文章とキーワードで「欲しい人」を呼び込む
一方、アフィリエイトでは、Google AdSenseと違い、アクセス数はそれほど重要ではない。
「大事なのは、商品を欲しがりそうな人を適切に呼び込む力です。アクセス数が少なくても、アクセスしてくれた人が商品を購入してくれればいいわけですから」
では、「呼び込む力」は、どうすれば高められるのか。
「何か悩みがある人が、それを解決しようと検索するときに使うキーワードを、記事の中にうまく組み込むことです。
例えば、飲食店の広告を掲載するのなら、結婚式の2次会に使える店を探すのに苦労している人がいるでしょうから、『結婚式』『2次会』というキーワードを組み込む。文章力も問われるところですね」
アフィリエイトでも、単価が報酬を大きく左右するのは同じだ。
「単価が高い商品のアフィリエイト広告を掲載する人は多いので、競争率が高く、キーワードや文章力で鎬を削ることになります。そこで戦うのも一つの手ですが、そこを避けて、単価が低くても、自分の好きなジャンルや得意分野の商品の広告をマイペースで掲載していくという手もあります」
なお、広告を掲載することに抵抗を感じる人もいるが、広告を掲載するのは閲覧者に対して親切なことだと染谷氏は言う。
「ブログに『こんな良い写真が撮れた』と書いただけで終わるよりも、『この写真を撮ったカメラは、ここをクリックした先で買えます』と示してあげたほうが、明らかに親切です。しかも、強制しているわけでなく、紹介するだけですから」
率直なリポートが役に立つ記事になる
関心を持ったら、あれこれ事前にノウハウを勉強するよりも、好きなテーマで記事を書き始めてしまおう、と染谷氏は勧める。
「800~1,000字程度の記事を、写真も数枚入れつつ、書いてみましょう。
語れる分野が特にない人は、自分が体験したいことを実際に始めて、実況リポートするのもお勧めです。ダイエットや英会話など、テーマは無限にあります」
コツは商品を過度に褒めないこと。欠点を感じたら、それも率直に書くことで、閲覧者にとって、より役に立つ記事になる。
「メーカーの商品説明より、実際に使った体験者の正直な意見のほうが、高い信頼性を持ちます。ただし、『○○には向かないが、○○には重宝する』というように、記事の最後はポジティブに締めましょう」
発信力が高まればキャリアにもプラスに
Google AdSenseとアフィリエイトに共通するメリットは、元手がほぼゼロであること。パソコン1台、在庫ナシでできる。
「ただし、Google AdSenseを始めるには、独自ドメインを取得し、レンタルサーバを借りる必要があります。アフィリエイトは無料ブログでもできますが、本格的にやるなら、同じく初期費用をかけたほうがいいでしょう。
とはいえ、ドメインもサーバも非常に安価で利用できます。年間1万5,000円程度あれば十分です」
好きな時間にできる点も、ビジネスパーソンの副業に最適だ。
「収入を得られるようになるまで、少なくとも半年ほどはかかるでしょう。その間は、発信することの楽しさを主目的に、気長に構えてください。続けているうちに発信力が上がれば、いずれ成果につながります。
発信力が身につけば、本業にも活かせるでしょうし、独立起業する場合にも役立ちます」
《取材・構成:林 加愛 写真撮影:長谷川博一》
《『THE21』2019年12月号より》
染谷昌利(そめや・まさとし)
〔株〕MASH代表取締役
1975年、埼玉県生まれ。会社員時代は人事畑を中心に活躍し、採用部門で2万人以上の面接を経験。並行して様々な副業に取り組み、2009年にネットの集客や収益化の専門家として独立。ブログ運営をはじめ、書籍の執筆・プロデュース、企業や自治体のアドバイザー、講演でも活躍。『今日からはじめて、月10万円稼ぐ アフィリエイトブログ入門講座』(鈴木太郎氏との共著、SBクリエイティブ)、『複業のトリセツ』(DMM PUBLISHING)他、著書多数。(『THE21オンライン』2019年12月19日 公開)
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