2020年は一大トピックの一つ「アメリカ大統領選」が11月3日に控えています。中国との貿易摩擦に懸念は残りますが、2019年の米国株式市場は史上最高値を更新するなど上昇基調で推移しました。果たして選挙イヤーとなる2020年の相場はどうなるのでしょうか?米国市場の動向を展望してみました。
米国株式のこれまでの推移は?
アメリカ合衆国の代表的な株価指数「ダウ平均株価」を参照すると2019年1月3日は2万2,686米ドルでした。しかしその後じりじりと値を上げ12月20日には2万8,455米ドルに達しています。FRB(連邦準備理事会)による金融緩和の影響も大きかったようです。大統領選の前年は、選挙戦を踏まえさまざまな経済対策が打ち出されるため値を上げやすい……という通説は結果として守られた格好となっています。
トランプ大統領が就任した2017年1月当時は、2万ドル前後でした。つまりこの3年間で約4割も上昇しています。
大統領選の影響は?
選挙年となる2020年はどのように推移するのでしょうか。一般的に大統領が再選を果たした場合と政党が変わった場合で傾向が変わるようです。政党が変わると多くの分野で政策の方針転換が行われるため、それまで上げ基調だった場合は下げ基調に、下げ基調だった場合は上げ基調になるケースが多い傾向です。
トランプ大統領の再選の行方は、前回同様不透明な状況となっています。政党内の候補者を選定する2020年前半の予備選挙や党員集会および11月予定の選挙に向けた対立候補との一騎打ち。選挙までの過程ではトランプ大統領の口からとんでもない発言や政策が飛び出す可能があり、その都度株価も敏感に反応するでしょう。
大統領選は再選を目指す現職が有利で4年間の任期で終わった直近の大統領はジョージ・H・W・ブッシュ(任期1989~1993年)までさかのぼります。これがトランプ大統領に当てはまるかは何とも言えないところですが、仮に再選を果たすような状況になった場合、株価も比較的堅調に推移する可能性が強そうです。
米中貿易摩擦の行方は?
火に油を注いだかと思えば、急に消火にかかる……中国に対するトランプ大統領の対応ですが、2019年12月に第1段階の米中通商協議の合意が発表され両国は正式署名に向け調整を進めています。貿易摩擦はある程度鎮火した状態となっていますが依然として火種がくすぶっている状態でまだまだ予断を許しません。
任期が迫るトランプ大統領が譲歩し大統領選まで休戦するとの見方が強いでしょう。しかし米国人の対中感情によっては、選挙戦の中で再び燃料を投下する可能性もぬぐえません。トランプ大統領が推し進める保護主義が果たしてアメリカ経済にとってプラスに働くのか……こうした観点も見逃せないでしょう。
いずれにしろ「自国の株価を大きく下げるような真似はしないはず」という性善説ならぬ性トランプ説を信じ比較的安定した推移をたどることが予想されます。
世界経済の行方はどう影響?
各国の市場に影響をおよぼす世界経済の見通しはどのようになっているのでしょうか。IMF(国際通貨基金)が2019年10月に発表した世界経済見通しによると経済の減速は2019年を底に2020年には持ち直すと予測しています。具体的には、2019年見通しは先進国が前年比+1.7%、新興国が同+3.9%となっており、2020年見通しでは先進国が同+1.7%、新興国が+4.6%です。
けん引役は新興国が中心となっていますが、少なからずアメリカも大きな減速局面とはならないでしょう。2019年の伸びは2020年に比べ鈍化する可能性ありますが、比較的堅調に推移するものと思われます。大きな影響をおよぼすとすれば、それはやはりトランプ大統領なのかもしれませんね。(提供:JPRIME)
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