正確な理解をするために違和感のある情報に触れる
このように、想定した結果と違う部分を掘り下げていくと、自分の感覚とデータの違いがわかるようになります。
それだけではありません。このようなことを進めると、より正確に状況をつかめるようになるのです。また、対応策を考える際にも、より具体的な対応策が打てたり、幅広い観点からの対応策になったりします。例えば、時間帯別での顧客層の状況がわかれば、時間帯別で陳列する商品を少し変えたりするといった対応策も考えることができるでしょう。
想定外の情報を目にすると、思わず、その情報をなかったものにしたくなるでしょうが、実はアイデアを膨らませたり、正確に状況をつかむチャンスなのです。うまく活用できるといいですね。
もちろん「自分の肌感覚とデータが常に合わない」という場合はそんな悠長なことは言っていられません。自分の肌感覚に相当偏りがあるのか、データの収集の仕方がいい加減なのか、どちらかということになります。自分の感覚は他の人とずれてないか、もしくはデータの入手の仕方が適切なのかをしっかり点検してください。
生方正也(うぶかた・まさや)
HRデザインスタジオ代表
1968年、埼玉県生まれ。東京大学文学部卒業。日産自動車〔株〕にて、取引先部品メーカーの経営分析・指導を担当。〔株〕ウィリアム・エム・マーサー(現・マーサージャパン〔株〕)にて、人事制度改革、組織変革などのコンサルティングに従事したのち、グロービスを経て独立。現在は、人材開発、組織変革に関するコンサルティングに携わると同時に、ロジカルシンキング、情報活用術、仮説思考などの分野の指導、著作活動を行なっている。著書に『アウトプットの精度を爆発的に高める「思考の整理」全技術』(かんき出版)、『アウトプットの質を高める 仮説検証力』(すばる舎)、『ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力』(日本経済新聞出版社)、『シナリオ構想力 実践講座』(ファーストプレス)、『結果を出す人がやっている「思考整理」の習慣』(日本実業出版社)など多数。(『THE21オンライン』2019年12月05日 公開)
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