「『超』メモ帳」なら、情報を無限にためて瞬時に引き出せる

AI時代の「超」発想法,野口悠紀雄
(画像=THE21オンライン)

AIのパターン認識能力の向上やデータのクラウド保存で、これまでは不可能であったことが可能になっている。こうした技術を個人の発想作業でどのように活用できるのか?

※本稿は、野口悠紀雄著『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

待ち望んでいた技術が実用的になった

メモは、発想にあたって非常に重要な道具です。

ところが、これまで、メモを取るのは決して簡単なことではありませんでした。

メモ用紙が手元にあるとは限りません。あったとしても、それに書くのが簡単ではありません。

したがって、重要なことだけをメモしようとします。あるいは、後になって考えがまとまってからメモしようとします。しかし、このようなことをやっていると、考えていたことを忘れてしまうのです。思いついたことを直ちにメモして逃さないようにするのは、大変重要なことです。

しかも、これまでは、メモに書いても、その紙片が行方不明になってしまうことが頻繁に生じました。紛失しないためには、紙片に書いたままにせず、PCに記録するなどの手間が必要でした。これも、決して簡単なことではありませんでした。

ところが、こうしたことに関する条件が、ここ数年で大きく変わったのです。それは、AIを用いた音声認識機能を使って、誰でもスマートフォンで簡単にメモを取れるようになったことです。スマートフォンに向かって話すと、瞬時にテキストの文字列に変換してくれます。

スマートフォンは、どこにでも持っていけて、いつでも使えるので、いつでもどこでも、思いついたことを実に簡単にメモできるようになりました。しかも、そのメモを紛失することがありません。

上に述べたメモに関するすべての問題が、音声メモによって解決されたのです。

また、最近ではスマートフォンで写真をとることが簡単になったので、紙にメモを取っても、写真をとっておけば、紛失することはなくなりました。

こうして、メモの新しいシステムを作ることが可能になっています。

ポイント メモは非常に重要だが、これまでは紛失などの問題があった。スマートフォンの音声入力機能を使うと、この問題を解決できる。