ネット銀行は、ATM利用手数料などが安く、スマホで取引を完結できるなど利便性が良いことから、近年ではすっかり一般的になっています。「そろそろネット銀行で口座開設をしようかな」と思いながらも、「書類のやりとりはどうしたらいいの?」「セキュリティが心配」など、さまざまな不安があってなかなか実行できないという人もいるのでは。ここでは、ネット銀行初心者も安心できるよう、口座開設するときの流れや注意点について解説します。

ネット銀行のメリットとは

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(画像=PIXTA)

ネット銀行とは、従来の銀行のような対面の店舗を持たず、インターネット上での取引を中心として営業している銀行です。とはいえ中には、セブン銀行のように店舗を保有しているネット銀行もあります。

多くのネット銀行が店舗を持たないため、窓口での相談がしにくいデメリットはありますが、逆に待ち時間がなく自分の好きなタイミングで口座開設や取引をすることができます。

また、人件費や店舗管理費がカットされているぶん各種手数料がリーズナブルであったり、残高照会や振込が簡単にスマホやPCで操作できたりする手軽さが魅力です。

さらにネット銀行は金利面でも人気で、たとえば普通預金の金利が年0.2%までアップできるところもあるなど、従来の銀行に比べて高金利な傾向があります。

住宅ローンも人気だがデメリットも

そのほかネット銀行は住宅ローン商品も人気で、審査が厳しい分、低金利で保証料や繰り上げ返済手数料も無料になるなど、無駄なコストをカットできるうえに実用的です。とはいえ、つなぎ融資が利用できない場合があることや、書類をすべて自分で手配しなければならないなど、ネット上のやりとりだからこそのデメリットもきちんと理解することが重要です。

ネット銀行は、こういったメリット・デメリットをきちんと理解したうえで利用すれば、生活口座や預貯金用の口座としてお得に資金管理ができるおすすめの金融機関です。

ネット銀行が向いている人とそうでない人

インターネットの利用に慣れているか

ネット銀行では、振込などの取引をすべてネット上で完結できます。その際、特に銀行アプリのセキュリティは強固でなくてはならないため、ワンタイムパスワードの入力など特殊な操作が必要となります。操作自体はシンプルで簡単なものですが、こういったインターネット上の操作に慣れていないと少し不便に感じるかもしれません。

窓口対応を重視するかどうか

また、店舗がないため、現金を出し入れする際には他行のATMやコンビニATMを利用します。手数料は比較的リーズナブルなので、ATM利用手数料などを節約したい人にはぴったりですが、ATMの操作に不安があるなど、窓口にて対人で対応してほしいという人には、ネット銀行は不向きです。

通帳が必要かどうか

さらに、通帳での預金管理に慣れている人は、通帳が発行されないことを不安に感じる人もいるでしょう。ネット銀行では、WEBサイトやスマホアプリの情報が通帳代わりとなるため、基本的に通帳が発行されません。アプリやWEB上でも、過去にさかのぼって取引履歴を確認できるので、通帳と同様、むしろ繰り越しなどの必要がないぶんそれ以上に便利なのですが、それでも紙のほうが扱いやすいという人ももちろんいるでしょう。

つまり、手数料などのコストを抑えて、手軽に振込や残高照会などがしたいという人にはネット銀行がぴったりです。一方、通帳でお金を管理したい人や対面での相談を重視する人にはネット銀行は不向きかもしれません。

ネット銀行で口座開設するときの流れ

ネット銀行で口座開設をする場合、まずは銀行の公式サイトから口座開設のフォームを開き、必要書類や開設の条件を満たしているかなどを確認します。住所や勤務先などの個人情報を入力し、本人確認書類として運転免許証などを写真で添付するか、銀行によっては後から郵送にて書類でやりとりすることも可能です。

多くのネット銀行では、申し込み完了から約1~2週間でキャッシュカードが手元に届き、口座開設が完了となります。また、連携アプリなどを利用することで、より便利に振込や残高確認などが行えるほか、デビット機能付きのキャッシュカードを発行することも可能です。

口座開設を断られるのはどんなとき?

ネット銀行ではない従来型の銀行で新規口座を開設する際、自宅や勤務先に近い銀行で開設するのが一般的です。ここで、「ネット銀行なら自宅や勤務先の住所も関係ないし、申し込めば誰でも口座を開設できるだろう」と甘く考えてはいけません。

ネット銀行は、インターネットという特性上、便利な反面、犯罪行為などの不正防止のためセキュリティ面においては非常に厳しく管理されています。そのため、一般的な銀行よりもローン審査や年齢制限が厳しいケースも。

また、ネット銀行で口座開設を断られる理由としては、書類の不備・不正が発覚した場合のほか、預金口座の使用目的が法令や公序良俗に反する行為に利用される可能性があると判断される場合、そのほか年齢条件が満たされていない場合などが挙げられます。

ちなみに、高校生などの未成年がネット銀行で口座開設しようとする場合、親権者の同意書が必要なことが多く、 銀行によってその基準が異なるため、かならず事前に確認しましょう。

ネット銀行でスマートな資金管理を目指そう

「ネットで大切なお金を管理するのはちょっと不安」という人も多いと思いますが、いまやネット銀行はその利便性の高さや金利の良さからどんどんユーザーも増えており、それにともなってセキュリティ面も日々進化しています。

日頃のATM手数料や振込手数料など、ちょっとした負担を痛手に感じている人や、「いつでもどこでも残高確認や振込ができたらいいのに」と感じている人は、いつもの生活口座をネット銀行に移してみることで改善できることがあるかもしれません。

文・木村茉衣(ファイナンシャル・プランナー)/fuelle

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