人と人との掛け算は時に奇跡を生む

コラボと言っても、いきなりお金が発生するものではなく、ちょっとしたボランティアや研究会など、ハードルを下げて始めてみるのもいいでしょう。そうして価値観を共にできる人と小さく始めて種をまいていくうちに、やがて芽が出て大きな花に育つ可能性もあります。人と人との掛け算は、時に想像を超えた奇跡を生むことさえあるのです。

私もクロネコキューブという謎解きイベント会社を経営する中で、かなり多くのコラボを経験してきました。時にはアーティスト、時には演者さんらとコラボする中で、いろいろな学びや発見がありました。この経験がなければ今の自分たちはなかったと言っても過言ではありません。

あなたも気になるあの人を誘って、早速動き出してみませんか?

名簿を一つにまとめるとご縁が資産に変わる

学校や所属する団体、会社などで、いろいろなタイミングで紙の名簿が配られることがあると思います。これらの複数の名簿から条件に合った人物を探そうと思うと、けっこう面倒です。

そんな時、「これまで出会った人物の関連情報が、すべて一つのデータベースに収まっていたらどれだけ便利だろう」などと思ったことはありませんか?

あなたがもし、人とのご縁やつながりを未来に向けた資産としてうまく活用したいのであれば、名簿は一つに統合することをお勧めします。

紙の名簿は、まずデジタル化する必要があります。デジタル化するには、紙の名簿をスキャナで読み取り、その後OCRソフトを使って文字情報をテキストデータにします。その上で、文字情報をエクセルで作った名簿に統合していく流れになります。

ちなみに、エクセルで名簿を作る際には、一番左に区分列をなるべく多く作っておくと、分類したり、条件抽出するのに使えて便利です。また、運用段階では備考欄に出会った人の特徴や印象、日付などをメモで残しておくと、後から思い出しやすくなります。その他、URL欄に、勤務先のURLに加えてFacebook のアカウントなどを記録しておくと、深く掘り下げてその人のことを知りたいと思った時に役立つのでお勧めです。

私自身もある時一念発起して、小学校から現在に至るまでのすべての名簿を、エクセルで作って一覧にとりまとめたことがあります。完成するまでかなり苦労しましたが、そのかいあって、今では仕事からプライベートまで、適宜適切な方を瞬時にリストアップできるようになって大変助かっています。

たとえば、東京の青山周辺でアポがあった場合に、エクセル名簿で「青山」とソートをかけると、その近隣で働く人がずらっと抽出され、せっかくだからあと一人、二人の顔を見ていこうかといった感じになり、ご縁や機会の幅もぐっと広がります。

身近な一期一会を大切に育めるよう、名簿は一つにまとめてデジタル管理しましょう。

岡田充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ〔株〕代表取締役
日本電信電話、プライスウォーターハウスクーパース、マーサージャパンを経て甲南エレクトロニクス〔株〕にマネジメントディレクターとして参画。事業再編、ブランド構築、プロセス改革、ワークスタイル改革、オフィス改革など、短期間に多くの改革を実行し、創業以来の最高益を達成。カナリア〔株〕に商号変更すると同時に代表取締役に就任し、無借金化を達成。その後、謎解きイベントの企画会社クロネコキューブ〔株〕を設立し代表取締役に就任、設立5年で西日本を代表する謎解きイベント会社に成長。また、多くの企業や団体でアドバイザーを務め、起業支援や若手人材の育成にも精力的に取り組む。趣味はトライアスロン、固定席を持たず走りながら働く独自のラン&ワークスタイルが注目を集めている。著書は7万部のベストセラー『超速パソコン仕事術』(かんき出版)ほか、『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)など全14冊。PRESIDENT WOMAN連載中。(『THE21オンライン』2019年12月25日 公開)

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