ペット保険は数多くの種類があるため、どれに加入すべきか迷ってしまう人も多いでしょう。

今回はオススメのペット保険の選び方や、押さえておきたい基礎知識、比較検討のポイントを解説します。また、ペット保険の活用事例やトラブルなども紹介するので、参考にしてみてください。

そもそもペット保険は必要なのか?

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「ペット保険は必要なの?」という意見を耳にすることがあります。結論からいうと、人間同様ペットも保険に加入していないと、治療費の負担が重くのしかかってきます。

特にペットの場合、人間とは違い、健康保険がありません。そのため、治療はすべて自費治療となり、全額自己負担となります。ちょっとしたケガでも数十万円の治療費がかかってしまうケースも少なくありません。

人間の1年はペットにとって4年に匹敵するともいわれています。また、ペットは人間のように症状を具体的に説明する術を持ちません。

病院へ行くのが遅れてしまうと、一気に症状が悪化し、命にかかわることすらあり得ます。ペット保険に加入しておくことで、ためらいなく動物病院に足を運べるようになり、治療の選択肢も広がるでしょう。

いざという時に備えて、ペット保険に加入しておくことをオススメします。

ペット保険のカバー範囲は?

ペット保険に加入していれば、ペットが病気やケガで治療を受けた時、治療費に応じて保険金を受け取れます。治療の種類には、通院・入院・手術などがあります。

ペット保険では、通院・入院・手術のすべてをカバーしているタイプと、入院・手術など一部をカバーしているタイプがあります。病気やケガの種類によって、必要な治療は違ってくるため、できればすべてカバーしているタイプのペット保険がオススメです。

ただし、高齢である場合、すべての治療をカバーしたペット保険への加入が難しい場合があります。そんな時は、入院・手術など補償範囲が限られたタイプのペット保険に加入するのがオススメです。

ペット保険の選び方

続いて、ペット保険を選ぶ時のポイントを解説します。

補償内容の比較ポイント

ペット保険の補償内容は、通院・入院・手術に分けられます。また、ペット保険では補償割合が設定されていることがほとんどです。補償割合は、50%・70%・100%などが一般的です。

人間の場合、健康保険があるため、窓口で支払う自己負担額は治療費の3割です。これと同様に考え、ペット保険でも補償割合70%のプランを選択する人が多い傾向があります。

補償割合が高くなるほど保険料も上がるため、家計に不安がある場合は50%を選択するとよいでしょう。ただし、万一病気やケガで治療費がかかった場合は、自己負担の金額が高くなります。保険料が安いことが一概に家計にやさしいというわけではないため、よく検討することが大切です。

通院・入院では、1日あたりの保険金の支払限度額と、保険金が支払われる支払限度日数が決められていることがほとんどです。手術の場合は、1回あたりの支払限度額と利用回数が決められています。

ペットの治療費は高額になるケースが多いので、通院・入院の1日あたりの支払限度額は、1万円超であれば安心です。支払限度日数は、20日程度が目安です。

手術の場合も、1回あたりの金額が10万円超であれば安心でしょう。手術の利用回数は2回が一般的です。

保険料の比較ポイント

ペット保険の保険料は、年齢とともに上がることが一般的です。そのため、現在の保険料だけでなく、将来にわたって支払う保険料の総額に注目することが大切です。

現在の保険料が割安でも、年齢が上がる度に保険料が極端に上がるようでは、結局トータルの保険料が高くなってしまいます。ペット保険を比較するうえで、保険料を割安に見せるため、極端な保険料設定をしているペット保険もあるため、注意しましょう。

いうまでもなく、保険金の請求事由が発生する確率は、年齢とともに上がります。ペット保険が必要なタイミングで、保険料が高すぎて保険を継続できないといったことにならないよう、将来の保険料をよく確認してから加入することをオススメします。

対応型がオススメ!窓口精算の可否

ペット保険を選ぶなら、窓口精算に対応しているタイプがオススメです。窓口精算に対応しているタイプのペット保険なら、人間が受診した時と同様に、補償割合に応じた窓口負担分を支払えばすみます。

たとえば、補償割合70%のプランで、1万円の通院治療を受けた場合、窓口で3,000円を支払うことになります。

一方、立替請求タイプのペット保険の場合、窓口で一旦治療費を全額支払う必要があります。そのうえで、後日補償割合に応じた保険金を請求しなければなりません。たとえば、補償割合70%のプランで1万円の通院治療を受けた場合、窓口で1万円支払ったうえで、後日7,000円を保険会社に請求します。

立替請求タイプのペット保険では、治療費を支払ってから保険金を受け取るまでに時差が発生するため、結局は手元に蓄えを用意しておかなければなりません。また、ペットの看病で忙しく、保険金の請求まで手が回らなかったという話もあるので、請求に関しては窓口精算タイプが断然オススメです。

