投資には昔から伝わる格言や名言が数多くある。「分からぬときは休め」、「もう、は、まだ、なり」など、NISAやつみたてNISAなどで、初心者にこそ心に留めておきたい10個の言葉を紹介。投資に対する心構えや相場の見方の参考になるはずだ。

目次
1,「当たり屋につけ」
2,「遠くのものは避けよ」
3,「素人がプロに勝てるのは時間である」
4,「株を買うな 時を買え」
5,「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり
6,「備えあれば迷いなし」
7,「分からぬときは休め」
8,「全面高したあとの相場は怖い」
9,「知ったらしまい」
10,「二番底は黙って買え」

投資家の心構えを表す名言・格言5選 

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(画像=dizain/Shutterstock.com)

株式投資で利益を追求するために、投資家として常に意識しておくべき心構えがある。その心構えを端的に知るのに役に立つ言葉を紹介する。

1,「当たり屋につけ」――連戦連勝の「当たり屋」の投資手法を真似てみる

継続的に良い投資成績を上げている投資家や著名なアナリストの手法を真似てみると、良い結果が出る可能性が高い。米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏の「バリュー投資法」や、「ダウの犬投資法」が注目されるのも、この格言が示す投資の心構えと共通する。

投資初心者や、失敗続きでなかなか利益を出せない人が参考にするとよい格言。

2,「遠くのものは避けよ」――自分が愛用する商品やサービスを扱う銘柄を選ぶべき

2020年2月14日現在で3,700社以上もある上場会社の中から、初心者が投資対象となる銘柄を選別するのは至難の業。まったく馴染みのない企業の株を買うよりは、仕事や日常生活で見慣れた商品やサービスを扱う企業を投資対象に選んだほうが失敗は少ないという格言。

遠い立地にある企業だと、株式市場に流れる情報の真偽を確かめることが難しいという意味も含まれる。

3,「素人がプロに勝てるのは時間である」――投資で勝つコツはじっくり銘柄研究すること

完全歩合制のディーラーや投信のファンドマネジャーのようなプロの投資家は、投資成績を限られた時間の中であげなくてはいけない。

個人投資家が、このようなプロの投資家と同等、あるいはそれ以上のパフォーマンスを上げるには、絞り込んだ銘柄の会社説明会に出席したり、入念に企業分析をしたり、銘柄研究にじっくり時間をかける必要があることを示している。

4,「株を買うな 時を買え」――買うタイミングが重要

株を「買う=選ぶ」こと以上に、株を買う「タイミング」は重要であるという教え。

今後の株価上昇を見越して、短期的には「現在の社会のニーズにマッチした銘柄(時流に乗った銘柄)であるか」、あるいは中長期的には「将来的なソーシャルニーズの変化を織り込んだ経営戦略を立てているか」を見極めて、株を購入する必要がある。

天井値銘柄を買っても儲けは出ないことからもわかるように、購入のタイミングは大切であるという意味もある。

5,「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり――相場は自分の思い通りに動かない

相場の動きは、自分の予想どおりにはならないことを意味する格言。

株価が上昇トレンドにあり、「もう十分上がりきっただろう」と思った水準以上に株価が上がってしまったり、「まだ上がるかもしれない」と予想するとそれが天井圏であったり、その逆もしかり。値動きが予想とは逆になることは往々にしてあることを示す格言。

「もう」「まだ」と強く思った時こそ、相場が予想に反する危険性が高い。落ち着いて客観的に状況を判断したほうがよい。

相場の見方、売買のきっかけを理解できる名言・格言5選

テクニカル分析(過去の値動きのパターンから将来の値動きを予想する)や、ファンダメンタルズ分析(企業価値の分析、企業の財務分析)にもとづいて相場環境を分析し、最終的な投資判断を下す際に、以下のような格言が参考になることも多い。

6,「備えあれば迷いなし」――自分なりの相場観をしっかりもつ

投資する際には、自分なりの相場観(株式市場の現状や、今後の値動きの予想など)をもっておくべきであるという格言。

相場観があれば、保有する銘柄の値動きが不安定な時でも、あるいは他の銘柄が株価を上げていても、迷いや焦りに惑わされることなく、自分の投資判断に自信をもつことができる。この相場観をもつためには、投資対象の企業について、業績や財務内容などを、事前に自分の納得ゆくまで研究しておくことが前提だ。

7,「分からぬときは休め」――相場環境が不透明なときは、無理せず様子を見るべき

株式相場は、買う、売るだけでなく、休むことも重要な戦略であるという格言。「買うべし、売るべし、休むべし」という格言にも共通する教え。

相場環境が不透明、とりわけ相場が保ち合い局面でほとんど値動きがないような場合は判断が難しい。株価が上がるか、下がるか、どちらに動くかはっきりするまで、売買の判断をせず、静観するほうが無難である。

8,「全面高したあとの相場は怖い」――全面高のあとは下げ相場となるので注意する

相場が底入れし、相場全体が上昇基調に入ったとき、好内容銘柄に続いて、同業種、似通った銘柄の株価上昇、さらには無配株にまで買いが入るようになって全面高の様相になる。その後、相場を調整する銘柄が尽きることから、一気に下げ相場となるので十分注意する必要があることを意味する格言。

同様に、株価下落を喚起する格言に、「下げるときは一株でも下げる」、「山高ければ谷深し」などがある。

9,「知ったらしまい」――材料が出尽くしたら、いったん手仕舞いしたほうがよい

良い内容でも、悪い内容でも、情報が正式に公表された時点で材料出尽くしとして、そこで取引を終了したほうがよいとする格言。

「会社四季報」に今期業績予想が好調と掲載されると買いが進むが、決算発表が行われると、予想どおり決算が好調でも、材料出尽くしの状態となる。新製品の開発が見込まれて買われているような場合も、新製品の開発が企業から正式に発表された時点で材料出尽くしとなる。

このように、材料出尽くしとなったら、その後は株価が動かなくなるので、とりあえず手仕舞いしてその銘柄の取引を休んだほうがよい。

10,「二番底は黙って買え」――二番底になったら買いを入れるとよい

チャートを利用して、売買のタイミングを見計らう際に参考になる格言。

統計的に見て下降トレンドになる場合では、最初に安値を付ける「一番底」の後に、反発してから再度下落。そして一番底近辺まで株価が下がると、それが本当の安値「大底」になることが多い。

このことから、チャートで二番底を示したら、買い注文を出すとよいと考えられている。ただし、二番底後も三番底を示す場合もあり、二番底が大底にならないこともあるので、参考程度にとどめておくこと。

投資の格言とは 往年の投資家たちが生涯かけて培った投資の心得と究極の相場観

ベテランの投資家といえども、株式相場の予想を的中させることは難しい。ましてや投資の初心者ともなれば、銘柄選びから売買のタイミングまで、入念な調査や分析を行っても、経験値の低さから悩むことばかりだろう。

そんなときは、先人の残してくれた相場の格言を参考にするとよい。投資の心構えや相場の見方などを示す数々の名格言は、自信をもって投資判断を下す後押しをしてくれるはずだ。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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