株式投資を始めるには証券会社に口座を開設しないといけません。口座開設する証券会社を選びやすいよう、さまざまなジャンルでランキングを作成しました。お得に取引できる証券会社を探せる「株式の取引手数料ランキング」や手数料無料の「ノーロード投資信託の取り扱いランキング」などを紹介します。証券会社選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

【10万円以下の取引】証券会社株式手数料ランキング

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(画像=PIXTA)

10万円以下の株式取引の場合、TOP3には手数料無料の証券会社が並びました。

1位 松井証券

松井証券では10万円以下までの株取引は無条件で無料です。10万円までの少額取引なら松井証券が有力な選択肢になるでしょう。

なお、松井証券では10万円~30万円の取引の場合は330円(税込み)となりますが、信用取引口座を開設すると最初の6ヵ月は無料になります。信用取引口座を開設しさえすれば無料となりますが、信用取引は通常よりリスクの高い取引です。取引の際はお気をつけください。

同率2位 SBI証券、楽天証券

10万円以下までの取引なら、SBI証券と楽天証券でも取引コースによっては無料で取引できます。SBI証券の場合は「アクティブプラン」を、楽天証券の場合は「いちにち定額コース」を選択すると10万円までの取引が無料です。

SBI証券や楽天証券ではほかにそれぞれ「スタンダードプラン」「超割コース」があり、どちらも最低55円の手数料が掛かってしまいます。SBI証券や楽天証券で10万円以下の取引を行う場合は、取引コースに注意しましょう。

【10万円超~20万円の取引】証券会社株式手数料ランキング

10万円超~20万円以下の株式取引の場合は手数料無料の証券会社はありませんでした。

同率1位 DMM.com、ライブスター証券

10万円超~20万円以下の取引ならDMMコム証券やライブスター証券の手数料が有利です。この金額の株取引はどちらも106円の手数料で行うことができます。

DMM.com証券の場合は、取引コースは1本のみです。

ライブスター証券の場合は「一律(つどつど)プラン」と「定額(おまとめ)プラン」があります。106円の手数料となるのは「一律(つどつど)プラン」の方です。なお、ライブスター証券で1日に何度も取引される場合は「定額(おまとめ)プラン」の方が有利になる場合があります。ライブスター証券の取引コースは1日に1回、取引の前日(15:30まで)に変更することができますので、取引のスタイルに合わせ上手に選択しましょう。

同率3位 SBI証券、楽天証券

10万円以下の取引金額で同率2位となったSBI証券と楽天証券ですが、10万円超~20万円以下の取引金額でも同率3位にランクインしました。この金額の場合どちらも115円で取引できます。ただし取引プランに注意しましょう。

10万円以下の株取引では、SBI証券と楽天証券はそれぞれ「アクティブプラン」「いちにち定額コース」を選択すると無料になりました。しかし、これらのプランだと10万円超~20万円以下の取引の場合はどちらも210円掛かってしまいます。

10万円超~20万円以下の取引の場合、手数料を抑えたいならSBI証券は「スタンダードプラン」を、楽天証券は「超割コース」を選択しましょう。

SBI証券と楽天証券の株式取引コースは2つありますが、変更することができるのは1日1回(取引の前日15:30まで)です。取引金額によって有利なコースが違いますが、取引の度に変更することはできませんので注意しましょう。

証券会社ノーロード投資信託の取り扱いランキング

資産運用では株式以外に投資信託も選択肢の1つです。取引の手数料が無料である「ノーロード投資信託」の取り扱い数を、2019年11月8日時点のランキングで確認しましょう。

1位 楽天証券 1,355本

ノーロード投資信託の取り扱いが最も豊富だったのは楽天証券です。取り扱い銘柄数は2,643本で、その内半分以上がノーロード投資信託でした。楽天証券は、投資信託の取り扱い数自体も国内トップクラスの豊富さです。「投資したい銘柄がない!」ということは少なそうですね。

2位 SBI証券  1,331本

ネット証券大手のSBI証券もノーロード投資信託の取り扱いが多い証券会社です。1,331本と、首位の楽天証券には届きませんでしたが十分な品揃えだといえるでしょう。投資信託全体の数は2,655本と、こちらは楽天証券より多い取り扱いとなっています。投資信託で資産運用を考えている方は、楽天証券かSBI証券が有力な選択肢になるでしょう。

マネックス証券 797銘柄

楽天証券やSBI証券に差をつけられましたが、マネックス証券もノーロード投資信託は豊富に取り扱っています。ノーロード投資信託は797本、投資信託全体では1,182本の取り扱いがあります。これだけの取り扱いがあれば選択肢にそう不自由することはないでしょう。

