2019年の株式市場は年後半から活況となった。欧米市場ではNYダウを始めとする株価指数が過去最高値を更新する中、日経平均株価も1年2ヵ月ぶりに一時2万4000円台を回復する場面も観測されている。
年前半は米中貿易摩擦とそれに伴う世界の景気後退懸念から厳しい場面も多かったが、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を引き下げるなど金融緩和の流れが世界的な広がりを見せたほか、米中貿易交渉に一定の進展が見られたこともあって、年後半はリスクオンのムードが広がった。
2020年は子年(ねどし)である。子年は「繁栄」するとの相場格言もあるが、実際どのような展開となるのだろうか。2020年の株式市場で注目される「6つのポイント」を見てみよう。
東証マザーズに出遅れ感、気になる小型株
まず、一つ目の注目ポイントが小型株市場である。特に気になるのが東証マザーズだ。2019年の日経平均は前年末に比べて19.3%の上昇率を記録した(12月26日時点)が、東証マザーズ指数は11.1%の上昇にとどまっており、出遅れが顕著である。
日経平均は2018年10月の高値の2万4448円に対し、2019年12月20日には2万4091円とほぼ全値戻しレベルに達している。一方、東証マザーズ指数は2018年1月の高値1367に対し、直近高値でも2019年11月29日の921にとどまっている。
日経平均は東証1部に上場する約2000銘柄のうち225銘柄を対象にしており、機関投資家や海外投資家など巨額資金を運用するプレイヤーが多数参入している。一方の東証マザーズのメインプレイヤーは個人投資家である。東証マザーズは2018年12月かけての急落で逃げ遅れた個人投資家も多いと見られ、結果として需給が悪化した可能性も指摘されている。こうした情勢の中、2020年は出遅れ感のある東証マザーズの動向が注目ポイントの一つとなりそうだ。