700通の退職の挨拶に「返信ゼロ」の現実

41歳での独立。その厳しさは想像していたつもりでしたが、実際は想像以上でした

700通もの退職の挨拶状を出して、1通も返事が来ませんでした。そのうちの何通かは、何かしらの仕事のオファーが来るものだと踏んでいたのですが。

顧客候補もなく会社を辞めた私にとっては大ダメージ。正直に言うと、リクルートで実績を挙げ、本も出していた私には、仕事が簡単に来るものだと思っていました。

実情は誰もが、「前川孝雄ではなく、リクルートの編集長としてつきあっていた」という厳しい現実を突きつけられました。

実績があっても、セルフブランディングを過信しない。肩書きの威力は予想以上に大きい。これは大きな反省です。

独立後、本当にやることがありませんでした。FMを聞きながら近所の野良猫にエサをあげる日々。誰からもメールや電話も来ない。社会から断絶された孤独感を味わいました。

そんな折、仕事で干された私を拾ってくれた元上司から、電話がかかってきました。彼は、人事担当役員になっていて、「今のリクルートの人事制度を変えたいから、手伝ってほしい」というのです。

思えば、親心だったのでしょう。プロジェクトが成功した後、彼はその実績を積極的にピーアールするよう勧めてくれたのです。

私は、この経験から「前の職場の人間関係を大切にしなさい」と伝えています。本当に困ったとき、まず手を差し伸べてくれるのは、あなたの働きぶりを知っている元上司や同僚なのです。