その他のランキング

取引手数料と商品数では楽天証券やSBI証券が上位に並んできました。他のランキングではどうでしょうか?売上高と時価総額ランキングを紹介します。

売上高ランキング

  証券会社 売上高(営業収益 2019年3月期 本決算)
1位 野村ホールディングス 1兆8,351億円
2位 大和証券グループ 7,206億円
3位 みずほ証券 3,815億円

売上高ランキングでは対面証券大手がTOP3を占めました。首位の野村ホールディングス(野村證券)の売上高は圧倒的で、2位の大和証券に1兆円以上の差を付けました。証券業界では野村證券の存在が強力であることがわかりますね。

3位には銀行系の証券会社大手のみずほ証券が続いていますが、4位のSMBC日興証券(3,695億円)が肉薄しています。

意外にも5位にはネット大手のSBIホールディングスが続きました(3,514億円)。メガバンク系の一角を占める三菱モルガン証券は2,279億円の売上となり、ネット系証券会社に負ける対面大手が出てきたことは驚きですね。

時価総額ランキング

  証券会社 時価総額(2019年11月8日時点)
1位 野村ホールディングス 1兆8,156億円
2位 大和証券グループ 8,781億円
3位 SBIホールディングス 5,602億円

上場株式の価値である「時価総額」のランキングでも野村ホールディングスが首位となりました。東証1部の中でも79位で、大企業の一角であることがわかりますね。

大和証券は時価総額でも2位で、3位にはネット系大手のSBIホールディングスがランクインしました。

なお、メガバンク系の3社はそれぞれ親会社が上場しています。三菱UFJが8兆708億円、三井住友が5兆5,133億円、みずほが4兆3,675億円であり、野村を超える大企業であることがわかるでしょう。

ネット系がシェアを伸ばす構図に

売上高や時価総額のランキングを確認すると、ネット系大手SBIホールディングスの存在感が際立ちます。SBIホールディングスはSBI証券をはじめ多くの金融会社を傘下に納めます。インターネットの影響は金融業界へも強くなってきているようです。

どうやって証券会社を選べばいい?

これまで紹介したランキングでいくつかの証券会社が出てきましたが、もちろんほかにもたくさんの証券会社があります。いざ証券会社を選ぶ時には、どのように決めれば良いでしょうか。4つのポイントを確認していきましょう。

手数料の安さ

株式や投資信託などへの投資では手数料が掛かります。手数料の率は証券会社ごとに違い、取引を長く続けていくと、その差はだんだん大きなものになっていきます。できるだけ手数料の安い証券会社を選択することは大切なポイントといえるでしょう。

つみたてNISAなどへの取り組み

投資にはさまざまな優遇制度が用意されており、ただ投資するよりこれらの制度を利用した方がお得になることがあります。

優遇制度はすべての証券会社が一律でやっているわけではなく、取り組みに差があります。優遇制度を提供していない証券会社もありますが、より有利な運用をしたいならそのような証券会社は避けたいところです。

主な優遇制度は「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」です。これらへの取り組みがどうなっているか、事前に確認して証券会社を選択しましょう。

投資情報や投資ツールの豊富さ

ネット証券会社 無料の投資情報
松井証券 Quick社など
楽天証券 日経テレコンなど
SBI証券 ロイター社、フィスコ社など
DMM.com証券 ロイター社、みんかぶなど
ライブスター証券 Quick社など

投資の判断は各自で行うものですが、その判断材料となる投資の情報ができるだけ豊富な証券会社を選びたいですよね。

証券会社はそれぞれ投資情報を提供しています。その質を一概に比較するのは難しいですが、無料であるかどうかは事前に確認できるでしょう。どのような投資情報や投資ツールが用意されているかは各社のホームページから確認できます。

ネット証券は無料の投資情報が充実しています。中には有料の投資情報や投資ツールもありますが、基本的な情報は手に入ると思われます。

投資相談をしたいなら対面証券会社も選択肢に

ネット証券は手数料の安さで利点がありますが、相談相手がいるわけではありません。「最初は相談しながら始めたい」という方は対面証券会社が選択肢になるでしょう。対面証券会社は手数料が割高ですが、その分投資の基本的な知識は教えてくれます。高い手数料はサービスの対価だと割り切り、利用してみるのもいいかもしれません。

コストが低く便利な証券会社を選んで

証券会社選びは取引コストが安いネット証券を選択することが基本ですが、投資相談もしたいなら対面証券会社も十分選択肢に入ります。ご紹介したランキングや証券会社選びのポイントも参考に、自分にとって一番都合のよい証券会社を選択するように心がけましょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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