手数料が安く人気のネット証券ですが、ネット証券といってもたくさんあり「どこが一番お得なの?」という疑問が出てきますよね。今回は、投資初心者でもお得な証券会社が簡単に見つかるよう人気のネット証券10社を比較します。手数料はもちろん、投資サポートのサービスなどさまざまな点を比較します。

初心者が株式投資を始める前に気を付けたいこと

ネット証券,比較,手数料
(画像=PIXTA)

証券会社選びの前に、投資の前に注意したい3つのポイントを確認しておきましょう。

株式の時価総額を確認

一般に、大企業の株式より新しい小さな企業の株式の方が大きなリスクとなります。大きなリスクを取れる方であれば問題ありませんが、知らないで買うと思わぬリスクとなってしまうかもしれません。

上場企業の規模は「時価総額」で確認しましょう。時価総額とは「株価×発行しているすべての株数」で算出される数字で、大企業は時価総額が大きい特徴があります。

2019年10月末で、全市場の時価総額の平均は約1,763億円です。これを目安に時価総額を確認すれば、その企業がどれくらいの会社かわかります。

企業の規模は上場している市場によっても大体判断が可能です。「東証一部」と「東証二部」以外、つまり新興市場といわれる「ジャスダック・スタンダード」、「ジャスダック・グロース」、「マザーズ」、また東証以外の地方市場に上場している企業は中小企業が多くなっています。

決算発表日や配当&優待の権利が付く日も確認

株式は年に4回業績を発表します。決算が発表された後の株式は大きな値動きをする可能性があります。ネット証券のホームページなどで決算の発表日を確認するようにしましょう。

また、株式投資の楽しみである「配当」や「株主優待」がもらえる日も確認してください。配当や株主優待をもらうためには「権利付き最終日」までに株式を買う必要があります。上場企業によって権利付き最終日は違いますので、配当や優待がほしい方は必ずチェックしておきましょう。

注文の入力は4つのポイントを確認

基本的なことになってしまいますが、株式の注文を間違えてしまってはいけません。慣れるまでは4つのポイントを毎回確認するようにしましょう。

4つのポイントとは「銘柄名」、「売りor買い」、「指値or成行」、「(指値なら)注文の価格」です。

「指値」とは買いたい(売りたい)値段を指定する注文方法で、「成行」とは今買える(売れる)値段で自動的に注文する方法です。名前が似ている上場企業もありますし、売りと買いを間違えると想定と真逆の取引となってしまいます。

間違えた注文が成立してしまうとやり直しができません。最初は緊張するかもしれませんが、慎重にしっかり確認して注文を出しましょう。

ネット証券の手数料を比較

インターネット証券は手数料が安いというイメージですが、比較してみると結構違いが出てきます。

(取引のつど)取引手数料の比較

  株式の取引手数料(税込み)
10万円の取引 50万円の取引 100万円の取引
SBI証券
「スタンダードプラン」
99円 275円 535円
楽天証券
「超割コース」
99円 275円 535円
松井証券 0円 550円 1,100円
カブドットコム証券 99円 275円 1,089円
DMM.com証券 88円 198円 374円
GMOクリック証券
「1約定ごとプラン」
88円 265円 479円
マネックス証券
「取引毎手数料コース」
110円 495円 1,100円
岡三オンライン証券
「ワンショット」
108円 385円 660円
ライブスター証券
「一律(つどつど)プラン」
88円 198円 374円
ネオモバイル証券 1取引ごとの手数料設定なし

※2019年11月26日時点

松井証券は10万円までなら無料で取引ができます。10万円までの取引がメインの方は松井証券が大きな選択肢になりそうです。

取引金額が大きくなってくると有利なネット証券会社が違ってきます。50万円の取引、また100万円の取引ではDMM.com証券とライブスター証券が最も手数料が安くなります。ある程度まとまった金額で取引するならDMM.com証券やライブスター証券を選択するとよいでしょう。

