を自分で行わなければならないので、商品選びも大切です。iDeCoの商品には大きく分けて元本確保型の商品と投資信託があります。さらに投資信託は、対象が国内の株式や債券の「国内型」と、海外の株式・債券の「海外型」、またそれらを複合的に投資した「バランス型」に分けることができます。
前の章でご紹介した手数料が無料の金融機関9社の、商品分類ごとの取扱い商品数は、2019年10月現在、次のようになっています。
元本確保型 | 国内型 | 海外型 | バランス型 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|
イオン銀行 | 1 | 4 | 8 | 8 | 3 |
カブドットコム証券 | 1 | 5 | 7 | 11 | 3 |
大和証券 | 1 | 6 | 10 | 3 | 2 |
松井証券 | 1 | 3 | 4 | 1 | 3 |
マネックス証券 | 1 | 8 | 9 | 3 | 4 |
三井住友銀行(みらいプロジェクト) | 0 | 3 | 10 | 5 | 0 |
楽天証券 | 1 | 8 | 11 | 7 | 4 |
auアセットマネジメント | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 |
SBI証券(セレクトプラン) | 1 | 7 | 19 | 7 | 3 |
SBI証券(オリジナルプラン) | 1 | 10 | 14 | 10 | 3 |
商品数が多いことはもちろん大きなメリットですが、それだけではなく、自分がどのような投資を行なっていきたいのか考えながら、自分に合った商品が揃っている金融機関を選びましょう。
他と違うサービスがある金融機関もチェック
iDeCoの口座選びで大切なのは手数料と商品のラインナップですが、金融機関によってはサポート体制が他と違っていたり、独自のサービスを提供したりしているところもあります。
投資経験があまりない人の中には、金融機関に電話で相談したいと思う人もいると思いますが、平日忙しくて時間が取れない人にとっては土日もコールセンターが利用できると助かるでしょう。例えば、イオン銀行や三井住友銀行、 SBI証券などは土日でも受け付けていますし、楽天証券は平日に加え土曜日に利用できます。
また、数は多くないですが、iDecoの運用でポイントが貯まるサービスもあります。例えばauアセットマネジメントでは、運用残高に応じて毎月au WALLETポイントがもらえます。
iDeCo口座は最初にきちんと比較して選ぼう
iDeCoの口座は後から変更することもできますが、手続きに時間がかかります。また、移管のための手数料がかかったり、移管時にいったん商品を現金化する必要があったりと、お金の面で損をすることもあります。後から後悔しないように、最初にきちんと比較して自分に合った金融機関を選びましょう。
文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle
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