最近は犬や猫も長生きするようになり、保険診療がきかず全額負担となるペットの診療は深刻な問題となってきています。ペット診療費に備えることができるのが「ペット保険」です。今回は、ペット保険の概要と、人気のペット保険をランキング形式で紹介します。

ペット保険ってどういう保険?

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(画像=Nina Buday/Shutterstock.com)

ペット保険は、ペットに診療費が発生した場合に保険金の給付がある保険商品です。人間のように公的な健康保険がないペットの治療は費用の全額が自己負担となります。ペット保険は大切なペットの治療に備える保険商品といえるでしょう。

ペット保険を販売しているのは主に「損害保険会社」と「少額短期保険会社」です。少額短期保険とは、保険の金額や期間などが一定の範囲内に収まる保険です。損保会社と同様に保険業法が適用され、運営の健全性などについて金融庁から厳しく監督されています。

対象となるのは主に犬と猫です。保険によっては他の動物も加入対象としています。

ペット保険人気ランキング

1位 アニコム

保険の名前 契約年齢 概要
どうぶつ健保
ふぁみりぃ
7歳11ヵ月まで 診療費の7割(70%プラン)か
5割(50%プラン)を補償。
通院、入院、手術が対象。
どうぶつ健保 
ぷち
70%プランのみ。
入院、手術が対象で、通院は対象外。
どうぶつ健保
しにあ
8歳以上 診療費の7割(70%プラン)か
5割(50%プラン)を補償。
入院、手術が対象で、通院は対象外。

ペット保険の人気第1位はアニコムです。「どうぶつ健保」シリーズが人気で、国内のペット保険シェアは1位となりました。

「しにあ」は上位3社の中で唯一年齢の上限がありません。また「ふぁみりぃ」は犬と猫だけでなく、鳥、うさぎ、フェレットも加入対象で、幅広い受け入れを行っています。

なお、保険契約の引受けは個別に保険会社が判断しますので、必ず保険に入れるわけではない点に注意しましょう。

2位 アイペット

保険の名前 契約年齢 概要
うちの子 12歳11ヵ月まで 診療費の7割(70%プラン)か
5割(50%プラン)を補償。
通院、入院、手術が対象。
うちの子 Light 診療費の90%を補償。
手術が主な対象で、手術に伴う入院は対象。
手術以外の入院、通院は対象外。

アイペットのペット保険「うちの子」は犬と猫だけが加入対象です。

「うちの子 Light」は診療費の90%を補償してくれる保険で、上位3社の中では最も補償率が大きくなっています。

なお、保険金の支払いには免責や支払い上限などの諸条件があります。契約の前にしっかり確認しておきましょう。

3位 ペット&ファミリー

保険の名前 契約年齢 概要
げんきナンバーわん 満7歳以下 診療費の7割(70%プラン)か
5割(50%プラン)を補償。
通院、入院、手術が対象。
げんきナンバーわん
Slim
7歳11ヵ月まで 診療費の7割(70%プラン)か
5割(50%プラン)を補償。
通院、入院、手術が対象。

3位となったペット&ファミリーの「げんきナンバーわん」シリーズは2つあり、どちらも犬と猫だけが加入できます。

補償内容が似ていますが、「Slim」には1日あたり3,000円の免責が設定されています。診療費が1日あたり3,000円を超えない限り保険金支払いの対象となりませんが、その分保険料が安く設定できます。

ペット保険の仕組み

ペット保険の支払保険料は、対象とするペットの種類によって違います。同じ犬でも品種や体重によって保険料が変わるのでご注意ください。

補償に関しては、動物病院の窓口で診療費から自動的に引いてくれる「窓口清算」に対応しているものもあります。ランキングで紹介した3社はすべて窓口清算に対応しており、いったん立て替えておく必要がありません。

ただし、すべての動物病院で窓口清算ができるわけではなく、各ペット保険会社と提携している動物病院に限られる点には注意しましょう。

ペット保険加入の注意点は?

将来の保険料に注意

ペット保険の多くは1~数年の短期契約で、その後は更新し継続していくタイプが多くなっています。更新時点の年齢で保険料が再計算されるため、更新のたびに保険料が上昇していく可能性があります。

申し込み時点では安かった保険料負担も、将来的には重くなるかもしれません。長生きする前提で、ペット保険の生涯保険料を計算してみるとよいでしょう。

免責事項に注意

すべての診療が保険金の支払いになるわけではなく、保険金の支払い対象外となる免責事項が設定されている可能性があります。保険金支払い対象になる診療や、支払われる保険金額の上限などに注意しましょう。

特に申し込み時点で健康体であることを条件としているペット保険もあり、病歴のある傷病は保険金が支払われない契約(特定傷病除外特約の付帯など)となる可能性があります。

また、正確な告知が義務付けられており、虚偽の告知を行うと保険金が出なかったり保険契約の解除などのペナルティが発生する可能性があります。正直に告知しましょう。

加入前に補償内容をしっかり確認

大切な家族であるペットの治療を、お金の問題で簡単にあきらめられる方は少ないでしょう。今後、ペット保険が果たす役割はますます大きくなっていくと思われます。

ペットの保険も人間の保険と同様、契約前に内容をしっかり確認することが大切です。免責事項などの注意点を把握し、後悔しない選択をしましょう。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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