(定額系プラン)取引手数料の比較

  株式の取引手数料(税込み)
1日に50万円の取引 1日に100万円の取引
SBI証券
「アクティブプラン」
471円 838円
楽天証券
「いちにち定額コース」
471円 943円
GMOクリック証券
「1日定額プラン」
438円 876円
マネックス証券
「1日定額手数料コース」
2,500円 2,500円
岡三オンライン証券
「定額プラン」
550円 880円
ライブスター証券
「定額(おまとめ)プラン」
440円 660円
ネオモバイル証券
※月額プランのみ
月に300万円の取引 月に1,000万円の取引
1,100円 5,500円
松井証券 定額プランの設定なし
カブドットコム証券
DMM.com証券

※2019年11月26日時点

株式は取引のたびに手数料が発生しますが、一部の証券会社は定額系のプランを提供しています。1日の取引金額の合計で手数料を計算し、取引回数によっては定額系プランの方がお得になります。

また、定額系プランは1日の取引金額で計算する会社が多いですが、ネオモバイル証券は月の取引金額で計算されます。手数料は月額制ですから、1回も取引しない月があったとしても手数料が掛かる点には注意が必要です。取引回数が多い日が継続的に続く方はネオモバイル証券も選択肢になるでしょう。

投資初心者でも大丈夫。ネット証券の投資サポート

  投資サポート
SBI証券 ロイター、フィスコなどのニュース情報。
四季報やアナリストの分析情報も。
無料アプリ「SBI株アプリ」
楽天証券 ロイター社などの投資情報。
投資情報サイト「トウシル」で資産運用に関するコラムも。
無料アプリ「iSPEED」
松井証券 QUICK社のニュース情報や分析情報を開示。
無料アプリ「株touch」
カブドットコム証券 「kabu.com投資情報室」でアナリストが投資情報を随時発信する。
無料アプリ「kabuステーション」「kabu smart」
DMM.com証券 ロイター、みんかぶ、四季報の投資情報などを配信。
無料アプリ「DMM株」
GMOクリック証券 日本証券新聞社やDOW社の投資情報を配信。
無料アプリ「iClick株(iPhone)」「株roid(Android)」
マネックス証券 バロンズ社などの投資情報を配信。
オリジナルのレポートも。
無料アプリ「マネックストレーダー株式」
岡三オンライン証券 自社ホームページでマーケットに関する投資情報を開示。
無料アプリ「岡三カブスマホ」ほか。
ライブスター証券 QUICK社提供の投資情報を開示。
優待の情報も。無料アプリ「livestar S2」
ネオモバイル証券 優待情報や「みんなが見ている銘柄」などのランキング情報を開示。無料アプリ「ネオモバ株アプリ」

※2019年11月26日時点

投資に関する情報は各社充実している印象です。投資情報が全く手に入らないということはなさそうですね。

忙しい方なら投資環境も大切でしょう。短い休み時間などに取引をされる方は、ウェブページの読み込み時間もイライラの原因になってしまうかもしれません。各社無料のスマホアプリを提供していますから、そちらを利用するとより快適な取引ができます。

お得に投資したい。ネット証券のつみたてNISAやiDeCoは?

  一般NISA つみたてNISA iDeCo
SBI証券
楽天証券
松井証券
カブドットコム証券
DMM.com証券 なし なし
GMOクリック証券 なし なし
マネックス証券
岡三オンライン証券
ライブスター証券 なし
ネオモバイル証券 なし なし なし

※2019年11月26日時点

投資で利益を得ると税金が掛かりますが、「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」を利用すると税金が掛からなくなります。

NISAは「一般NISA」と「つみたてNISA」があり、一般NISAはネオモバイル証券以外ではすべて利用できます。DMM.com証券、GMOクリック証券はつみたてNISAとiDeCoの利用ができません。ライブスター証券はiDeCoのみ利用できず、ネオモバイル証券はすべての優遇制度が利用できません。優遇制度の利用を検討している方は気を付けましょう。  

分散投資してリスクを下げたい。取り扱い商品が豊富なのは?

