「生命保険は何を選べば良いのか分からない」そう思われている方が多いのではないでしょうか。家族構成や年齢、家計の収支や資産によってフィットする保険は違うので、周りの友人に聞いてもなかなか正解にはたどり着けません。今回は、ライフステージ別に検討したい生命保険をファイナンシャルプランナーの著者がご紹介いたします。

生命保険はライフステージ別に選ぶべき

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(画像=Monster Ztudio/Shutterstock.com)

ライフステージとは、進学、就職、結婚、出産、老後など人生の様々な節目で区分した段階のことです。それぞれのライフステージでは、抱えるリスクの内容や大きさが異なることから、生命保険に加入する際は、ライフステージを意識して選ぶと良いでしょう。

ライフステージには、家族構成別に分けると独身期、夫婦2人期、ファミリー期の3つのステージがあります。さらに、それぞれを年代別に分けると、独身期は就職したばかりの20代と生涯独身を決意した40代以降の2つ、夫婦2人のケースでは20代~30代の新婚、子どものいない40代、子どもが独立した後の40代~50代夫婦の3つの年齢層に分けて考えます。

自分自身が今、どのライフステージなのか、数年後にはどのライフステージに進む予定なのかをイメージしながら、保険選びをしていきましょう。

生命保険(死亡保障)の種類と特徴について

まずは、基本的な生命保険の種類とそれぞれの特徴を押さえましょう。死亡保障をメイン保障とした生命保険は「定期保険」「終身保険」の2つです。

定期保険は、定期券のイメージで

定期保険は、保険期間内に死亡・高度障害状態になった場合に、契約時の保険金が支払われるもので、保険期間の途中で解約しても解約金のない、いわゆる「掛け捨て」の保険になります。保険期間を1日でも過ぎれば、保障はなくなってしまいますので、電車やバスの定期券と同じように考えると分かりやすいですよ。

掛け捨てなので、安くて多くの保障が得られるのが特徴です。ただし、保険期間の更新時には保険料が高くなる(更新時の年齢で計算されるため)、更新できる年齢に制限があるなどの理由から20代~40代の若年期や、保障が一定期間だけ必要という時に選ぶ保険と言えます。

保障が一生涯の終身保険

長寿化に伴い、保険期間の制限がない終身保険のニーズが増えてきました。保障が一生涯続くので、保険期間が決まっている定期保険とは異なり、保険金を必ず家族に遺すことができるので「払い損」はありません。また、解約した場合は経過期間に応じた「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」(解約した時に返ってくるお金)があるのが特徴です。

保障が一生涯なのに対し、保険料を支払う期間(保険料払込期間)は、契約時に選ぶことができます。保険料払込期間は、10年・15年などの短期間(短期払い)、保険を続ける限り支払う終身払い、全期間分の保険料をまとめて支払う「全期前納」や「一時払い」という方法もあります。保険料払込期間が短ければ短いほど、毎月の保険料の支払いは高くなりますが、早く支払が終わるというメリットもあります。

契約して早期に解約すると、支払った保険料に対する解約返戻金の割合は少なくなりますが、保険料払込期間を超えると、支払った保険料かそれ以上の解約返戻金を受け取ることができる商品が多いので、老後などの長期資金を準備する手段としても活用できます。

病気やけがに備える医療系保険

病気やけがに備える保険には、病気やけがで入院、手術した時に給付金がもらえる医療保険だけではありません。厚生労働省「患者調査の概況(2017)」によると、平均在院日数は29.3日となっており、入院日数は年々減ってきています。こういった状況を踏まえて、入院・手術に備えるだけでなく、在宅療養などの「働けないリスク」に備える保険として「就業不能保険(所得補償保険)」も取り扱う保険会社が増えてきました。病気やけがを理由に、所定の状態になった場合に契約時に定められた給付金がお給料のように毎月支払われます。病後の社会復帰までに時間がかかる際は、生活費の補てんとして役立つ保険です。

