銀行の前を通りかかるとiDeCoのキャンペーンを見かけたり、証券口座を開設するとiDeCoの口座も併せて開設しないかと聞かれたりと、最近はiDeCoを勧める金融機関も多くなりました。でもiDeCoは1人1口座しか作れない上、金融機関によってサービスに違いがあるので、口座を開設する時は慎重に選びたいところ。最近では手数料や商品の豊富さからネット証券が人気ですが、今回はその中でも特にSBI証券と楽天証券を比較してご紹介します。

SBI証券と楽天証券は手数料が安い

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(画像=PIXTA)

手数料はどちらも最安値

iDeCoの運営は、加入資格の取得や掛け金引落しなどを行う「国民年金基金連合会」と、口座管理、運用などを行う「運営管理機関」、そして積立金の管理、給付を行う「事務委託先金融機関」が主に行い、iDeCoを利用するとそれぞれに手数料を払う必要があります。

このうち、国民年金基金連合会と事務委託先金融機関に払う手数料にはほとんど差がありませんが、運用期間中に運営管理機関に支払う手数料は金融機関ごとに決まっていて、2019年11月現在月額で0円から458円とかなり差があります。

SBI証券と楽天証券は、この運営期間中にかかる手数料が0円となっていますので、どちらを選んでも最も安い手数料でiDeCoを利用することができます。

SBI証券にはプランが2つある

なお、SBI証券には2018年から始まった「スマートプラン」と、サービス開始当初からある「オリジナルプラン」がありますが、違いは投資信託のラインナップのみで、どちらのプランでも手数料は同じです。

取り扱い商品の数はSBI証券が少し多い

商品の種類を比べてみると

SBI証券の2つのプランと楽天証券のiDeCoの商品は、以下のようになっています。

表. SBI証券と楽天証券の取り扱い商品の種類と本数

投資信託のカテゴリー SBI証券 楽天証券
オリジナルプラン セレクトプラン
日本株式 インデックス 4本 2本 2本
アクティブ 5本 4本 4本
先進国・世界株式 インデックス 5本 8本 3本
アクティブ 4本 4本 3本
新興国株式 インデックス 2本 1本 1本
アクティブ 0本 1本 0本
日本債権 1本 1本 2本
先進国・世界債権 1本 3本 3本
新興国債権 1本 1本 1本
REIT 2本 2本 3本
バランス型・その他 12本 9本 9本

※2019年12月20日現在

外国株式投資信託が豊富なSBI証券

取り扱い投資信託の数では、SBI証券のオリジナルプランが37本、セレクトプランが36本に対し、楽天証券は31本とわずかに少なくなっています。内訳を見てみると最も大きな違いは先進国・世界株式に対する投資信託の数で、特にSBI証券では外国株式投資信託の中でもインデックスファンドに対する選択肢が多いことがわかります。

老後まで使うiDeCoはサービスやサポートも大切

楽天証券のコールセンターは土日も対応

iDeCoは目的が老後資金の準備のため、口座を開設した金融機関とは長い付き合いになります。よって手数料や商品数以外にもサービスや各種サポートも確認しておきましょう。

ネット証券は実店舗がないため、運用や手続きに関してわからなくなった時のことを考えると不安かもしれませんが、SBI証券も楽天証券もiDeCo専用のコールセンターがあります。対応時間は、それぞれ

SBI証券 平日および土曜日、日曜日(年末年始・祝日を除く)の8時から18時
楽天証券 平日(祝日を除く)10時から19時、および土曜日、日曜日の9時から17時

となっています。実際に人と話して相談ができるのは安心ですね。ただし、SBI証券に関しては土曜日と日曜日の受付は新規加入に関する問い合わせのみの対応になっていますので、加入後週末に運用商品や各種変更に関する質問ができない点は注意が必要です。

楽天証券ではLINEで問い合わせもできる

楽天証券ではiDeCo専用のAIチャットをLINEで提供し、iDeCoに関する一般的な問い合わせや節税メリットシミュレーションなどに24時間いつでも対応しています。

今や家族や友人とのコミュニケーションツールとしてすっかり定着したLINEで問い合わせができるので、電話が苦手な方でも自分のペースでサポートを受けられますし、質問したくなった時にいつでも対応してもらえるのも安心です。まだベータ版での提供ですが、LINEトークでのサポートは楽天証券のユニークな特徴と言えるでしょう。

長い付き合いになるiDeCo口座はネット証券も視野に入れよう

iDeCoの口座を開設する金融機関として人気のネット証券の中でも、特に今回はSBI証券と楽天証券を比較してご紹介しました。どちらも手数料が最安値で取扱商品の数も多く、おすすめな証券会社なのですが、SBI証券は外国株式投資信託に力を入れ、楽天証券は土日もサポートがあったりLINEで問い合わせできるなど、それぞれ特徴があります。

長い付き合いになるiDeCo口座、自分にとってぴったりの金融機関を選んでみてください。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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