区分所有マンションに必ずあるのが、管理組合です。マンションを購入すれば、管理組合との付き合いは避けて通れません。管理組合はどのような業務を行っていて、管理会社とはどう違うのでしょうか。

管理組合の設立は法律で決まっている

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(画像=Proxima Studio/Shutterstock.com)

区分所有マンションでは、管理組合を設立することが「区分所有法」で定められています。マンションを購入すると区分所有者になるため、必ず管理組合に加入しなければなりません。建物には自分が所有する部屋のほかにも、廊下やエレベーターホール、集会室など共同で管理する部分があるからです。

単一オーナーによる賃貸マンションは区分所有者が存在しないため、管理組合を設立する必要はありません。

管理組合の業務内容

管理組合の活動の中心は、建物の維持・管理です。建物の点検、管理、補修工事、管理費・修繕積立金の徴収と運用、総会・理事会の開催や長期修繕計画の作成などの業務を行います。

本来は管理組合がこれらの業務を行うことになっていますが、実際には仕事を持っている役員が多く、専門的な知識を必要とする業務もあるため、大規模なマンションでは外部に委託するのが一般的です。

管理組合と管理会社の違い

管理組合から委託されて、維持・管理業務を代行するのが管理会社です。初めてマンションを購入する人の中には、マンションは管理会社が管理するものと思っている人もいるでしょう。マンションの管理方法には、「全部委託」「一部委託」「自主管理」があります。小規模マンションでは管理組合が自主管理するケースもあり、管理会社が管理するとは限らないのです。

「全部委託」の管理会社が行う業務は、主に以下の4つです。

・事務管理業務
管理組合の会計や、管理費・修繕積立金の収納、督促など。

・管理員業務
受付業務、点検業務、立会業務、報告連絡業務など。管理員は夫婦で雇用されることが多く、マンション内に居住用の部屋が与えられているケースもあります。

・清掃業務
見かけることが多い業務で、管理員が清掃員とともに建物周囲のゴミ拾いや、建物内部の掃き掃除、拭き掃除、ゴミ回収日のゴミ置き場の点検などを行います。

・建物、設備管理業務
定期的な建物の点検、検査、防火設備・建築設備・給水設備・排水設備の点検、検査など。

・その他の業務
管理組合総会の支援業務として、総会資料の作成なども行います。

管理組合と管理会社は仕事の「発注者」と「受注者」の関係にあり、管理会社は支援や助言は行いますが、物事の最終的な決定は管理組合が総会によって下すことになります。

管理組合とオーナーの関係は?

マンションを購入すると、すべてのオーナー(区分所有者)が管理組合員になりますが、実際に維持・管理のために活動する役員はどのようにして選ばれるのでしょうか。

管理組合の役員は、原則としては「居住者」の中から選ばれます。1~2年単位の輪番制を採用しているマンションが多いですが、立候補と推薦を併用しているマンションもあります。

かつては管理組合役員は原則的に居住者から選び、部屋を賃貸して自分は外部に居住しているオーナーは役員になれませんでしたが、役員のなり手不足が多いケースがあり、非居住のオーナーも取り組むことができるように、平成23年7月27日以降に公表されたマンション標準管理規約からは、役員の資格要件が「現に居住する組合員」から「組合員のうちから」選出することに緩和されました。

賃借人については組合員ではないため、役員になる義務はありませんが、場合によっては、その他の組合員の負担が多くなるため、不公平を訴える居住者もいます。
そのため、役員に報酬を支払っている管理組合も少なからず存在します。国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によると、役員に報酬を支払っているマンションは全体の23.1%です。高齢化が進み、役員になる人が少ない状況を考えると、今後この動きは拡大していく可能性があります。

同じ調査でマンションへの永住意識を調査したところ、62.8%の人が「永住するつもりである」と回答しました。縁あってオーナーになった物件であれば、物件の価値や入居者が住みやすい環境を維持できるように、可能ならば役員として立候補し、活動することも一考の価値ありかもしれません。(提供:Dear Reicious Online


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