また、前述の調査より、がんの入院患者数は「精神及び行動の障害」、「循環器系の疾患」に続いて3番目に多くなっています。厚生労働省「国民生活基礎調査(2016)」によれば、がんで通院している人のうち2.9人に1人は仕事を持っていることから、がんは働きながら治す病気であることが分かります。がんも保険で手厚く備えると良いですね。

がん保険には、がんでの入院・手術のほかに、がんと診断された時に給付される「診断一時金」、放射線治療やホルモン剤治療を受けた時にもらえる給付金など、様々なオプションがあります。

医療系の保険は、日々進歩する医療技術に合わせて、新たな商品がどんどん開発販売されています。インターネットによる情報収集も良いですが、実際にいろいろな会社の商品から比較検討できる保険の相談窓口に出向いてみるもの一つの手です。

就職したてで独身。結婚も転職よりも『今』な人のための保険

就職したての20代で、貯蓄が充分にない独身者は医療保険を中心に考えましょう。30代以降に比べると、20代で入院する人数は少ないのですが、病気だけでなく、けがやストレスを起因とした病気など、いつどんなことが起きるかは分かりません。家計に無理のない手頃な保険料で、万が一のリスクをカバーする保険が良いですね。

月々5,000円以内の保険料でフルサポート(20代女性の場合)

チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムDX」

終身タイプの医療保険に、オプションとして「就業不能保障」が付けられるのが特徴です。その他にも保障を手厚くするオプションもあり、何といっても保険料が安いのが特徴です。

例えば、入院日額5,000円、手術5万円、退院後通院特約日額5,000円、3大疾病診断給付金特約50万円、入院一時金特約10万円、ストレス性疾病保障付就業不能保障特約月額10万円、先進医療特約、3大疾病保険料払込免除特約、これだけたくさんの保障が付いて、月々の保険料は5,000円以内に収まります(終身払いの場合)。

終身タイプなので、保険料が一生涯変わらないことも良いですね。今後、保障を追加していくことで、ライフステージの変化に対応していくことも可能です。20代のうちに、お手頃な保険料で足元を固めることができますよ。

「とりあえず」入っておきたい方に!ポイントも貯まって嬉しい保険

楽天生命「スーパー2000」

入院、けがの通院、がん、死亡の保障がセットになっていることが特徴の保険です。月々の保険料は、年齢や性別に関わらず、月々2,000円です。保障内容は年齢によって異なりますが、保険料の月々2,000円は変わりません。保険期間は1年で、65歳まで更新可能です。1年間入院しなければ、健康祝い金を受け取ることができるのも嬉しいポイントです。

20歳~39歳までの方なら月々2,000円の保険料で、入院日額6,000円、災害通院給付金(けがでの入院後の通院)日額2,000円、がん治療給付金1回20万円、死亡高度障害金100万円(事故の場合は200万円)の保障が付いています。

以上は1口2,000円あたりの内容ですが、最大3口(月々6,000円)まで加入することができます。「保障が少なくて、物足りない」という人にもぴったりです。

デメリットは、手術の際は給付金がないこと、年齢が上がると徐々に保障が減ってしまうことの2点が挙げられます。別の保険に加入することを検討するまでの「つなぎ」に加入したい人、とにかく保険料を押さえたい人向きの保険です。

また、楽天生命では、毎月の保険料の1%分の「楽天スーパーポイント」が付与される、お得なポイント制度があります。対象商品や所定の手続きなど条件があるので、事前に確認しておきましょう。

夫婦2人で賃貸暮らし。子どもも住宅購入もこれからな人のための保険

結婚式や新婚旅行、新生活のための大型出費が落ち着き、2人暮らしの家計収支も見えてくる頃。子どもがいない若年夫婦の場合、保障はそう多くは必要ありません。独身時に加入している保険に、死亡保障を足す程度で考えても良いでしょう。住宅購入、教育費……先々に向けての蓄えを増やしたい時の保険をご紹介します。

保険料を安く抑えたい人に

アクサダイレクト生命「定期保険2」

パートナーに万が一のことがあった場合、お葬式代や生活費の補てんとして準備する死亡保障です。保険期間は、10年か、55歳・60歳・65歳・70歳満了と5年刻みの年齢の中から選ぶことができ、掛け捨てになりますが保険料は安くなっています。

