総務省統計局が発表した『住民基本台帳人口移動報告2019年(令和元年)結果』によると、2019年の人口移動は、市区町村間が約540万人、都道府県間が約257万人でした。

都道府県間の移動は前年比1.3%の増加で、東京圏などの大都市圏への移動が目立っています。就職などでの移動が多い20~24歳の男性の移動が多く、地方圏の過疎化・高齢化がますます深刻になっています。一方で東京圏を中心とした大都市部は、人口増加によって不動産投資先としての魅力がますます高まりそうです。

依然として東京圏への一極集中が激しくなっている

不動産投資
(画像=apiguide/Shutterstock.com)

転入者数から転出者数を引いた転入超過数を見ると、3大都市圏全体では約12万9,669人でした。しかしエリア別に見ると、実は転入超過になっているのは東京圏だけで、14万8,783人の転入超過。2018年に比べて8,915人増えています。東京圏への一極集中がますます激しくなっていることがわかります。

それに対して、名古屋圏は1万5,017人の転出超過で、前年比で7,641人転出が増えています。大阪圏は4,097人の転出超過で、こちらは前年より5,341人転出が減っています。

大阪圏の転出超過には歯止めがかかりつつある

過去5年の推移を見ると、東京圏は2013年に8万9,786人の転入超過だったのが、2019年は14万5,576人の転入超過と50.8%も増えています。

名古屋圏は、2013年はわずか147人の転出超過でしたが、2019年は1万1,515人と転出超過が加速しています。

大阪圏に関しては、2013年は6,591人の転出超過で、2014年に1万1,722人に増えたものの、2015年以降は減り始め、2019年に転出超過は3,857人まで減少しました。大阪圏は、インバウンド需要や2025年に予定されている大阪万博、IR(統合リゾート)の有力地となっていることなどで、転出に歯止めがかかりつつあるようです。

東京圏はすべて転入超過だが神奈川県の増加が目立つ

都道府県別に見ると、転入超過によって人口が増えているのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、福岡県、滋賀県、沖縄県の8都府県でした。

前年に比べて転出超過が最も増えたのは神奈川県の6,126人で、沖縄県は前年までの転出超過から、初めて転入超過に転じました。沖縄県では2019年に初めて年間の観光客が1,000万人を超え、ホテルやレジャー施設が活気づいているほか、マンションの建設も増加して、不動産価格は本土並みになっています。

残りの39道府県は、転出超過となっています。転出超過数が最も多かったのは、広島県の1,961人でした。注目すべきは、愛知県が前年の転入超過から転出超過に転じたことです。

転入超過数が最も多かったのは東京都区部6.4万人

市区町村単位で見ると、全国1,719市町村のうち転入超過は450市町村で、全体の26.2%でした。転出超過は1,269市町村で、全国の4分の1の市町村への人口集中が進んでいることがわかります。

転入超過となった市町村の大半は、東京圏に集中しています。最も転入超過が多かったのは東京都特別区の約6.4万人で、2位は大阪市でしたが、3位にはさいたま市が入り、以下横浜市、川崎市と続きます。ベスト5のうち、4都市が東京圏なのです。

ベスト20まで見てみると、2位の大阪市、6位の札幌市、7位の福岡市、12位の名古屋市以外はすべて東京圏の都市でした。

これからの不動産投資を考えるなら東京23区や大阪市など

転入超過によって人口が増えれば、それだけ経済が活性化し、土地・建物などの不動産価格が上昇することで資産価値が高まります。これからの不動産投資の考えるのであれば、何より転入超過の著しい東京圏、特に東京都特別区やその周辺が最有力候補になるでしょう。そのほかでは、大阪市や名古屋市、札幌市、福岡市などの地方都市ということになりそうです。(提供:YANUSY

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