世界の富裕層を惹きつけてやまないトルコ、そしてペルシャの絨毯。ひと織りひと織り、職人の手により織りなされるその美しさは、100年を超えて保たれるものです。美術品ともいうべき絨毯の実物を、実際に見て触れて体感できるイベントが、J PRIMEの主催で開催されました。そこで見たシルクロード芸術の奥深さをレポートします。

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(画像=J PRIME編集部)

イスラム世界へ誘う日本最大のモスクへ

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東洋一美しいモスクとも言われる東京ジャーミィ(画像=J PRIME編集部)

2020年2月1日、2日に「魅惑のジャーミイとシルクロード美術絨毯展 絨毯博覧会」が開催されました。会場は、代々木上原駅近くにある日本最大のモスク「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」。併設する神聖なモスクは伝統的なオスマン・トルコ様式で建築されており、日本にいながら精緻で美しいイスラム芸術を堪能できるスポットとして知られています。

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(画像=J PRIME編集部)
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モスク内部。ステンドグラスが並び、流麗なカリグラフィがふちどる(画像=J PRIME編集部)

モスクに一歩足を踏み入れると、美麗な礼拝堂と色彩豊かで圧巻のステンドグラスの数々に目を奪われます。とりわけ礼拝堂のドーム型天井には、幾何学文様や植物文様、アラビア文字のカリグラフィなどが随所に施されており、イスラム文化の魅力と奥深さを感じることができます。

卓越した技と厳選素材でイスラム世界を表現したトルコ絨毯とペルシャ絨毯

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その仕上がりはもはや美術品。トルコとペルシャ絨毯の逸品が展示された(画像=J PRIME編集部)

博覧会で展示されたのは、トルコ産のトルコ絨毯とイラン産のペルシャ絨毯。それぞれの絨毯の違いは「結び」にあります。縦糸2本に色糸を結んだ「二重結び」で織られているトルコ絨毯は、使えば使うほど結び目が締まるため丈夫で長持ちします。それに対し、ペルシャ絨毯は糸1本に色糸を結んだ「一重結び」で織られていることから、細かく複雑な文様を表すことができます。

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(画像=J PRIME編集部)
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当日展示された美しい絨毯の数々。多彩な文様とデザインの豊富さに驚かされる(画像=J PRIME編集部)

素材は主に羊毛、綿、シルクで構成されています。羊毛は、コルクウール、マンチェスターウール、キャメルウールなど、さまざまな品種の羊からとられていることが一般的です。また、絨毯の最大の特長である模様は、幾何学的なモチーフが多く、モスクをイメージしたものや唐草模様、薔薇などの花模様、鳥や魚など多岐にわたります。通常、製造から100年以上経ったものは「アンティーク」、50年以上経ったものは「オールド」と呼ばれ、時を重ねるごとに色合いの落ち着きが増し、深い味わいを醸し出します。

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イランの著名工房「ラジャビアン」の家宝の絨毯(絹100%、約106 x 154cm)。色鮮で繊細な楽園図文様が美しい。価格は2200万円を超えるまさに芸術品を購入できる(画像=J PRIME編集部)
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ペルシャ絨毯 イーラム(毛100%、約134 x 200cm)。多色使いの花柄文様は、イスラム文化らしいデザイン。価格330万円(画像=J PRIME編集部)
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トルコヘレケ絨毯「エルトゥールル号130周年」(絹100%、約182 x 254cm)。日本とトルコの友好を記念して制作された特別な作品「海の色を思わせる深い青、波を表現したやわらかい曲線」が特徴。価格1,100万円(画像=J PRIME編集部)

ハンドメイドで作られる絨毯は、方眼紙に描かれたデザイン設計図をもとに織り上げられます。非常に精密な作業を要するため、熟練した職人であってもわずかしか織り進めることができないことから、一般的な2m×3mのサイズで完成まで1,000日以上掛かることも珍しくありません。絨毯の製造は、もともと遊牧民の女性の仕事だったことから、現在もおもに女性の職人が工房で製造にあたっています。

今回は、国の財産と認められたイラン政府公認の唯一の工房であり、ペルシャ絨毯の最高峰「ラジャビアン工房」や、 一平方センチメートルあたり100を超える結び目が織りなす絵画のように繊細な模様で知られる「トルコヘレケ・コルハン工房」が手掛けた絨毯の数々が展示されました。いずれも芸術品と謳われるだけあり、艶やかな美しさに息を呑みます。

触れるからこそ理解できる、本物ならではの質感

会場には多彩な文様の絨毯が並べられ、その美しさを間近で体感することができます。絵画のような表現の素晴らしさはもとより、光の当たり具合によって輝きや表情が変わるのも見どころ。これは実物を直接目にしないとわからない魅力のひとつです。また、手で触って、その肌触りを確かめることも可能です。視覚で美しさを堪能する楽しさもさることながら、触ることで、その価値の高さを実感できます。

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(画像=J PRIME編集部)
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光の当たり方によって輝きや色彩が変わる美術絨毯(画像=J PRIME編集部)

膨大な手間と高い技術が求められることから、大型の絨毯には同レベルの職人技術を持つ人が一定数必要で、高価なものがほとんどです。展示品のなかには、ラジャビアン工房の家宝と賞される、2,000万円を超える絨毯も。製造元から買い戻したいと言われているほどの名品もお目見えしました。

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(画像=J PRIME編集部)
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当日開催された手織りの実演。色とりどりの羊毛は、設計図をもとに完成サイズにあわせ、制作開始時にすべてのぶんを確保しておくという。実際に体験し、絨毯職人の技術力に驚く(画像=J PRIME編集部)

さらに、イベントでは実物の織機が展示され、手織りの実演も行われました。さらに、来場者も手織りを体験できる貴重な機会とあって、参加された皆様からは「手織りにとても長い時間が掛かることに納得できた」という声も聞かれました。また、担当員のよる丁寧なアテンドと説明により、絨毯をはじめイスラム世界への理解が深まったという感想も多数寄せられました。お客様の中には、絨毯を敷かれたい部屋の家具や壁の色がわかる写真を持参され、担当者と相談される方もいらっしゃいました。

J PRIME会員だからこそ過ごせる唯一無二の時間

トルコとペルシャ、そしてシルクロードの国々で制作された手織り絨毯を揃えた今回のイベント。美術工芸品としての価値を理解できることはもちろん、国や文化、歴史などの背景まで知ることができる充実の内容となりました。東京ジャーミイという特別な空間で時間を過ごせるまたとない機会に、来場された皆様の満足度も高かったようです。J PRIMEならではの特別な体験。今後開催するイベントにもぜひご注目ください。(提供:JPRIME


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