例えば、30歳の男性で保険金額1,000万円、保険期間10年の定期保険に加入した場合の保険料は月々1,050円です。家計に負担なく加入できそうです。共働き夫婦なら、死亡保障額は500万円程度あれば良いでしょう。

健康に自信がある人に

メットライフ生命「スーパー割引定期保険」

たばこを吸っていない、健康診断で指摘がない、など健康状態が良い「優良体」に該当した人は、保険料が割引になる保険です。30歳の男性で保険金額1,000万円、保険期間10年の定期保険に加入した場合、「非喫煙優良体」に該当した人の保険料は月々840円と、1,000円以内に収まります。健康に自信のある人に、ぴったりの保険です。

保険料の安さよりも内容重視の人に

ソニー生命「米ドル建終身保険(無配当)」、「米ドル建生前給付終身保険(生活保障型)」

一生涯の死亡保障を備えたい人が検討したい保険です。米ドル建ての保険なので、保険料の支払額や保険金の受取額は、為替相場の変動で左右されるデメリットもありますが、円の保険に比べて保険料が割安となります。

終身保険なので、解約した時には解約返戻金が返ってくることから、掛け捨てに抵抗がある人にもぴったりです。ソニー生命の同じような保険に、「米ドル建生前給付終身保険(生活保障型)」もありますが、死亡時だけではなく、障害状態(身体障害者手帳3級以上)や要介護状態(要介護2以上)、三大疾病(がん・脳卒中・心筋梗塞)で所定の状態になった場合でも、保険金が支払われるので、毎月の保険料は高くなっても、一生涯の保障、保険で資産形成も兼ね備えたい方は、この2つを検討してみてください。

ファミリー世帯。子育て現役な人にぴったりの保険

子どもが誕生した夫婦と子ひとりの3人ファミリー。独身、夫婦2人期を経て、守る家族が増えた時に、保険のカタチはどのように変わるのでしょうか。夫婦共働き、専業主婦(夫)、共働きだけどパートナーの扶養範囲内の2つのファミリーそれぞれに合った保険について見ていきましょう。

保障額は、住宅ローンの有無、加入している年金制度(国民年金か厚生年金か)で異なります。住宅ローンを抱えて(団信加入で万が一の時には、住宅ローンの債務が0円になる)、厚生年金に加入している場合、子どもが1人であれば、夫婦2人暮らしの保障額で考え、子どもが2人になった時に、追加の死亡保障を増やすと良いですよ。

子ども1人当たりの保障額は、子どもの教育費が子ども1人当たり1,500万円と言われているので、1,500万円と考えておきましょう。

共働き家庭は、死亡保障を手厚く

共働き家庭においては、万が一の際に夫婦のどちらかが家計を支えられることがメリットですが、「お互いの保険を知らない」ということもあります。「何とかなる」ではなく、夫婦で話し合っておくことが大切です。

死亡保障をしっかり備えたい共働き世帯には、SONPOひまわり生命の「じぶんと家族のお守り(無配当 無解約返戻金型収入保障保険)」を検討してみましょう。収入保障保険は、万が一の時に、お給料のように毎月一定額が保険金として支払われます。

健康状態によって保険料が割引となるため保険料が割安となること、オプションとして障害等級1級、2級と認定された場合に、一定額の年金が受け取れる就労不能年金やメンタル疾患や7大疾病により所定の状態になった時に受け取れる生活サポート年金の特約を追加できることが特徴です。夫婦それぞれで加入しておきましょう。

専業主婦(夫)&扶養内で働く主婦(夫)は、医療保障を重視で

会社員が仕事を休んだ場合は、有給休暇や傷病手当金などの制度を活用することができるので、全くの無給となるわけではありません。その一方で、専業主婦(夫)が病気になった場合には、主婦(夫)がしていた家事や育児を第三者に頼むこともあり、医療費に加えて家計費が高騰しがちです。

