毎月コツコツと積み立てることで老後の資産形成ができる「つみたてNISA」。投資で得た利益にかかる税金が非課税であったり、いつでも売って現金にできたりとメリットの多い制度ですが、つみたてNISAを利用できる口座は1人1口座しか持つことができないので、どの金融機関に口座を開設するかは慎重に選ぶ必要があります。今回は初心者にもおすすめな金融機関として、SBI証券と楽天証券のメリットをご紹介します。

取り扱い商品の数は口座選びで最も大切

つみたてNISA,初心者
(画像=PIXTA)

手数料自体に差がないつみたてNISA

投資用の口座を開設する時の大きなポイントの一つとして、購入時にかかる手数料があります。誰でも同じ商品を買うなら手数料が低い方が嬉しいですよね。しかし、実はつみたてNISAの口座を選ぶときには手数料を比較する必要はありません。

というのも、つみたてNISAで取り扱うことができる投資対象商品には一定の基準が設けられていて、投資信託の場合その条件の一つに「販売手数料がゼロ(ノーロード)であること」というものがあるからです。つまり、つみたてNISAの投資信託はどこで買っても手数料がかかりません。

また、投資信託を保有していると、それを管理してもらうための経費として信託報酬を払う必要があります。しかし、この信託報酬は投資信託ごとに決まっているので、同じ投資信託を保有しているのに金融機関ごとに金額が異なるということはありません。

結局、つみたてNISAの口座を選ぶ時に金融機関ごとの手数料の違いは考えなくていいのです。

SBI証券と楽天証券は商品数が豊富

手数料に差がつかない以上、つみたてNISA口座の金融機関選びでは取り扱い商品数が大切になります。前述したように、そもそもつみたてNISAでは投資対象商品に基準が設けられていて、2019年10月時点ではインデックス投資信託148本、その他のアクティブ運用投資信託などが18本、上場株式投資信託(ETF)が7本の計173本が対象となっています。

大手の金融機関の中には取り扱い商品が5ファンド以下の会社もありますが、SBI証券の取り扱い商品はインデックス投資信託139本、その他のアクティブ投資信託14本の計153本、楽天証券ではインデックス投資信託138本、その他のアクティブ投資信託14本の計152本と、つみたてNISAで取り扱うことのできる投資信託をほぼカバーしています。

月々100円から始められる点が魅力

つみたてNISAでは名前に「つみたて」と付いているとおり、対象の投資信託の買い付け方法は、定期的に一定金額の買付を行う「積立方式」に決まっています。しかし、毎月いくらから積み立てができるのか、何円単位で変更できるか、ボーナス月に追加で買えるかといった細かい積立方法は金融機関によって異なります。

投資というとまとまったお金が必要というイメージがあるかもしれませんが、SBI証券も楽天証券も、毎月の積立金額は最低100円から1円単位で設定できます。また、ボーナス月も追加で買付が行えます。このように、無理なく始められ、自分の収入によって投資金額を細かく設定できる点も大きな魅力の1つです。

SBI証券と楽天証券、どちらか迷ったら?

つみたてNISAの口座を開設する金融機関として、商品数が豊富で買付方法も小額から設定できるSBI証券と楽天証券をご紹介していますが、この2つでどちらにするか迷ったら、これから紹介する独自のメリットで選んでみてもいいかもしれません。

まず、つみたてNISAでは基本的に毎月1回買付日に投資信託の買い付けを行いますが、楽天証券とSBI証券ではこの積立方式が「毎月」の他、「毎日」を選ぶことができ、SBI証券ではさらに「毎週」買付コースも用意されています。買付方法では少しだけSBI証券の方が自由度が高いようです。

楽天証券の独自の特徴として、積み立て代金を楽天スーパーポイントで払うことができるのも大きなメリットです。楽天市場や楽天トラベルをよく利用する人であれば、ポイントだけで積み立てができるかもしれません。投資信託は売却すれば現金で受け取れますので、ポイントを現金として受け取れるかなり珍しいサービスと言えるでしょう。

つみたてNISAの期限にも注目して、早めに積み立てを開始しよう

つみたてNISAの投資可能期間は、今のところ2037年までとなっています。つまり、今年始めていれば19年、来年始めれば18年が非課税に投資できる期間になります(今後期限が伸びる可能性はあります)。つみたてNISAで老後の準備をしたいけど、どこで口座を開設すればいいのか迷っている人は、今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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