いよいよ年末相場の季節になってきました。昨年の12月相場は波乱となり、日経平均株価は月間で10%超も下げましたが、過去20年の平均騰落率は+1.8%であり、例年通りであれば12月は堅調な相場展開が期待できそうです。

そうした中、12月は意外にも、株主優待や配当が注目される月といえます。株主優待の権利が確定する社数は3月822社、9月422社に続き、12月は179社と3番目に多くなっています。

そこで今回の「日本株投資戦略」では、12月に株主優待の権利が確定する銘柄について、好業績で配当も見込める銘柄に絞り込み、ご紹介することにしました。さらにその中から、食品や食事券と交換できるなど、企業の業務内容が実感できるような興味深い株主優待の銘柄を抽出し、コメントを付けてみました。

12月に権利が確定する好業績の株主優待銘柄

日本株投資戦略,上方修正期待銘柄
(画像=PIXTA)

冒頭でご説明した通り、12月に権利が確定する銘柄の株主優待についてご紹介させていただきたいと思います。「日本株投資戦略」では、好業績で配当も見込める銘柄に絞り込み、ご紹介することにしました。SBI証券の株主優待検索サイトで、12月に権利が確定する銘柄を検索すると179銘柄が該当します。この179銘柄を閲覧回数の多い順に並べ替え、以下の条件に該当する銘柄を抽出することとしました。

(1)東証1部上場銘柄であること
(2)12月に株主優待の権利が確定する銘柄であること
(3)12月に配当金を受け取る権利も確定する銘柄であること
(4)四半期累計営業利益が前年同期比で増益であること
(5)「継続企業の前提」等の条件が付された企業でないこと
(6)最低投資単位である100株の保有で株主優待の権利が享受できること

株式投資である以上、株主優待の魅力享受を主目的とした投資であっても、業績面への最低限の配慮は行い、中長期投資も可能な銘柄を投資対象にしたいと思います。このため、(4)や(5)の条件を付けました。なお、結果的に抽出銘柄のすべてが12月決算銘柄になったため、四半期累計営業利益は、第3四半期累計(2019年1~9月)となっています。

そして、抽出された銘柄を閲覧回数の多い順に10銘柄だけご紹介したのが表1と表2になっています。表1には、100株保有時の株主優待の内容の概要を中心に、表2ではそれらの銘柄の配当データ等を記載させていただきました。なお、多くの企業では、保有株式数により、株主優待の内容も異なりますのでご注意ください。また、保有期間により、株主優待の内容に差を設けている企業も少なくないようです。

12月に権利が確定する好業績の株主優待銘柄(1)
(画像=SBI証券)

表1 12月に権利が確定する好業績の株主優待銘柄(1)~株主優待の内容は?
取引 / チャート / ポートフォリオ / コード / 銘柄 / 株価(11/28)(A) / 12月末に100株以上保有で贈呈される予定の株主優待内容概要
<3197> / すかいらーくホールディングス / 2,198 / 3,000円相当の飲食代割引カード
<2503> / キリンホールディングス / 2,444 / 1,000円相当の自社グループ会社商品等
<2418> / ツカダ・グローバルホールディング / 626 / 飲食・宿泊割引券1枚、クオカード500円相当
<2501> / サッポロホールディングス / 2,664 / ビール詰め合わせ、または1,000円相当詰め合わせ
<2427> / アウトソーシング / 1,181 / クオカード1,000円相当
<5959> / 岡部 / 918 / クオカード500円相当
<3196> / ホットランド / 1,335 / 株主優待券1,500円相当
<3085> / アークランドサービスホールディングス / 1,881 / 食事券(550円)2枚
<4633> / サカタインクス / 1,172 / クオカード500円相当
<9612> / ラックランド / 2,533 / 3,000円相当の地方名産品詰め合わせ

12月権利確定の好配当・好業績期待銘柄(2)
(画像=SBI証券)

表2 12月権利確定の好配当・好業績期待銘柄(2)~配当データ
取引 / チャート / ポートフォリオ / コード / 銘柄 / 株価(11/28)(A) / 予想1株配当金(会社)期末 / 予想1株配当金(会社)通期(B) / 予想配当利回り(A)/(B)
<3197> / すかいらーくホールディングス / 2,198 / 10.0 / 19.00 / 0.86%
<2503> / キリンホールディングス / 2,444 / 31.5 / 63.00 / 2.58%
<2418> / ツカダ・グローバルホールディング / 626 / 5.0 / 10.00 / 1.60%
<2501> / サッポロホールディングス / 2,664 / 42.0 / 42.00 / 1.58%
<2427> / アウトソーシング / 1,181 / 24.0 / 24.00 / 2.03%
<5959> / 岡部 / 918 / 14.0 / 28.00 / 3.05%
<3196> / ホットランド / 1,335 / 5.0 / 5.00 / 0.37%
<3085> / アークランドサービスホールディングス / 1,881 / 12.0 / 24.00 / 1.28%
<4633> / サカタインクス / 1,172 / 15.0 / 30.00 / 2.56%
<9612> / ラックランド / 2,533 / 15.0 / 25.00 / 0.99%

※会社公表データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。株主優待は権利付最終日(すべての掲載銘柄が12/26)時点に100株保有している場合の株主優待の内容について、その概要を記載したものです。詳細は各社の公式発表をご覧ください。また、予想配当利回りは、当該年度のすべての配当を受け取ったと仮定した場合に得られる利回りになりますので、期末配当を受け取っただけで得る利回りとは異なります。

好業績で美味しい!?~12月優待銘柄をご紹介

ところで、株主優待の魅力とは何でしょうか。改めて、考えてみました。株式投資には、値上がり益を期待できることや、株主として配当金等をもらえる魅力があること等については、すでにご存知だと思います。そして、その魅力と反対にリスクがあることも。