死亡保障だけでなく、生きるための保障を重視しておきましょう。また、治療が長期化しやすい三大疾病の保障を手厚くしておくと良いでしょう。がん、急性心筋梗塞、脳卒中の三大疾病をカバーするチューリッヒ生命の「三大疾病保険プレミアムDX」を検討リストに入れておきましょう。がんと診断された時、脳卒中や急性心筋梗塞を原因として初めて入院した以後の保険料は払込が免除される点がポイントです。保障期間は終身となっていますので、一生涯保障が続く安心もありますね。

チューリッヒ生命には、保険以外の嬉しい特典もあります。保険の契約者は、全国の提携施設の料金が優待価格となるのです。提携施設には、飲食店や映画館、ホテルやテーマパークなどがあります。お財布に嬉しい特典ですね。

40代、50代独身者のためのお一人さま保険

「友達が入院……」といったことが増えてくる年代かもしれません。結婚しないことも想定して、老後に自分で自分を助けられるような保険を準備しておきましょう。老後に大きな出費が必要となるイベントは介護です。

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2018年度)」によりますと、介護にかかった費用は、一時的な費用が69万円、月々かかった費用が7.8万円、介護期間が54.5ヵ月(4年7ヵ月)という結果になっています。つまり、介護にかかる総費用は約500万円(69万円+7.8万円×54.5ヵ月=494.1万円)となるのです。どのような保険でリスクに対応できるのでしょうか。

貯蓄を兼ね備えた介護保険 

アクサ生命の「ユニット・リンク介護保険(終身移行型)」

死亡、高度障害、所定の介護状態になった場合に、保険金が受け取れる変額保険です。終身保険ではありませんが、第1保険期間満了後に、終身保障へ移行することもできます。保険金としてお金を受け取るのではなく、積立金を年金形式で受け取ったり、解約して使ったりすることもでき、老後資金を貯めつつ、万が一の介護費用の準備もできる一石二鳥の保険です。

貯蓄部分は、世界株式や債券など様々な投資対象から運用対象を選ぶことができ、増える楽しみも味わえる一方で、運用実績によっては、積立金額が支払保険料を下回ることもあります。積極的に資産を増やしながら介護リスクに備えたい、という方に向いている保険です。「要介護2以上の認定を受けること」などで介護保険金が支払われます。

医療保険のオプションとして介護のリスクをカバー

三井住友海上あいおい生命の「&LIFE 新医療保険Aプレミア」

終身タイプの医療保険に、オプションの特約として介護保障を追加できます。要介護2以上の認定を受けるなど、条件に該当した場合、毎年年金を受け取れる「介護障害年金」と、介護障害年金の支払い事由に該当した時に1回のみ受け取れる「介護障害一時金」の2つの保障があります。介護障害年金は、5年間のみの5年確定年金か、一生涯受け取れる終身年金かの2パターンから選ぶことができます。

さらにオプションで、「認知症一時金」の保障を追加するができるなど、保障が充実しています。病気やけがでの入院や手術を保障する医療保険が主契約となり、がんや三大疾病の保障も特約で追加することができるので、老後の医療と介護のリスクを1つの保険でまとめられることがポイントです。

子育てを卒業した夫婦世帯にフィットする保険

子どもが独立し、第2の人生がスタートした50代、60代。年齢と共に、病院へ行くことは多くなるかもしれませんが、医療費の負担は70歳~74歳までは2割、75歳以上は1割(現役並み所得者を除く)となっており、家計における負担は多くはならないでしょう。また、同じ月内の医療費が自己負担額を超えた場合は、高額療養費が支給されるため、病気の保障は、保険ではなく貯蓄で対応していくと良いですよ。

退職金やまとまったお金を上手に活用して第2の人生に備える保険としては、マニュライフ生命「パワー・カレンシー(介護保障タイプ)」が考えられます。外貨(米ドルもしくは豪ドル)で資金を運用しつつ、所定の介護状態になった場合には、介護年金が一生涯支払われます。