あるとうれしいペット保険の付帯サービス

続いては、ペット保険に加入する時にぜひチェックしておきたいオススメの付帯サービスを2つ紹介します。

獣医師への相談

人間と違い、ペットの体調は外から見ていてもわかりにくく、判断に悩むことが多々あります。少し元気がないと思っていたら、実は重い病気を抱えていたというケースもあります。

そのため、獣医師に相談できるサービスは、ペット保険の付帯サービスの中でも特に優先したい項目です。

「動物病院に行くほどでもないかもしれない」「時間がなくて連れて行けない」といった場合も、獣医師に相談できれば、病院に行くかどうかの判断がつきます。ペットの様子に少しでも違和感を覚えたらすぐに相談できるため、ペットの健康増進にもつながります。

獣医師相談サービスには、電話相談やLINE相談などがあります。電話だと緊張してかけづらかったりしますが、LINEだと手軽に連絡できるため、より安心です。

迷子捜索サポート

大切なペットが迷子になってしまった時、どうやって探せばいいのか、どうやって専門家に依頼すればいいのか、悩む人も多いでしょう。迷子捜索サポートがペット保険に付いていると、いざという時も安心です。

迷子捜索サポートでは、迷子捜索を専門とするペット探偵が駆け付けてくれます。また、迷子捜索サポートマップ上での呼びかけや、地域の迷子捜索隊への依頼なども担ってくれます。

迷子捜索は、一刻を争うことがほとんどです。専門家を探したり、対応方法を確認したりする少しのタイムラグが、ペットとの別れにつながりかねません。迷子捜索サポートのあるペット保険を選び、いざという時は速やかに連絡しましょう。

ペット保険に加入する時は各種割引をチェック

ペット保険に加入するなら、各種割引もチェックしておきたいポイントです。

特に複数のペットを飼っているなら、多頭割引のあるペット保険がオススメです。多頭割引では、2頭目以降の保険料が割引されるため、全体の保険料がお得になります。

また、ペットのことを考えるなら、健康割増引があるペット保険もオススメです。通常は、ペットが病気もケガもせず治療費が発生しなかったら、金銭的なメリットは享受できません。しかし、健康割増引があるペット保険なら、治療費が発生しなかった場合も保険料の割引率が上がり、よりお得になります。

ペット保険で対象外になるのは?

ペット保険で補償の対象になるのは、あくまで病気やケガを治療するためにかかった費用です。

ワクチンや予防接種などの予防に関する費用は、補償の対象になりません。また、避妊・去勢手術や、アロマセラピー、トリミングなども対象外なので、注意しましょう。

ペット保険の活用事例を紹介!

続いては、ペット保険の活用事例を紹介します。

足をケガしてしまった柴犬のAくん(5歳)

通院(5日間)にかかった治療費 56,160円
入院(2日間)にかかった治療費 68,040円
治療費合計124,200円

幸いAくんはアニコムのペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」の70%プランに加入していたため、37,260円を窓口で支払うだけですみました。窓口精算なので請求の手間もなく、突然のケガでも安心して対応できたといいます。

ペット保険のトラブル事例に注意

続いて、ペット保険のトラブル事例をご紹介します。

まず、ペット保険に加入する際には告知が必要です。告知の際に既往歴など健康面の不安を正しく伝えておかないと、いざという時に保険金を受け取れないケースがあります。告知は正直に行うことが大切です。

また、ペット保険の商品によっては、年齢が上がったり病気・ケガの治療をしたりすると、保険を継続できなくなるケースがあります。ペット保険に加入する際には、更新の条件についてしっかり確認しておきましょう。

ペット保険に加入するタイミング

ペット保険には、新規加入の年齢制限が設けられていることがほとんどです。「まだ元気だから」とペット保険への加入を先送りしていると、加入できなくなってしまうケースもあります。元気なうちこそ、将来を見据えてペット保険に加入することが大切です。

アニコムでは、8歳以上の犬猫でも加入できる「どうぶつ健保しにあ」というプランが用意されています。ペット保険に未加入だと治療費は莫大な金額になることもあるため、補償範囲は入院・手術に限られますが、加入しておくことをオススメします。

高額になりがちな入院・手術だけでも保険金を受け取ることができれば、家計への負担は大きく軽減されるでしょう。

大切なペットと幸せに暮らすために

お金がないせいで治療の選択肢を狭めざるを得ないのは、非常につらいことです。人間と同じように、ペットもいずれは年をとります。今は元気に見えても、早めにペット保険に加入し、将来に備えておくことが、ペットのためになります。

家族の一員であるペットと長く幸せに暮らすため、ペット保険を賢く活用しましょう。

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