  投資信託 債券 外国株
SBI証券 2,654本 円建債券
外国債券
9カ国
楽天証券 2,634本 円建債券
外国債券
6カ国
松井証券 1,183本 なし なし
カブドットコム証券 1,140本 外国債券のみ なし
DMM.com証券 なし なし 米国のみ
GMOクリック証券 116本 外国債券のみ なし
マネックス証券 1,182本 円建債券
外国債券
米国、中国
岡三オンライン証券 526本 外国債券のみ 中国株のみ
ライブスター証券 1本 なし なし
ネオモバイル証券 なし なし なし

※2019年11月26日時点

分散投資をするとリスクを下げて運用することができます。株式だけより、よりさまざまな商品に投資することが望ましいでしょう。株式以外の商品を、どれくらい扱っているかも大切な選択基準です。

ネット証券大手のSBI証券と楽天証券の取扱商品は圧巻です。より多くの選択肢を持ちたいという方はSBI証券か楽天証券が有力な選択肢になるでしょう。もちろん「株式だけあればいいよ」という方は手数料重視で選択しても大丈夫です。

おすすめのネット証券は?

初心者はSBIや楽天がおすすめ

投資初心者はSBI証券や楽天証券がおすすめです。取引手数料はDMM.com証券やライブスター証券の方が割安ですが、取扱商品や優遇制度が非常に充実しています。

また、SBI証券と楽天証券はそれぞれポイントプログラムも提供しています。SBI証券では「Tポイント」が、楽天証券では「楽天ポイント」がもらえます。ポイント分お得に取引できるのも大きなメリットです。

手数料重視ならライブスター

「とにかく安い手数料がいい」という方ならライブスター証券をおすすめします。特に、取引金額が大きくなってくるとライブスター証券の安い手数料は本当に魅力的です。

DMM.com証券も同率の手数料でしたが、定額系プランがなく、またつみたてNISAを利用することができませんのでライブスター証券の方が有利です。

複数の口座を開設する選択肢も

証券口座はいくつ持っていても問題ありません。管理が少し大変かもしれませんが、有利な取引をするためにあえて複数の証券口座を保有するというのも選択肢の1つでしょう。

株式はライブスター証券で、それ以外はSBI証券か楽天証券といったように、ネット証券それぞれの長所を活かすことができるでしょう。

口座開設よくある質問5選

必要な書類は?

ネット証券の口座開設には「本人確認書類の提出」と「マイナンバーの登録」が必要です。本人確認書類は免許証など、マイナンバーはマイナンバーカードや通知カードなどを利用します。各書類はコピーを郵送する方法や画像をアップロードする方法などで提出しましょう。

お金はどうやって入金するの?

証券口座に入金するには専用の入金口座を利用します。入金の方法は、直接入金の口座に振り込むほか、ネット証券によっていくつか用意している場合があります。また、クレジットカードで商品を買うことができる証券会社もあるので確認しましょう。

利益が出たら税金はどうするの?

投資で得られた利益には税金が掛かりますが、確定申告は不要です。投資利益の計算と納税は証券会社が自動的に行ってくれます。

損益通算も年内であれば行ってくれるので「確定申告はわからない」という方でも大丈夫です。

会社に言わないといけないの?

就業規則を確認していただきたいですが、基本的には不要です。

投資で利益が出ると税金が掛かりますが、「源泉分離課税」といい本業の収入と別に税金が計算されます。会社の給料の源泉徴収額に影響がありませんので、副収入が会社に把握されることはありません。

ただし、投資の利益を確定申告する場合は注意が必要です。投資の利益を含めて源泉徴収が行われる可能性があるため、会社に住民税や社会保険料の源泉徴収額の違いから副収入を把握される可能性があります。

トラブルを避けるためには会社に相談しておくのが望ましいでしょうが、確定申告をしない限り、基本的には会社が投資利益を把握することはありません。

パソコンは要るの?スマホだけで大丈夫?

スマホだけで大丈夫です。ネット証券各社はスマホアプリを提供していますから、そちらを利用しましょう。

手数料が安いネット証券で資産運用を始めよう

ネット証券は手数料が安く、また投資のサポートも充実しています。各会社ごとの手数料や取り扱い商品の違いをよく確認し、自分に最適なネット証券で口座を開設しましょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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