年末年始に心機一転して投資を始めたいと思う人が多いのか、そうした消費者心理を期待する金融機関が多いからか、いずれにしてもこの時期は「話題の投信」と呼ばれるものが妙に増えるようにも感じる。今回はそうした投資信託を買う前に確認すべき「3つのチェックポイント」についてお伝えしたい。

残高が極端に急増していないかどうか?

投資信託,選び方
(画像=AkiraKaelyn / shutterstock, ZUU online)

一つ目のチェックポイントは「残高が極端に急増していないかどうか?」だ。株式型投資信託、債券型投資信託、或いはREIT型など多くのタイプの投資信託、若しくはファンド運用と呼ばれるすべてのものに共通するパフォーマンスの阻害・悪化要因の一つに急激な運用残高の増減がある。これはファンドマネージャーにとっても「頭痛の種」である。本来、運用残高は設定から償還まで、ずっと一定しているほうが運用はやり易い。

理由は簡単。投資信託などのファンド運用には全て運用目標とか指針、或いはベンチマークなどがある。これに打ち勝つ為には基本的に常に「フル・インベストメント(100%の組入れ)」を行っていることが望ましいからだ。だが追加型投資信託にとって日々の追加と解約は避けて通れない宿命であり、毎日のようにキャッシュの流出入がある。これで「フル・インベストメント」の状態をキープするのは至難の業だ。

一方、何かの理由で当該投資信託が「人気者」になった場合、当然お金は良く集まるようになる。でも毎日キャッシュが流入超過になると、その穴埋めの為だけに、毎日買い続けなければならない。追加型投資信託は毎日追加・解約があるのが前提なので、多少の流出入なら勿論対応可能だ。しかし数ヵ月間で運用残高が2倍にも3倍にも膨らむような極端な増加に見舞われると、その分の買付対応だけで手一杯になってしまう。

販売会社、そして運用会社の経営陣と販売サイドは残高が増えてホクホク顔だろうが、担当ファンドマネージャーは頭を抱える。なぜなら、同じ銘柄を継続的に買い続けることは、傍から見る程簡単な話では無いからだ。

実際にファンド運用を経験したことが無いとそう思われても当然なのだが、ひとつの銘柄を100万円単位で買うのと、1億円単位のロットで買うのとでは、市場に与えるインパクトが違い過ぎる。実はこの意味、自分の経験に照らせば、ファンドマネージャーの経験が無ければ運用会社の経営陣でさえも理解出来ない人が多い。ポイントとなるのは投資対象の流動性だ。