保険料は一時払いのみとなっています。最初に契約通貨(米ドル・豪ドル)と介護保障期間(10年または90歳)を選択し、介護保障期間中に、要介護2以上と認定された場合は、介護年金が、もし介護保障期間中に要介護2以上とならなくても、介護保障期間が終われば、支払った保険料に応じた年金を一生涯受け取ることができます。為替レートによって、円に換算した時の受け取り年金額は保証がありませんが、契約時に適用される積立利率で運用されるため、ドルでの年金原資は最低保証があります。老後に向けて「殖やす」「備える」を考えたい50代、60代向けの保険です。

「お葬式代やちょっとした入院、手術に備えた保険もないと不安」という方は、医療保険や終身保険を検討してみましょう。50代、60代は保険の見直しをしようと思っても、持病などで希望通りに新たな保険へ加入できないこともあります。持病があっても入りやすい保険のことを「引受緩和型保険」と言い、アフラックが様々なラインナップを取り揃えていますよ。入院や手術は「ちゃんと応える医療保険EVER」、がんを経験した人のためのがん保険「生きるためのがん保険」、お葬式代は「かしこくそなえる終身保険」で、保険も年金から支払える程度の金額となっています。もちろん、健康に問題のない方は、通常の保険の方が保険料は安いので、保険担当の方と相談しながら決めてくださいね。

熟年離婚で独身生活を謳歌する予定の人のための保険

「熟年離婚」というワードも定着していますね。厚生労働省の「人口動態統計月報年計(2017)」によると同居期間が20年以上の離婚は38,285組で全体の18%と、意外と多いのが現状です。熟年離婚を考える上では、今後の生活設計をきちんと立てておく必要があります。

住まいの問題や、もらえる年金で生活していけるか、入院や介護の問題など、身の回りの整理をしておきたいところです。子どもがいる場合は、子どもに頼れることもあるかもしれませんが、独身同様、万が一の備えはコツコツ今から準備しておきましょう。

女性の一人暮らしの支出はどれくらいでしょうか。総務省「家計調査~家計収支編~(2018)」 によると、65歳以上の単身世帯の女性の月々の支出は約12万円です(住居費を除く)。居住費と合わせると、月々の生活費は約15万円必要になってきますが、もらえる老齢年金は、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(2018年度)」によると約10万8,000円が平均となっており、約5万円不足する計算になります。この不足分を補うためには、個人年金保険を検討しましょう。

「何がなんでも元本保証」という人にぴったり

住友生命の「たのしみワンダフル」を検討しましょう。月払い保険料が1万5,000円以上の契約の場合は、保険料割引制度が適用され、将来の受け取り率がアップします。40歳女性が毎月1万5,000円の保険料を60歳まで支払い(20年間)、65歳から年金を受け取る場合、年間に37.79万円を10年間受け取れ、支払総額360万円に対して受け取り総額は377万9,000円(約104.9%)となるので、銀行に預けて置くより良いですね。

ライフスタイルに合わせて自由設計できる保険

マニュライフ生命の「こだわり個人年金(外貨建)」を検討しましょう。外貨(米ドルもしくは豪ドル)の高金利で運用できる個人年金で、一般的に外貨建ての保険は、毎月の保険料が為替によって変動するのですが、「こだわり個人年金(外貨建)」は、円で一定額を支払うことができるので、支払いも安心です。

また、家計に合わせて、支払保険料を減額したり、保険料の支払いを止めたりすることもできます。就労の状況に合わせて、保険料の払込期間を延長できるなど、ライフプランに合わせて柔軟に変更できることがポイントです。外貨建てですので、円に比べて高金利での運用が可能ですが、為替リスクも伴う点に注意しましょう。

遺族年金などの社会保障も加味して、無駄なく入ろう

保険を考える上で、もうひとつ重要なポイントは、加入している社会保険の公的制度をよく知ることです。主に、「健康保険」と「年金保険」について内容を理解しておくと、保険に無駄なく加入できますよ。

健康保険の制度①傷病手当金

傷病手当金は会社を3日連続して休んだ後、4日目から支給される手当てです。業務外の病気やけがが対象となります。1日当たりの支給額は、「支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した金額÷30日×2/3」で計算することができます。「標準報酬月額」は、ざっくり総支給額の月給と考えると良いですよ。

