「名刺でつながらない」社外の友人こそ大切に

初の人事制度改革プロジェクトを手がけた頃と時同じくして、私の書籍を読んだある大手企業役員から講演依頼がありました。さらにその会社で社員研修の依頼も受けました。

しかし、ここで壁が立ちはだかります。見積書の書き方がわからないのです。研修会社で働いていたわけではないので、そもそも研修の相場がわからない。

もっと言えば、最初から会社の設立登記はどうするのか。営業活動はどうするのか。わからないことだらけでした。

ここでも私は助けられます。それは意外にも、普段仕事の話をしない社外の友人たちでした。

私は、人に会うのが大好きで、社外に多くの友人がいます。そこでは、仕事の話はしませんし、趣味やフィーリングが合うからつながっている人ばかりです。

彼らに相談したところ、営業マンの友人は見積書の書き方を教えてくれ、クリエイターの友人は営業活動の要になる会社のホームページを作ってくれました。

肩書きでつきあっていると、利害関係がなくなればそこで終わりですが、利害関係抜きでつきあっている友人は、本当に困っているときに助けてくれます

ところで、私はここで面白い発見をしました。未経験だった研修プログラム作成に、編集力をそのまま活かせたのです。ターゲットと企画コンセプトを決めて構成を考える作業は編集そのもの。

実は、自分でも気づかない他業界に転用できる強みを、誰もが持っているのです。自分の強みを活かす場所がわからない方は、まず異業種の人と交流し、その業界が抱える課題を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

お役立ちできる課題がわからなければ、自分の能力をどう活かすかもわかりません。お客様あっての自分とはそういうことなのです。