老後の資金準備や年金の不安から毎月積み立てなどで貯金をしている人も多いと思います。貯金の額がある程度大きくなってくると、次に考えるのは貯まったお金で資産運用をするかどうかではないでしょうか。一口に資産運用と言っても、金融商品は数多くあります。今回はその中でも初めて投資しようとする人におすすめの商品を3つご紹介します。

資産運用は貯金が100万円を超えてから

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(画像=PIXTA)

いざという時の貯金の大切さ

投資・資産運用を始める前にまず準備したいのが、最低限の貯金です。例えば、株などで投資する場合、右肩上がりに価格が上がっていればいいですが、上がることがあれば下がることもあります。もし急にお金が必要になった時、持っている株が値下がりしていたら売りにくいですし、損をするのは誰でも嫌ですよね。また、投資商品の中にはそもそも一定期間現金にできないものもあります。

人生では何が急に起こるかわかりませんので、最低でも3ヵ月から6ヵ月分の生活費、額にすると100万円程度は貯金として持っておきましょう。いつでも使えて元本割れしない貯金は、いざという時のためのお金としては最適です。

資産運用をしてみるメリットは?

資産運用のメリットはお金を増やすこと以外にもあります。中でも大きいのは、資産運用を考えていく中で将来のライフプランが明確になっていくことです。

将来やりたいことは人それぞれですが、いつまでにそれぞれの出来事にいくら用意するのか、それは絶対減らせないのか、それとも金額が上下してもいいのかなど、いろいろ考えてみましょう。今後の人生でどれだけお金がかかりそうで、今どれだけ投資すればいいのかが見えてきます。将来必要なお金が漠然としすぎて、ただ闇雲に貯金を続けるのと比べると、将来の不安も軽減されますし今の生活にも余裕が生まれてくるでしょう。

また、老後のためにも資産運用を30代40代の頃に経験しておくことはとても大切です。それまで投資をしたことがない人が退職金で初めて投資に手を出し、老後資金を大きく減らしてしまうのは一番避けたいことです。まだ損失が勉強代と言える現役の間に、投資商品を売るタイミングの難しさや利益を出すことの大変さを経験しておくのもいいでしょう。

初めての投資におすすめの商品3つ

個人向け国債

「国債」というのは国が発行する債券のことで、その国債を個人でも購入できるようにしたのが「個人向け国債」です。2020年2月現在の利率は0.05%と、銀行の定期預金より少しいい程度ですが、1万円から購入でき、発行後1年以上経過すると途中で換金もできるので、貯金から投資を始める最初の1つとしてはとても買いやすい商品です。

インデックスファンド

投資信託の中には、日経平均株価やTOPIXなどの「株価指数」と同じような動きをするように作られた「インデックスファンド」と、株価指数を上回る利益を狙う「アクティブファンド」があります。アクティブファンドの方が利益が出そうですが、必ず株価指数を上回るとは限りませんし、数も多いので選ぶのが大変です。

インデックスファンドの方は株価指数と同じ動きをするため、ニュースなどで現在の指数を確認しやすくなっています。また、一般的にアクティブファンドより保有する時にかかるコストが低いので、初心者にはおすすめの投資信託となっています。

外貨建てMMF

少しハードルは上がりますが、日本の商品だけでなく国外の商品にも資産を分散したい人は、「外貨建てMMF」がおすすめです。この商品は外貨で運用する外貨建ての投資信託で、投資対象は安全性の高い優良企業の社債や国債です。

国外の商品というと外貨預金が有名ですが、外貨預金に比べ、手数料が安く、実績により高い利回りが期待できるというメリットがあります。また、少ない金額から始めることができるので、初心者の方が最初に海外の資産に投資するのに適しています。

証券会社に口座を開設してみよう

株や投資信託などで取引を始める場合、証券会社に証券口座を開設する必要があります。投資初心者であれば手数料が安く提供されるサービスも豊富なネット証券がおすすめです。

ネット証券で口座を開設するには、証券会社のホームページに行き、サイトの口座開設の申し込み手順にしたがって手続きを行いましょう。口座開設書類が送られてきたら必要事項を記入し、本人確認書類などの書類を添えて返送します。手順通りに手続きをすれば簡単に口座を開設できますが、初心者の方が迷うのは開設する口座の種類でしょう。

証券口座には特定口座と一般口座があります。特定口座では証券会社が1年間の取引を計算し、その内容をまとめた「年間取引報告書」を作成してくれますが、一般口座ではそれらすべてを自分でする必要があります。

また、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選べますが、源泉徴収ありの場合、証券会社が本人に代わって税金を納めてくれるので、自分で確定申告する必要はなくなります。会社員で投資初心者の方であれば、特定口座の源泉徴収ありを選んでおきましょう。

貯金ができたら運用という順番を守り自分に合った運用を

今は銀行の金利も非常に低く、何か投資をしたいと考える人も多いと思いますが、ただ単にお金を増やしたいから投資を始めるのは危険です。まずはしっかりと貯金を貯め、今回ご紹介した3つの商品を参考に、少しずつ自分に合った資産運用を始めてみてください。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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