世界が注目するロックフェラー・センターのクリスマスツリーの点灯式。2019年は12月4日に行われる予定です。街中でのイベントのため点灯式の見物は無料ですが、場所取り競争は必至。そのため、近くのレストランで食事を味わうなどしながら点灯式の様子を楽しめる鑑賞チケットも、毎年早くに完売するほど人気のイベントだそうです。

冬のニューヨークを彩るクリスマスツリー

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(画像=Andrew F. Kazmierski/Shutterstock.com)

ロックフェラー・センターは米ニューヨーク市の48番街と51番街にあるビル群からなる複合施設を指します。商業用ビルが立ち並ぶだけではなく、敷地内にはギリシャ神話に出てくる巨人「アトラス」や、同じくギリシャ神話に出てくる人間に火を与えたとされる「プロメテウス」の像があったり、ウインターシーズンにアイススケートのリンクになる広場があったりと観光の名所でもあります。そして、その広場の近くに12月から1月にかけて巨大なクリスマスツリーが設置されて電飾で美しく飾られます。

地元メディアによれば、2018年のツリーは高さ約22メートル、12トンのオウシュウトウヒで樹齢は75年。ニューヨーク州ワールキルのカップルが寄付しました。ツリーは約8キロメートルにもおよぶLEDライトとスワロフスキーのクリスタルでできたスターで飾られました。点灯式にはダイアナ・ロスさんやトニー・ベネットさんといったアーティストや有名人が参加し、セレモニーに花を添えました。

どうしてクリスマスにもみの木木を飾るのか

そもそもクリスマスのシーズンにもみの木木などのクリスマスツリーを飾る習慣はいつごろから始まったものなのでしょうか。

キリスト教が誕生する前から冬のお祭りに常緑の樹木や植物を使うことは多かったようです。ヨーロッパには冬至の時期にもみの木を使って家などを飾る習慣を持つ宗教もあったそうです。こうした習慣がキリスト教に取り入れられたと考えられています。常緑のもみの木がキリスト教のシンボルになった契機についてはいくつかの仮説がありますが、有名なもののひとつに、8世紀にドイツにキリスト教を伝えた聖ボニファティウスの伝説があります。

ドイツの地でキリスト教の教義を広める活動に携わっていた聖ボニファティウスは、北欧神話に登場する神様トールにささげられたオークの木を斧で切り倒し、雷に打たれようとしました。しかし、聖ボニファティウスが雷に打たれることがなかったため、ドイツの人々はキリスト教に改宗したそうです。そして、この切り倒されたオークの木からもみの木が生えてきたため、もみの木がキリスト教のシンボルとなったとされます。

16世紀ごろにはドイツのキリスト教徒は家の中にツリーを持ち込み、装飾も施しました。こうした習慣がさらに各地に広がり、最終的には米国にも到達しました。1889年には、ベンジャミン・ハリソン第23代大統領がホワイトハウスに初めてクリスマスツリーを持ち込んだといわれています。

ロックフェラー・センターの建設は、米国が大恐慌に見舞われていた1930年に始まりましたが、センターにクリスマスツリーを設置する伝統は1931年に始まったそうです。当時は建物を作っていた建設作業員によってツリーが立てられました。その後、点灯式が行われるようになり、時を経てニューヨークの冬の風物詩となりました。

役目を終えたツリーが生まれ変わるものとは

87回目となる2019年の点灯式は12月4日に行われ、その様子はテレビ中継もされます。クリスマスツリーは点灯式後、毎日午前5時半から午後11時半の間にライトアップされ、クリスマスの日は一日中、明かりが灯るそうです。

クリスマスツリーは1月上旬にその役目を終えると、住まい関連の問題に取り組む国際NGOに寄付されます。木は裁断され、加工されて住宅の建材として生まれ変わるそうです。今年の点灯式はどんなショーが繰り広げられるのか、そして、どんな装飾がされるのか、今から楽しみですね。(提供:JPRIME


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