「『超』メモ帳」なら、情報を無限にためて瞬時に引き出せる
AIのパターン認識能力の向上やデータのクラウド保存で、これまでは不可能であったことが可能になっている。こうした技術を個人の発想作業でどのように活用できるのか?
※本稿は、野口悠紀雄著『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。
待ち望んでいた技術が実用的になった
メモは、発想にあたって非常に重要な道具です。
ところが、これまで、メモを取るのは決して簡単なことではありませんでした。
メモ用紙が手元にあるとは限りません。あったとしても、それに書くのが簡単ではありません。
したがって、重要なことだけをメモしようとします。あるいは、後になって考えがまとまってからメモしようとします。しかし、このようなことをやっていると、考えていたことを忘れてしまうのです。思いついたことを直ちにメモして逃さないようにするのは、大変重要なことです。
しかも、これまでは、メモに書いても、その紙片が行方不明になってしまうことが頻繁に生じました。紛失しないためには、紙片に書いたままにせず、PCに記録するなどの手間が必要でした。これも、決して簡単なことではありませんでした。
ところが、こうしたことに関する条件が、ここ数年で大きく変わったのです。それは、AIを用いた音声認識機能を使って、誰でもスマートフォンで簡単にメモを取れるようになったことです。スマートフォンに向かって話すと、瞬時にテキストの文字列に変換してくれます。
スマートフォンは、どこにでも持っていけて、いつでも使えるので、いつでもどこでも、思いついたことを実に簡単にメモできるようになりました。しかも、そのメモを紛失することがありません。
上に述べたメモに関するすべての問題が、音声メモによって解決されたのです。
また、最近ではスマートフォンで写真をとることが簡単になったので、紙にメモを取っても、写真をとっておけば、紛失することはなくなりました。
こうして、メモの新しいシステムを作ることが可能になっています。
ポイント メモは非常に重要だが、これまでは紛失などの問題があった。スマートフォンの音声入力機能を使うと、この問題を解決できる。