株主優待は、値上がり益でもなく、配当金でもなく、第3の魅力と言えるかもしれません。そして、株主優待が他の魅力と大きく異なるのは、その会社を実感できる可能性がある点ではないでしょうか。

私たちは、ある会社への投資を検討するとき、その会社の決算資料を読んだり、チャートを眺めたり、新聞や雑誌の記事を読んだりして、その会社のことを知ろうとします。しかし、それらは結局、頭の中に知識として残すことが中心です。しかし、株主優待はその会社の商品やサービスの提供を受けることにより、その会社を「実感できる」ことができるかもしれないのです。

特に、株主優待として飲食物を贈呈されたり、食事券をもらったりして、その会社を「味わう」というのは、その会社のことを知る貴重な機会になると考えられます。

そこで、表1・表2でご紹介した銘柄のうち、ここでは「顔の見える美味しい株主優待を安心して享受したい」という点にこだわって、以下の数銘柄を、ご紹介してみました。

すかいらーくホールディングス(3197) 

ご存じ、我が国で最大級の外食チェーンで、「ガスト」、「ジョナサン」、「バーミヤン」など計3,237店舗(9月末)を展開しています。2019年12月期の予想営業利益は前期比3.8%の減益見通しですが、第3四半期累計営業利益は前年同期比6.3%増の実績です。

期末に1株当たり10円00銭、通期では19円00銭の配当が計画されています。12/26(木)に100株以上保有の株主に対し、飲食代割引カード3,000円相当の贈呈を受けることができます。300株以上では11,000円相当、500株以上では18,000円相当、1,000株以上では36,000円相当の割引カードが贈呈されます。また、6月末時点で保有の株主にも贈呈(条件は若干異なる)されます。

図1 すかいらーくホールディングス(3197) ・週足

図1 すかいらーくホールディングス(3197) ・週足
(画像=SBI証券)

キリンホールディングス(2503) 

2019年12月期の予想事業利益は前期比4.7%の減益見通しですが、第3四半期累計事業利益は前年同期比0.8%増の実績です。

期末に1株当たり31円50銭、通期では63円00銭の配当が計画されています。12/26(木)に100株以上保有の株主に対し、自社グループ商品1,000円相当の贈呈を受け取ることができます。1,000株の保有では3,000円相当の商品を受け取ることができます。同じ内容の株主優待は6月末に保有の株主に対しても実施されます。

図2 キリンホールディングス(2503) ・週足

図2 キリンホールディングス(2503) ・週足
(画像=SBI証券)

ツカダ・グローバルホールディング(2418)

婚礼事業(売上構成比64%)、ホテル事業(同29%)、フィットネス事業(同7%)に展開しています。稼ぎ頭の婚礼事業が好調で、2019年12月期は4.8%の営業増益を予想していますが、第3四半期累計では86.7%増益となっています。予想1株配当は期末5円、通期で10円となっています。

12/26(木)に100株以上保有の株主に対し、(1)自社グループ運営施設飲食・宿泊割引券1枚、(2)クオカード500円相当が贈呈されます。前者については、首都圏を中心に展開する結婚式場やホテル内の高級レストランで20~30%の割引を受けることができます。また、東京・名古屋の対象ホテルでベストフレキシブル料金から20%割引で宿泊することができます。施設が首都圏や名古屋地区に限られますが、使い方によっては多額のサービスを受け取ることができる魅力があります。

図3 ツカダ・グローバルホールディング(2418)・週足

図3 ツカダ・グローバルホールディング(2418)・週足
(画像=SBI証券)

サッポロホールディングス(2501)

2019年12月期の予想営業利益は前期比42.7%の減益見通しですが、第3四半期累計営業利益は前年同期比12.9%増の実績です。期末に1株当たり42円00銭、通期では42円00銭の配当が計画されています。 なお、会社側は11/6付で業績見通しを下方修正しており、好業績と表現しにくい面はありますが、業績修正により、その分リスクは小さくなったと言えるかもしれません。

12/26(木)現在で100株以上保有の株主に対し、(1)ビール詰め合わせ(350ml缶4本)または(2)食料・飲食詰め合わせ1,000円相当の贈呈を受けることができます。

ホットランド(3196)

「築地銀だこ」を主力ブランドに、アイスクリームやてんぷら等にも多角化しています。2019年12月期の予想営業利益は前期比88.2%の増益見通しですが、第3四半期累計営業利益は前年同期比77.1%増の実績です。期末に1株当たり5円00銭の配当が計画されています。

12/26(木)現在で100株以上保有の株主に対し、1,500円相当の株主優待券の贈呈を受けることができます。「築地銀だこ」のほか、全国のグループ店舗で使うことができます。500株以上保有では7,500円相当、1,000株以上保有では15,000円相当の優待を受けられます。

図4 ホットランド(3196)・週足

図4 ホットランド(3196)・週足
(画像=SBI証券)

アークランドサービスホールディングス(3085)

首都圏を中心にとんかつ専門店「かつや」等を展開しています。2019年12月期の予想営業利益は前期比8.8%の増益見通しですが、第3四半期累計営業利益は前年同期比10.1%増の実績です。期末に1株当たり12円00銭、通期では24円00銭の配当が計画されています。

12/26(木)に100株以上保有の株主に対し、550円の食事券2枚の株主優待券の贈呈を受けることができます。200株以上保有では4枚、1,000株以上保有では20枚の食事券が贈呈されます。

図5 アークランドサービスホールディングス(3085)・週足

図5 アークランドサービスホールディングス(3085)・週足
(画像=SBI証券)

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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