傷病手当金がもらえる期間は、同一傷病につき最長1年6ヵ月で、条件を満たせば退職した後でも引き続きもらうことができます。ただし、国民健康保険の方は、傷病手当金の制度がありませんので注意してください。

健康保険の制度②高額療養費制度

医療費の家計負担を抑えるために、医療機関や薬局で支払う医療費が一定額(上限額)を超えた場合に、超えた金額が還付される制度です。上限額は、年齢と所得に応じて決まっており、70歳以上の人の上限額は年々上がっています。

しかし、年齢が70歳以上で、住民税非課税の世帯は、外来の1ヵ月の医療費の上限は8,000円(入院も含めた上限は2万4,600円もしくは1万5,000円)、年収が156万円~約370万円の場合でも1万4,000円(入院も含めた上限は5万7,600円)と、医療費は多くかかりません。

一方、69歳未満の世帯の場合は、所得によって医療費上限額が5段階に分かれていますが、年収約370万までの方は、ひと月の医療費上限は5万7,600円です。入院した場合は、医療費とは別に食事代やベッド代がかかりますが、こういった制度があることが分かれば、入院することに対して不安感は少しすくなくなるのではないでしょうか。

年金の制度①遺族年金

パートナーに万が一のことがあった場合にも、公的年金から給付があります。子ども(18歳になった年度の3月31日までの子)がいる場合には、「遺族基礎年金」が年間78万100円+子ども1人につき年間22万4,500円(3人目以降は1人につき7万4,800円)と、子ども1人で、年間約100万円程度の遺族年金が支給されます。

会社員で厚生年金に加入している場合は、さらに「遺族厚生年金」が支給され、金額は被保険者の収入や年金の加入期間などによりますが、最低限の生活費分程度は公的年金で補えます。加入している年金制度や、受給資格の有無を確認しておきましょう。

年金の制度②障害年金

病気やけがで障害状態となった場合に支給される年金です。障害等級によって、支給される年金額は異なりますが、「障害基礎年金」の1級に該当すると、年間約97万円、2級は年間約78万円です。さらに、会社員で厚生年金に加入している場合は、障害基礎年金に上乗せして「障害厚生年金」も支給されます。厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(2018年度)」によると、厚生年金保険加入者の障害年金の平均受給金額は、月々約9万7,000円となっています。

対象となる病気やけがには、手足の障害の他に、精神障害やがん、糖尿病などでも障害の状態によって、年金支給の対象となることがあります。申請しなければ、もらえませんので、知っておくと良いですね。

年金の制度③老齢年金

人生100年時代と言われ、寿命が延びたことで「老後」の期間は長くなっています。将来受け取れる年金額の試算をし、どれくらいの収入で生活するのか、イメージしておくと良いですよ。

前述の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(2018年度)」によると、厚生年金に加入している65歳以上男性の平均の年金受給額は、月々約17万2,000円、女性は月々約10万8,000円で、夫婦の場合の合計額は月々約28万円となります。

住宅ローンをいつまで支払うか、賃貸の場合は家賃をずっと払っていけるか、などを考えながら、不足額があるなら老後までに貯蓄が必要です。生命保険料も無理のない継続できる支払いにしておきたいですね。

生命保険は自分のステージに合わせて早めの検討を

ライフステージは10年を一区切りとして考え、加入している保険もその都度見直していきましょう。時代に合わせて保険商品も変わりますので、古い保険を持ち続けていても、いざという時に役に立たないこともあります。また社会保障制度も、老齢年金の支給年齢も見直しが検討されていたりするなど、自分を取り巻く環境は変化していきます。

あなたは今、どのライフステージにいますか? 自分のステージに必要なニーズに合わせて、保険も追加、変更、解約、減額など柔軟に対応していって下さいね。

*2020年1月27日時点の情報です。
*保険内容の詳細や給付内容については各保険会社へお問い合わせください。

文・冨士野喜子(ふじのFP事務所)/fuelle

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